漱石生誕140年特別記念講演「漱石を語る七夕講演会」を開催

最終更新日:2007年7月7日

写真:漱石を語る七夕講演会 ホールの様子
写真:漱石を語る七夕講演会 夏目房之介さん
 七夕の7月7日(土)、四谷区民センター(内藤町87)で、「漱石山房を考える会」の主催による「漱石を語る七夕講演会」が開催された。
 この講演会は、新宿で生まれ没した明治の文豪夏目漱石の生誕140年を記念して、同会が新宿区と共催で行った。

 第1部は、漱石の孫でありマンガ・コラムニストとして活躍中の夏目房之介さんが「孫が語る漱石」と題して祖父漱石への思いを語った。第2部は、講談師神田紅さんによる初公開の「講談 夏目漱石」が披露された。

 開催に当たって、中山弘子新宿区長は「漱石は新宿区の宝。新宿が漱石の生まれた土地であることを広く発信していきたいと思っています。今年度は漱石に関するさまざまな催しを開催しますが、多くの方、特に若い方に漱石を身近に感じてほしいと思います。」と挨拶した。

 第1部で、夏目房之介さんは写真や見取り図なども用いて、漱石と山房との関わりやエピソードを紹介した。また、漱石がロンドン留学での経験から、個人主義や文明への批判を抱くとともに、祖国日本が向かおうとしている将来に矛盾を感じていたこと、その世界の出来事と自分の中での出来事を拮抗させて考えていたことなどを語り、近代知識人であった祖父漱石の苦悩を鋭く分析した。

 450席あまりの会場はほぼ満席で、時にユーモアあふれる語り口に観客からは笑いが起こっていた。
 第2部では、神田紅さんが、漱石の生涯や家族への思いを名調子で語った。
 漱石山房を考える会の代表近藤祐司さんは、「参加してくださった皆さんに、この講演を通して、漱石の奥深く幅広い作品や漱石の現代的な意味を側面から理解していただきたいと思って企画しました。」と話してくれた。

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