市谷加賀町二丁目遺跡から 縄文時代の人骨を発見
新宿区内で異例の出土

最終更新日:2013年1月30日

写真:人骨の発掘作業
写真:発掘された約4,000年前の人骨と縄文土器
新宿区(区長:中山弘子)の市谷加賀町二丁目遺跡(市谷加賀町二丁目7)から、約4,000年前の人骨と縄文土器がまとまって発見された。人骨は保存状態が非常に良好で、極めて貴重な資料と考えられる。

市谷加賀町二丁目遺跡では、昨年10月16日から共同住宅建設工事に伴い発掘調査が行われていたが、11月13日に人の脚部の骨を発見。その後、周辺を発掘したところ、頭骨を含む複数の個体を確認した。

人骨の周囲から縄文土器が出土し、地層の乱れも認められないことから、人骨は縄文時代のものと推測。国立科学博物館に鑑定を依頼し、「骨は縄文人の特徴を備えている」との所見を得た。さらに、人骨の一部を採取して放射性炭素年代測定を行ったところ、約4,000年前のものであるとの結果が得られ、人骨が縄文時代中期~後期のものであることが判明した。人骨は少なくとも11体分で、現段階で男女それぞれ3体が判別できる。

人骨が出土した武蔵野台地は酸性土壌で、骨が長期間残存しないことから、今回の発見は極めて希少な出土事例となる。また、縄文時代の埋葬方法がうかがえる良好な保存状態であることから、考古学、人類学、民族学上の第1級資料と言える。

区では今後、出土した人骨を国立科学博物館に移して修復作業を行うとともに、周辺の土壌を分析し、長期間にわたり骨が保存された要因を検討する。文化観光課では、「今後の調査・分析で複数出土した人骨の系統や血縁関係、また、復顔によりどんな顔立ちだったのかが明らかになることを期待する」としている。

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