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コロナ禍でのノウハウの蓄積と行政改革・業務改善

最終更新日:2021年12月15日

皆さんおはようございます。
区長の吉住健一です。

はじめに
この一年、様々な新型コロナの対応を行いながら、職務に従事をしていただいた職員の皆さんに、お礼を申し上げたいと思います。
今年は、年明けの1月7日に緊急事態宣言が発出され、感染拡大防止のための緊急対応で始まりました。以降、緊急事態措置とまん延防止措置が繰り返し出されました。1月の第3波、8月の第5波と危機的な状況を乗り越えて、ようやく小康状態となりました。
この間、職員の皆さんは、急な事業やイベントの中止や縮小など苦渋の判断のもとに、困難な取組みをしてきましたが、区民全員を対象とした計画的なワクチン接種という重大事業を進めるほか、コロナにかかる様々な支援事業の実施、オリンピック・パラリンピックのレガシーへの取り組みも着実にこなしてきました。
区役所の職員として、これまで経験したことがない感染症流行下での職務遂行は、大変だったと思います。皆さん一人ひとりの努力と頑張りを誇りに思いますし、心から感謝を申し上げます。

現在、感染力が高いとされる変異株が国内でも確認されるなど、収束には至っていない状況ですが、医療体制のさらなる構築や、経口治療薬の確立までもう少しと、今後の希望も見えてきました。
区は、ワクチンのブースター接種や、新たな臨時給付金の支給事務など、必要な緊急対応を行いながら、少しずつ平常の区政運営に向けた軌道を辿っていく時期に来ていると思います。

このような時期にあって、私達には考えておくべきことがあります。
一つは、今回のコロナの経験を、次の感染拡大の波や、コロナ以外の感染症の有事にどう活かしていくかということです。
この2年の間で、私達は様々な経験をしてきました。人流による感染拡大や基本的な予防対策の効果、感染症の生活・地域経済への影響等を知りました。そうした中で、地域医療を含めた体制整備や、区民への迅速な情報伝達、個人・家庭・事業所の感染対策の徹底といった課題への対応方法を確立してきました。
今回のようなパンデミックは、グローバル化が高度に進んだ現代社会では、今後も繰り返し起こる可能性があります。私達が初めて直面した今回の経験を、次の有事に活かせるよう、それぞれの部署で課題を整理し、区のノウハウとして蓄積していただきたいと思います。

もう一つは、コロナ禍での取り組みを、行政改革や業務改善のきっかけとして活かしていくことです。
区は、事業の実施にあたり、「新たな日常」に対応するための様々な工夫を行ってきました。感染症対策の観点から参加人数の制限やオンライン形式を取り入れたほか、電子申請・キャッシュレス決済の導入促進に取り組み、効果を実感したものもあります。

デジタル化の浸透が急激に進んだことにより、生活スタイルそのものも大きく変化し、人々の価値観や行動も変わったように感じます。コロナ対応として行った変更や見直しの中にヒントがあるかもしれません。この二年間に取り組んできた事業の効果を分析し、この先にもつながる事業手法やサービスを模索して行ってください。

区役所の前を通る靖国通りは、隅田川に架かる両国橋から、歌舞伎町のJR大ガードまでを結ぶ幹線道路です。これは、大正時代に起こった関東大震災の後に復興目的で幅36mの道路として整備され、現在も都心の流通の要として残っています。
私達も、今回のコロナの経験から、何を築いて、残せるかを考えていきましょう。

10月以降、少しずつ、地域活動や学校行事が再開しています。
町内会の年中行事や防災訓練などは2年ぶりの開催です。
コロナのまん延は、地域活動に大きな影響を与えました。外出や人との交流を控える生活が習慣化され、身近な地域が活動範囲である高齢者や子育て中の方には、孤立を感じたという方が多くいます。体力低下や認知症の進行などの身体面での影響もあります。まだ感染状況を見極める必要があり、完全に元通りとはいきませんが、地域の様々な活動が継続できるよう、各部署でもサポートをお願いします。

最後に
今年も残り二週間となりました。来月から、また新しい一年がはじまります。
私たちの生活は、慣れた手法や前例に習う傾向があります。区民が必要とするサービスを提供し続けていくために、新しいアイデアを出し合いながら、前向きに議論できる組織の一員として、常に気持ちを一新していくことが大切です。
そこで、年頭には、旧年の回顧とともに新しい目標を立てる、何かを始めるなど、新しいものに意識を向けるのも良いと思います。
多忙な時期ですが、体調管理に気をつけて、身体を労わってください。そして、年末年始の期間にしっかりと休養をとって英気を養ってください。
 
本日の放送はこれで終わります。

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