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東日本大震災から10年 危機に強い組織づくりを目指して

最終更新日:2021年3月16日

皆さんおはようございます。
区長の吉住健一です。

年度末のこの時期、各職場では、事業の仕上げや新年度の準備に取り組んでいることと思います。今年度は、職員全員が一丸となり、組織を超えて新型コロナ対策に取り組んでまいりました。区発足以来の特別な一年であったと思います。先行きが見渡せない中での皆さんの尽力に心から感謝を申し上げます。

緊急事態宣言が21日まで延長となりました。区内での、感染者数は減少してきましたが、依然として新規感染者の発生が続いています。現在の感染状況で、通常通りの生活に戻れば、第四波を招く可能性があります。
感染の再拡大は、医療の逼迫や、区のコロナワクチン接種の実施にも影響を及ぼします。そのため、新宿区では、4月末までを「コロナ警戒期間」として、区施設の夜間利用中止や、区民等への感染予防の呼びかけを強化し実施して行きます。
また、コロナワクチンについては、高齢者等を対象に、十数か所の区施設を会場とした集団接種と、医療機関での個別接種を組み合わせて実施する予定ですが、接種会場では、受付・誘導・問合せ対応に従事する職員が必要です。来年度は接種に伴う一定期間、選挙の投開票のように全庁からの応援体制を組んで実施していくことになります。
日常の業務の進捗と調整しながらの体制づくりとなりますが、出来るだけ早く、接種を進め、区民生活と区政運営の日常を取り戻す為に、全庁あげたコロナ対策へのご協力をよろしくお願いします。
 
東日本大震災から10年が経過しました。
津波や火災等によって、行方不明者も入れると2万人以上が犠牲になりました。
23区でも震度5強が観測され、区内には大量の帰宅困難者が発生しました。震災当日、本庁舎の1階や区施設で帰宅困難者の方の対応にあたった職員もいると思います。
未だに、約4万1千人の方が、全国47の都道府県で避難生活を送っている状況を見ると、復興にかかる時間の長さを痛感します。

この10年の間に、熊本地震をはじめ、各地で地震や豪雨といった大きな災害が発生しました。区では、災害を他人事とせず、いざという時に支え合う自治体の仲間として、被災地への職員派遣を継続して実施してきました。これまで延べ193名の職員に、罹災証明事務や支援物資の輸送、仮設住宅の管理などの業務に従事してもらっています。令和3年度も、宮城県山元町(やまもとちょう)、福島県浪江町(なみえまち)、富岡町(とみおかまち)、熊本県益城町(ましきまち)に計8人の職員を派遣します。

東日本大震災発災当時、富岡町(とみおかまち)の総務課長補佐だった菅野利行(かんのとしゆき)さんが10年前を振り返った記事を紹介します。菅野さんは、福島県内最大規模の避難所となった郡山市の産業交流館「ビッグパレットふくしま」で被災者対応にあたりました。
そこには最大約2500人が身を寄せ、館内は、多目的ホールや会議室はもちろん、廊下に至るまで被災者であふれ、「ノロウイルスのまん延で、ホールの一部は野戦病院のようだった」そうです。
職員150人で、24時間体制で安否確認にあたったことや、情報を求める住民に対して役場からの情報を伝えるために、広報紙を月2回発行し続けたこと。全避難者が仮設住宅へ引っ越し、ビッグパレットが避難所の役目を終えたのは8月末だったという話から、職員の方が疲労困憊の中で、試行錯誤しながら懸命に支援を続けたことが伺えます。

今、首都直下地震は、かなり高い確率で発生が予想されています。また、新型コロナなど新たな感染症との複合災害も念頭に対策をとっていく必要があります。
これまでの災害時の経験、派遣先での経験を活かしながら、災害時応急活動マニュアルや各職場のBCPについても、常にアップデートし、最善のものにしていってください。一緒に、危機に強い組織づくりを目指していきましょう。

4月から、第二次実行計画が始まります。
令和9年度までを期間とする総合計画の目標達成に向けて、とても重要な3年間です。新型コロナの影響を踏まえ、感染防止対策を講じながら各事業を推進してください。
コロナをきっかけに、様々な事業手法の変化が見られました。オンラインでの動画配信、外部とのWEB会議など感染拡大防止の観点での取り組みが進み、電子申請サービスの拡充や、来年度の公金の電子決済サービスの導入など、区民の利便性向上につながるデジタル化の動きも加速したと感じています。
同時に、人々が、実際に空間や時間を共有することによって生まれる効果や価値をどう提供していくか、改めて考える機会になりました。
「新しい日常」の中で、暮らしを支える基礎自治体として役割を果たしていくために、区民に必要なサービスをどのような形で提供するのが良いのか、どうすればそれができるのか、検討してください。
 
最後になりますが、この3月31日をもって、92名の職員が退職されます。退職される皆様におかれましては、長年にわたり区政にご尽力くださいました。心より感謝を申し上げるとともに、今後のご活躍をお祈りいたします。
各職場では、退職される方のノウハウをしっかりと継承し、組織力の向上に役立ててください。
今年度も、残り2週間、多忙な時期ですが、体調管理に気をつけてください。コロナ対応が長期化する中で、過度な緊張や運動不足によって、体調面での不調や意欲の低下が現れることが心配です。先ほどの富岡町の避難所でも、心身ともに限界を迎えた状況下では、職員も住民もトラブルが発生しがちだったそうです。そこで、長期にわたる災害対応を乗り切るために、定期的な休息をとるとともに、気分転換をすることに取り組んだそうです。私たちも、休息や栄養を摂って免疫力を高め、身体を動かすなど自分に合った気分転換をしながら、心身の状態を保っていきましょう。
ゴールや着地点が見えない中で、頑張り続けることは難しいと思います。自分自身で実現可能なゴールや目標を立てて、一つひとつ達成したことを確認しながら取り組んで行くなど、モチベーションの持ち方を工夫してみるのも良いかもしれません。そして、忙しい時こそ、意識して声をかけあい、お互いにフォローしあえる職場づくりを目指して行ってください。大変な一年間でしたが、本当にお疲れ様でした。

本日の放送はこれで終わります。

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