漱石が生きた時代を偲ぶ「新宿の漱石 文月講演会」を開催

最終更新日:2008年7月10日

写真:講演する紅野敏郎さん
写真:講演会場を後方から見る
写真:講談を披露する神田紅さん
 今日10日、NPO法人漱石山房(代表:近藤祐司)は、新宿区(区長:中山弘子)との共催で、講演会「新宿の漱石 文月講演会」を四谷区民ホール(内藤町87)で開催した。

 NPO法人漱石山房は、明治の文豪夏目漱石が生誕140年を迎えた昨年から漱石にまつわる講演会を開催しており、今回が4回目。毎回会場が満席になる人気の講演会で、今回も平日の昼間にもかかわらず、約400人が会場に詰めかけた。

 第1部は、早稲田大学名誉教授の紅野敏郎さんが「漱石書簡の魅力と活力」と題して講演。紅野さんは「漱石は手紙を出すのが好きだったようで、多くの書簡が残っています。漱石の優しい字で書かれた書簡を読むと、漱石の人間的な温かみが垣間見えます」と語り、漱石が正岡子規や高浜虚子などとやり取りした書簡の内容を紹介。ユーモアを交えて書かれた漱石の書簡が紹介されるたびに、会場からは大きな笑いが起きていた。

 第2部は、神田紅さんによる講談「坊っちゃん」。名調子で語られる漱石の名作に、多くの観客が聞き入っていた。

 近藤祐司さんは「漱石の書簡は単なる手紙ではなく文学的な要素も大きいと思います。漱石の書簡をひもとくことで漱石の新たな魅力に触れ、改めて作品を読み返してみると、より深く漱石の世界を楽しめますよ」と漱石への思いを話してくれた。

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