えのき散歩道

最終更新日:2020年6月30日

わが街えのきの名所・旧跡をご紹介します。
休日にご家族・友人と歩いてみませんか?

第2回 夏目漱石が晩年を過ごした 「漱石山房」 (早稲田南町)

【1】夏目漱石と新宿区

写真:漱石山房記念館新宿区立漱石山房記念館
 日本近代文学の巨匠であり、我が国を代表する文豪・夏目漱石。
 漱石が誕生し、その生涯を終えた新宿区には、漱石ゆかりの地が数多くあります。
 
 慶応3年(1867年)に誕生した漱石の生家は江戸牛込馬場下横町(現在の新宿区喜久井町
 1番地)にあり、「喜久井町」という 町名は夏目家の家紋「井桁の菊」にちなんで名づけられ
 たとか。また、漱石の生家前の坂を「夏目坂」と名付けたエピソードも残っています。
 
 幼少時代を今の新宿区内で過ごした後、大学進学、松山・熊本での教師生活、英国留学、
 大学講師を経て、明治40年(1907年)に朝日新聞社に専属作家として入社。この頃、早稲田
 南町に居を移し、「漱石山房」と呼ばれた書斎から数々の名作を生みだしながら、晩年の9年
 間を過ごしました。
 
 終焉の地である早稲田南町の旧居跡地には「新宿区立漱石山房記念館」が整備され、地域
 住民の皆さんや国内外の漱石ファンから親しまれています。

【2】作品年譜(※初出時)

明治38年 「我輩は猫である」「倫敦塔」「カーライル博物館」「琴のそら音」
明治39年 「坊っちゃん」「草枕」「二百十日」
明治40年 「野分」「虞美人草」
明治41年 「坑夫」「文鳥」「夢十夜」「三四郎」
明治42年 「永日小品」「それから」
明治43年 「門」
大正元年 「彼岸過迄」「行人」
大正3年  「こゝろ」
大正4年  「硝子戸の中」「道草」
大正5年  「明暗」(漱石死去による未完作品)

第1回 新選組ゆかりの地 「試衛館」 (市谷柳町)

【1】試衛館とは?

 近藤勇をはじめ、沖田総司、土方歳三、永倉新八、藤堂平助、原田左之助などの新選組の中心人物が、浪士隊に参加する以前に剣術「天然理心流」の修行をした道場である。

【2】近藤勇と試衛館

天保5年(1834年)上石原村(現在の調布市)の農家に生まれる。(名は宮川勝五郎)
嘉永元年(1848年)天然理心流入門。
嘉永2年(1849年)人柄と腕を見込まれ、道場主の三代目近藤周助の養子となる。
嘉永5年(1852年)(沖田総司が入門)
嘉永6年(1859年)(土方歳三が正式入門(1851年ともいわれる))
文久元年(1861年)天然理心流四代目襲名。
文久3年(1863年)浪士隊に参加するため、土方、沖田らと共に京都へ向かう。
慶応4年(1868年)板橋で処刑。

 15歳で入門、16歳で養子となり、27歳で四代目襲名、30歳で浪士隊参加のため京都へ向かい、のちに新選組結成、35歳で生涯を閉じる。一生の半分近くを柳町界隈で過ごしたことになる。

【3】試衛館の場所

甲良屋敷【現在の市谷柳町25番地】 → 加賀屋敷【現在の市谷加賀町二丁目】
                    《 → 二十騎町(家族のみの移転。) 》
画像:試衛館周辺図
《甲良屋敷》
 近藤勇が養子になった当時の試衛館「甲良屋敷」にあった。勇が養子に入る時の証文「差出申養子一札之事」の文章末に、
          江戸牛込甲良屋敷地面内  近藤周助  
とある。この「甲良屋敷」とは町名で、地図等により、それが現在の市谷柳町25番地であることが確認されている(市谷甲良町ではない)。


《加賀屋敷》
 移転の時期は不明である。真山青果「近藤勇の試衛館」の中で「浪士姓名簿」という小冊子に次のような記述があるとしている
    四代浪人 当時市谷加賀屋敷山川磯太郎地借仕り候
               亥三年    近藤 勇
                      父、妻子三人
 「亥三年」は「文久三年」であるとしている。この年京都に向かっている。

《二十騎町》
 家人が、近藤勇らが京都へ向かった後のがら空きになった道場を持て余したため引っ越したものであり、ここには道場はなかった。近藤勇五郎(勇の娘の夫)「新選組始末記」等に記述がある。
資料を参考にさせていただきました。ありがとうございます。
※ 市谷柳町町会のメンバーによる「市谷柳町試衛館」勉強会資料(講師あさくらゆうさん)
※ 鈴木貞夫さんによる記事  「歴史探訪 近藤勇と牛込周辺(1)~(4)」 
地域だより「えのき」42~45号(平成11年5月~平成12年1月発行)

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