闇に浮かぶ幽玄の世界 ~新宿御苑・森の薪能

最終更新日:2007年10月23日

写真:会場全景・炎に照らし出される能舞台と、それを見つめる観客
写真:殺生石(せっしょうせき)
写真:安宅勧進帳瀧流之伝(あたかかんじんちょうたきながしのでん)
写真:舟(ふね)ふな
 新宿の秋を彩るイベント「新宿御苑・森の薪能」が、昨日10月22日(月)午後6時から新宿御苑芝生広場(内藤町11)で行われた。

 今年で23回目を数える薪能は天候にも恵まれ、約2,600人が炎の中に浮かび上がる幽玄の世界を堪能した。

 今年は、観世流シテ方二十六世宗家・観世清和師をはじめ、当代最高峰の演者、演目を用意。
 世田谷区から来たという女性は、「娘の16歳の誕生日の記念になればと、今日は一緒に見に来ました」と話してくれた。また、「他で見る能とは違う、特別な雰囲気」「とてもすばらしい舞台。来年も見に来ます」という感想も聞かれた。

 すべてが芝生席の薪能は、日没とともに冷え込んでいく中での鑑賞となる。それでも観客は、時折静寂とともに届く電車の音や、会場を取り囲むような虫の音を楽しみながら、最後まで熱心に古典芸能の世界を鑑賞していた。

 演目・演者は以下のとおり。
○能 「安宅勧進帳瀧流之伝(あたかかんじんちょうたきながしのでん)」 観世清和(かんぜきよかず)、観世三郎太(かんぜさぶろうた)、宝生閑(ほうしょうかん)(観世流)、
○狂言 「舟(ふね)ふな」  野村萬(のむらまん)、野村虎之介(のむらとらのすけ)(和泉流)
○能 「殺生石(せっしょうせき) 白頭(はくとう)」  観世銕之丞(かんぜてつのじょう)、宝生欣哉(ほうしょうきんや)(観世流)

本ページに関するお問い合わせ

新宿区観光協会(3344)316