新宿区自治フォーラム2017『新宿区のまちの魅力とブランドづくり』

最終更新日:2017年4月10日

新宿自治創造研究所は、平成29年3月18日(土)午後、新宿区自治フォーラム2017「新宿区のまちの魅力とブランドづくり」を新宿文化センター小ホールで開催しました(参加者70名)。フォーラムでは、針谷弘志総合政策部長の挨拶の後、菅野秀昭企画政策課長から、区の成り立ちや概況、基本構想と5つの基本政策、自治基本条例など新宿区の紹介があり、その後、村上京子新宿自治創造研究所副所長から、研究所の28年度の研究成果である「新宿区のまちの魅力」の報告がありました。研究所では新宿の魅力とブランド力を高めるための調査研究を行っており、研究所レポートから、にぎわいの実態把握と意識面からみる魅力の分析の概要を報告し、最後に、人々が評価している新宿区の魅力の特徴を「利便性」と「特異性」と総括しました。

続いて、研究所アドバイザーであり、地域ブランドやシティプロモーションの専門家である地域開発研究所の牧瀬稔上席主任研究員から、「地域ブランド戦略とこれからの新宿区」をテーマに講演が行われました。牧瀬氏は、「ブランドとは差別化という意味があり、ブランド化に成功すると『選ばれる』可能性が高まる。ただし、地域ブランドは手段であり、目標ではない。目標には、定住人口獲得、交流人口増大、シビックプライド醸成、企業誘致進展などが考えられ、新宿区が何を目指すのかを明確にする必要がある」と話されました。また、「新宿区には既に様々なブランドやイメージがあるが、一つひとつのイメージが強烈すぎることが課題かもしれない。イメージとしては、富士山がいくつもあるという感じ」、「新宿区のブランド力は様々な面で全国の中でトップクラスにあるが、居住意欲度は23区の中で高くない。今後これを強くしていくのか、今強いブランド指標をより強くしていくのか、考える必要がある」と指摘されました。最後に、これからの新宿区のブランド戦略として、「既存のブランドを関連づける戦略、現在の個性あるブランドをさらに磨きあげる戦略、現在のブランドを一度否定して新しいブランドを形成する戦略などがあり、それを考えていく必要がある」と提言されました。

続いて行われたパネル・ディスカッションでは、パネリストとして、牧瀬稔氏、小林裕和氏(JTBグローバル事業本部)、大森徹哉氏(新宿~御苑~四谷タウン誌『JG』発行人)、菊地加奈江氏(新宿観光振興協会事務局長)が登壇され、金安岩男新宿自治創造研究所長のコーディネートのもと、新宿区のまちの魅力とブランドづくりについて討論されました。金安所長から「新宿のスポットが多く登場するアニメ映画『君の名は』が大ヒット中であり、区民にとっても興味深いものであろう。今日はいろいろな立場から新宿の魅力について考えていきたい」との導入があり、小林氏は、「新宿の魅力は『カオス』的でありながら逆にホッとするところ。雑然としている分、個人を受け入れてくれる感じがする」、「都市には様々な人が多様な目的で来ており、それを受け入れられることが都市観光の要件の一つ」と話されました。大森氏は、「新宿はコンテンツが充実しており、劇場やギャラリー、映画館などが多く、色々な文化の受け皿になっている」、「地域プロデューサーは新宿では成り立たない。新宿は地域の地場の力や民間の活力が強いからであり、行政は民の力を認めることが必要」と話されました。菊地氏は、「新宿の魅力は『多様性』であり、それは逆に魅力を一つに絞れないため、情報発信のプロモーションを戦略的にやらなければならない難しさがある」、「新宿を知れば知るほど魅力が見つかる。エリアごとに特性があり、昔からまちの人が大事にしているものがある一方、最先端のものもある」などと話されました。

最後に参加者からの「芸術・文化がまちに魅力につながる理由は」の質問に対し、小林氏が「都市観光の魅力に芸術・文化は欠かせない。芸術・文化はまちの品格に関わる重要な要素」と答えられ、また、「事業所が多いエリアは平日は賑わっているが、休日は閑散しているということをどう考えるか」の質問に対し、大森氏が「そうしたエリアは確かに休日になると閑散とするが、それを新宿の多面性の一つとして認めてもよいのではないか」などと答えられました。そして金安所長の挨拶の後、閉会となりました。

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