「漱石自筆の手紙」新宿区に寄贈される

最終更新日:2009年10月26日

写真:夏目漱石自筆の書簡
写真:松崎さんと中山区長
区内在住の松崎正次(まつざきしょうじ)さん(84歳)が、夏目漱石自筆の書簡を新宿区(区長:中山弘子)に寄贈した。

今回寄贈の書簡は、漱石が友人である市原隆作に宛てた大正元年9月6日付のもので、8月中に旅行に出かけ同月31日に帰宅したこと、健康状態への気遣いに対するお礼などが記されている。漱石が市原に宛てた書簡3通のうち、2通の所在が不明とされていたが、このうちの1通にあたる貴重なもの。
市原の詳細な人物像については不明だが、漱石が市原とともに檜物町(ひものちょう:現在の八重洲1丁目付近)の芸者のもとを訪れ、取材を行ったとされている(『漱石日記』明治45年5月6日の条)。

松崎さんは、「父が70~80年前に知人から入手したもので、10年程前に書類を整理していた際に発見しました。新宿区にゆかりの漱石の手紙であり、貴重なものであれば区で保存してもらいたいと思い連絡しました」と話している。区は松崎さんの申し出を受け、この書簡を新宿歴史博物館(三栄町22)に収蔵し、明日10月27日から常設展示室で公開する。
今日26日、区は松崎正次さんに対し感謝状と記念品を贈呈。中山区長は「ご寄贈いただいた資料を大切に保管するとともに、今後も漱石に関する情報の収集・発信に取り組んでいきます」と感謝の言葉を述べた。

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