新宿区自治フォーラム2013『変わりゆく家族と新宿区』

最終更新日:2013年4月24日

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新宿自治創造研究所は、平成25年3月16日(土)午後、新宿区自治フォーラム2013「変わりゆく家族と新宿区」を新宿文化センター小ホールで開催しました(参加者55名)。フォーラムでは、はじめに松田研究所副所長が平成24年度の研究活動の概要を報告しました。

次に、研究所アドバイザーであり人口学の専門家である大江守之慶應義塾大学教授が、「多様化する新宿区の家族~新しい親密圏の社会的・空間的な姿」をテーマに講演を行いました。大江教授は、「新宿区では特に中年層において単独世帯・未婚者が増えており、その働き方や収入、ライフステージ、居住歴などは多様化している。単独化・未婚化が進み、家族関係が弱くなったときに、新たな親密圏をコミュニティの中につくっていかなければならない。ただし、行政や企業などのシステムに全て委ねると親密性が生まれにくくなり、孤立化してしまう。」といった話をされました。

続いて、家族社会学や若者支援の専門家である宮本みち子放送大学教授が「単身化する社会のなかの家族」をテーマに講演を行いました。宮本教授は、「家族に対する日本人の心は、自由を求める一方、孤独でいることが寂しいという矛盾した思いがある。また、日本の社会は『家族』と『会社』がセットで維持されてきたが、どちらも近年、弱体化しており、安定した仕事や帰属する場を持てない若者が増えている。こうした『家族以降の時代』は新しい格差の生まれる時代であり、結婚をせずに中年期を迎える人が増え、ケアという社会資源を確保できる人とできない人に分かれる。これが単身化する社会の大きな課題であり、新しい関係性をつくること、また、人々が社会の死角に落ち込むことを防止し、社会への参画を促し、潜在的能力を引き出す新しい社会保障が必要である。」といった話をされました。

その後、大江教授が宮本教授に質問する形で対談を行い、コミュニティの中での仕事づくりを行っているグループリビングなどの事例や、女性を中心としたコミュニティづくりについて、「多様化し、人々が家族に頼れずにばらばらになっていく社会の中では、上下関係がなく成果を第一優先としない、女性に特有な縁のつくり方が求められる。こうした女性の力を活かすため、行政は、女性が活動する機会や場所、情報を提供できる」といった話をされました。

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