(音声読み上げ用)ユニバーサルデザインまちづくりガイドライン3-1-2

最終更新日:2012年3月9日

2 ユニバーサルデザインの視点でのまちづくりの取組(中編)

●24~25ページです
《新宿区の『ひと』の多様性》
さまざまな人の「動作の特性」と、その特性の対する必要な「都市空間での配慮」すべき事がらを説明しています。

◇高齢者の「動作の特性」としては、
・移動にかかわる筋力、視覚、聴覚などの機能が低下し移動の負担が大きくなります。
高齢者の「都市空間での配慮」は、
・段差や歩きやすさに配慮した連続した歩行空間が必要です。
・階段等を利用するのに困難を生じるために、利用しやすい場所にエレベーターやエスカレーター、スロープ等を設置し、移動の選択性を広げる必要があります。
・長距離、長時間の歩行に困難が生じるため、都市空間のなかで休憩できるスペースの確保が必要です。
・情報を的確に理解しにくくなるため、案内では文字の大きさやピクトグラム※などわかりやすい配慮が必要です。

◇車いすを使用する肢体不自由者の「動作の特性」としては、
・階段、段差などがある経路の移動ができません。
・幅が狭いと通行や施設の利用ができません。
・手の届く範囲が狭く、目線が低い。
・座席より前に足のせがあるため、接近できません。
・上肢に麻痺がある場合は、機器の操作なども困難です。
車いす使用者の「都市空間での配慮」は、
・利用したい施設まで段差がなくアプローチできることが必要です。
・通路やトイレには十分な幅、回転できる広さなどが必要です。
・設備の利用にあたっては、適切な高さや接近するための蹴込みなどへの配慮が必要です。

◇車いす使用者以外の肢体不自由者の「動作の特性」としては、
・階段の上り下りや、長い距離の移動、長時間立っていることなどが困難です。
・身体のバランスを崩しやすいです。
車いす使用者以外の肢体不自由者の「都市空間での配慮」は、
・杖の振り幅があるので、出入口や通路の十分な幅が必要です。
・松葉杖利用者の場合、トイレや段差などに手すりが必要です。

◇内部障害者 (心臓、じん臓、肝臓、呼吸器、ぼうこう・直腸、小腸機能の障害、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害を持つ人等の総称です。) の「動作の特性」としては、
・外見からは障害があることがわかりにくい場合があります。
・疲れやすく、長い距離の移動や長時間立っていることが困難です。
内部障害者の「都市空間での配慮」は、
・オストメイト対応トイレが必要です。
・休憩できる場所や階段等への手すりの設置に配慮する必要があります。

◇全盲の視覚障害者の「動作の特性」としては、
・視覚による空間認知や情報取得ができません。
・転落や追突、飛び出し防止など、安全性の確保が必要です。
全盲の視覚障害者の「都市空間での配慮」は、
・視覚障害者誘導用ブロック、音声等による案内および点字による情報提供が必要です。
・道路上の視覚障害者誘導用ブロックの連続性を確保する必要があります。
・杖の振り幅があるため、出入口や通路の幅などに配慮が必要です。

◇弱視の視覚障害者の「動作の特性」としては、
・視覚による空間認知や情報取得が困難です。
・転落や追突、飛び出し防止など、安全性の確保が必要です。
弱視の視覚障害者の「都市空間での配慮」
・情報の表示位置や、文字の大きさやフォント、地色とのコントラストなどへの配慮が必要です。
・視覚障害者誘導用ブロックおよび音声等による案内や情報提供が必要です。

◇色覚障害の視覚障害者の「動作の特性」としては、
・外見からは障害があることがわかりにくい場合があります。
・色名を使ったコミュニケーションが困難です。
色覚障害の視覚障害者の「都市空間での配慮」は、
・例として、紫と青、緑と茶色、赤と茶色、水色とピンク、灰色と淡い
水色、薄緑など、特定の色の区別が困難なため、案内を色で区別する場合には配慮が必要で、形などでの識別が有効です。

◇聴覚および言語障害者の「動作の特性」としては、
・外見からは障害があることがわかりにくい場合があります。
・音声による情報の入手や、言葉によるコミュニケーションが困難です。
聴覚および言語障害者の「都市空間での配慮」は、
・視覚による情報伝達の表示等は、人の行動に合わせ連続的に整備するよう配慮が必要です。
・緊急時等では、視覚によるほか振動などにより当事者へ伝達できるよう配慮が必要です。
・視覚による設備機器類の設置に合わせ、情報伝達をより正確に行えるよう、筆談や手話等のコミュニケーション手段の活用に配慮が必要です。

◇知的障害者、精神障害者、発達障害者、脳機能障害者の「動作の特性」としては、
・知的障害では、移動やコミュニケーションに時間がかかったり、情報量が多いと混乱する場合があります。
・精神障害では、不安を感じたり緊張しやすい人がいます。てんかんの発作は、安全な場所でしばらく休めば回復する場合もあります。
・発達障害では、運行掲示板やサインなどからの情報の取得が困難だったり、急な予定の変更にうまく対応できなかったりする場合があります。
・脳機能障害では、コミュニケーションが困難であったり、疲れやすく思考のスピードが遅くなるなど一人ひとりさまざまです。外見からはわかりにくい場合があります。
知的障害者、精神障害者、発達障害者、脳機能障害者の「都市空間での配慮」は、
・言語による意思伝達の不足を補う手段として視覚的な手段の、絵、文字、写真、実物の提示、動作で示す等、に配慮する必要があります。
・機器などはわかりやすく操作しやすいものとする必要があります。
・休憩できる場所を設けるよう配慮する必要があります。

◇妊娠中の人の「動作の特性」としては、
・外見からは妊娠中であることがわかりにくい場合があります。
・階段の上り下りや、長い距離の移動、長時間立っていることなどが困難です。
・身体のバランスを崩しやすいです。
・(つわりの時期など)急に具合が悪くなる場合があります。
妊娠中の人の「都市空間での配慮」は、
・階段の昇降などが困難であるため、特に長い移動や上下移動に配慮する必要があります。
・妊婦は足元が見えない、前かがみの姿勢などが難しいなどの動作困難があることに配慮する必要があります。

◇乳幼児連れの「動作の特性」としては、
・ベビーカー使用者の場合、階段などの利用が困難です。
・乳幼児をおんぶまたは抱っこしている場合、身体のバランスを崩しやすいです。
乳幼児連れの「都市空間での配慮」は、
・ベビーカー等の利用に配慮し段差を設けないことが必要です。
・おむつ交換や授乳のための施設が必要です。
・乳幼児をかかえて移動する場合など、休憩ができる場所を設けるよう配慮が必要です。

◇子どもの「動作の特性」としては、
・視線が低く視界が狭く、危険の察知が遅れます。
子どもの「都市空間での配慮」は、
・低い位置からの視認性や操作性への配慮が必要です。
・図示や記号化などわかりやすい情報提供の配慮が必要です。

◇外国人の「動作の特性」としては、
・日本語による情報の入手や、コミュニケーションができない場合があります。
外国人の「都市空間での配慮」は、
・特にサイン等では外国語標記が必要となります。
・図示や記号化等わかりやすい情報提供の配慮が必要です。

◇観光客の「動作の特性」としては、
・土地に不慣れな場合があり、目的地までの正確な情報を得ることが困難であり、不安を感じる場合があります。
・キャリーカート等の重い荷物を持って移動する場合があり、階段の上り下りや長い距離の移動が困難です。
観光客の「都市空間での配慮」としては、
・サイン等による目的地までの分かりやすい情報提供や、人のサポートが必要です。
・階段の昇降や長距離・上下の移動などが負担であるため、エレベーターやエスカレーター、休憩できるスペースを設ける必要があります。

◇その他、「動作の特性」として、
・一時的にケガをしている人は、階段の上り下りや長い距離の移動が困難です。
・一時的に体調の悪い人は、判断力が低下し、コミュニケーションが困難な場合があります。また、まっすぐ移動できなかったり、体調が悪くなることがあります。
その他の「都市空間での配慮」は、
・階段の昇降や長距離・上下の移動などは身体への負担になるため、エレベーターやエスカレーター、休憩できるスペースを設ける必要があります。

以上は、あくまでも一例です。人により特性はさまざまであり、上記の例が当てはまらない場合もあります。
【ユニバーサルデザインの視点でのまちづくりの方向性 中編】は終わりです。

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新宿区 都市計画部-景観・まちづくり課
電話 03-5273-3843 FAX 03-3209-9227

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