地域文化財に新たに5件を認定
地域の歴史や文化を未来につなげよう

最終更新日:2012年5月2日

写真:名曲喫茶らんぶる
写真:源兵衛子育地蔵尊の石造物群
写真:彰忠碑
新宿区(区長:中山弘子)は、23年4月に23区で初めて「地域文化財」制度を設け、寄席の末広亭(新宿3-6-12)など10件を昨年10月に認定している。今回、新たに5件を認定した。
 
地域文化財は、地域で継承されている身近な「もの」や「場所」を次の世代へ伝えていく取り組みで、対象が主に江戸時代から戦前までの指定文化財・登録文化財と異なり、戦後や高度経済成長期など近現代まで拡大している。地域から広く情報を寄せていただき、「都市・産業分野」「文化・芸術分野」「歴史分野」「生活分野」「平和分野」「自然分野」の6つの分野でまちの歴史や文化を物語る「もの」や「場所」を認定している。今回、認定した地域文化財は次の5件。
 
■名曲喫茶らんぶる(新宿3-31-3)/都市・産業、生活分野
 昭和30年(1955年)から現在地で営業を続ける老舗の喫茶店。建物は建て替えたが椅子とテーブルは当時のままで、名曲喫茶・歌声喫茶などが数多く営業していた、戦後の新宿の面影を残している。
■オブジェ「歓び(PLAISIR)」(四谷1-7、持田製薬株式会社本社前)/文化・芸術分野
 岡本太郎作のブロンズ製のオブジェで、昭和53年(1978年)10月に持田製薬株式会社創業65周年を記念して制作された。「顔」をモチーフとし、公共空間を彩るパブリックアートとして親しまれている。
■源兵衛子育地蔵尊の石造物群(西早稲田2-18-26隣、源兵衛子育地蔵尊内)/歴史分野
 地蔵尊と庚申塔(江戸時代に制作)、馬頭観音(明治・大正時代に制作)、道標(製作時期不明)で構成される石造物群。現在も、日常的な信仰の対象として、地域に親しまれている。
■太平洋戦争本土初空襲の地跡(早稲田鶴巻町519、岡崎医院)/平和分野
 昭和17年(1942年)4月18日の爆撃機B-25による空襲で、早稲田鶴巻町・馬場下町に焼夷弾が投下されたとき、建物が延焼し大きな被害を受けた岡崎病院があった場所。太平洋戦争の甚大な被害を伝える史跡。
■彰忠碑(西早稲田2‐18‐26隣、源兵衛子育地蔵尊内)/平和分野
 大正3年(1914年)に戸塚町兵員慰労義友会が、高さ279cm・幅242 cmの伊予青石(緑泥片岩)の一枚岩を使用して建てた記念碑。日清戦争・日露戦争で、当時の戸塚村から出征した方の名が刻まれ、戦争の記憶を今日に伝えている。

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電話03-5273-3563