日本を代表する超高層ビル街「西新宿」をいかに再生するか 特別シンポジウムを開催

最終更新日:2007年2月17日

特別シンポジウムで熱く語るパネリスト
 今日午後4時~7時、新宿パークタワー(西新宿3-7-1)で、早稲田大学戦略デザイン研究所主催の特別シンポジウム「これからの魅力的な都市づくり」が開催された。このシンポジウムは、第3回西新宿定点撮影映像写真展の一環として、最新の都市開発事例を踏まえ、西新宿をいかに魅力的かつ機能的な都市へと再生できるかということを検討・発信する目的で実施されたもの。
 第一部では、三井不動産株式会社執行役員東京ミッドタウン事業部長の市川俊英氏が「都市型最新巨大複合施設は何を考え、何を目指すか―東京ミッドタウン」と題し講演を行った。市川氏は、3月に六本木でオープンする「東京ミッドタウン」の概要とその開発ビジョンを紹介した。開発ビジョンは、これまでの生産型社会から創造型社会へと変化する中で捉えた、「デザイン」「多様性―融合都市」「地域と生きる」という3つ。このビジョンを掲げてミッドタウンをつくり上げてきた経緯を語った。
 第二部では、伊藤滋氏(都市再生戦略チーム座長・早稲田大学特命教授)、北山孝雄氏(北山創造研究所代表)、中西元男氏(早稲田大学戦略デザイン研究所客員教授)、中山弘子新宿区長によるシンポジウム「西新宿のリノベーションをいかに図るか」が開催された。
 伊藤氏は「西新宿は、その後開発された地域よりビルとビルの間が広く、ゆとりと未来のあるまちだと思う。地主の皆さんには未来の新宿に対するビジョンを持ってほしい」と語り、噴水のある公園に続く通りや企業による博物館などさまざまなまちづくりのアイディアを挙げた。中山区長は、新宿区まちづくりグランドデザイン等を紹介し「新宿は、多様性があり、時代の空気を映し先端を走ってきたカウンターカルチャーのパワーを持ったまち。新宿の強みを生かし『歩きたくなるまち新宿』をテーマに区民の皆さんとまちづくりを行っていきたい」と思いを語った。北山氏は「20世紀はそれぞれが欲望を追求した時代だったが、21世紀は共に夢を追う成熟した社会を目指したい」と話し、これまで手掛けたまちづくりを事例に挙げながら、消費社会・人工的なものなどから脱却し、人間を1という単位にもどして思いやりや優しさを考えてみる必要性を問いかけた。中西氏は「『デザインはあらゆる分野の共通項分母』という言葉に感銘を受け、デザインを世の中に存在させる経営(意思決定)者に、デザインを理解・採用させる理論と手法が必要」と、デザインを理解し活用できる人材育成の重要性を語った。
 400名入るホールはほぼ満席で、参加者は登壇者の話に熱心に耳を傾け、西新宿の未来像に思いを馳せた。

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