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令和2年 新年賀詞交歓会・区長年頭の挨拶(要旨)

最終更新日:2020年1月7日

【注】本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。

写真:あいさつする吉住健一新宿区長
明けましておめでとうございます。
新宿区長の吉住健一です。

区民の皆さまには、穏やかに新年をお迎えのことと、心よりお慶び申しあげます。新たな年を皆さまとお祝いできますことは、誠にありがたいことと感じています。本日は、日曜日にも関わりませず、お越しいただき、ありがとうございます。
皆さまには、日頃より区政にご尽力、ご協力いただいておりますことを、この場をお借りしまして、あらためて御礼申し上げます。新年を迎えるにあたり、年頭のごあいさつを申し上げます。

今年の干支は「子(ねずみ)」ですが、子年は「陽気動き万物滋る年」とされ、多くの成果が現れるといわれている年です。
こうした成果を活かし、新宿に住み、集う人々が心豊かに暮らせるよう、これからの時代にふさわしいまちの実現に向け、さらなる進化を遂げる年にしてまいります。

さて昨年を振り返りますと、旭化成名誉フェローで名城大学教授の吉野彰さんが、リチウムイオン電池の開発の功績が認められ、ノーベル化学賞を受賞しました。リチウムイオン電池の開発は、情報化社会を支え、地球温暖化の解決にもつながる発明であると高く評価されています。今後も世界で飛躍する日本人の活躍に益々期待するところです。

また、スポーツ界では、9月にアジアで初となる「ラグビーワールドカップ2019日本大会」が開催され、日本国内はもとより、世界中から高い関心と注目を集めました。
日本代表は、アイルランドやスコットランドといった強豪国に勝利し、全勝で決勝トーナメントに進出しました。強豪国の代表チームと比べれば、一人ひとりは決して体格や体力に恵まれているわけではなかった日本代表の選手達が、一つのチームとなって、互いを支え合いながら、世界の強豪国と戦う姿は、私たちに、多くの感動と勇気、希望を与えてくれました。区内でも、新宿伊勢丹の屋上や、歌舞伎町のシネシティ広場でパブリックビューイングが実施され、熱気と興奮に包まれていました。あの時の熱い思いを、「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」につなげていきたいと思います。

7月には、いよいよ「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」が始まります。メイン会場となる国立競技場も、昨年11月末に無事完成し、開催に向けた準備が着々と進んでいます。
私は、56年ぶりに東京へやって来る世界最大のスポーツと平和の祭典に、地域の方々や子どもたちが何らかの形で大会に関われる機会を作りたいと考えています。3月29日には、新宿通りにおいて「新宿パレード2020」を開催します。魅力あるパレードを皮切りに、区立小中学校の児童・生徒による吹奏楽や、鉄砲組百人隊、阿波踊り、東京五輪音頭など、多くの区民の皆さまに参加いただき、日本の伝統文化と新宿の魅力を広く発信し、大会開催の雰囲気を分かち合いたいと思います。
大会開会へのムードが高まるセレモニーである聖火リレーは、オリンピックでは開会式当日にゴール地点として、パラリンピックでは都内のスタート地点として新宿区内を走ることになりました。私たちのまちで、世界最大のスポーツと平和の祭典が開かれることを、多くの区民の皆様と実感したいと考えています。
蛇足ながら、東京2020大会開催の年を記念して、不肖、ねずみ年の年男である私も1月26日開催の新宿区民健康マラソンの3キロの部に出走することにいたしました。参加されるランナーの皆さんと一緒に、2020年のマラソン大会で盛り上がりたいと思います。

また、障害者スポーツ体験イベントなどを通して、障害者スポーツを身近に感じ、競技を応援する気持ちを高めるとともに、相互理解による「心のバリアフリー」を推進してまいります。
さらに、東京2020大会のレガシーとして「(仮称)新宿ユニバーサルデザインまちづくり条例」を制定し、誰もが移動しやすく、利用しやすく、わかりやすい、ユニバーサルデザインのまちづくりを一層進めるほか、「新宿2020サポーター」制度が、多様な区民の方が様々な社会貢献活動や、地域を支える担い手としてデビューするキッカケとなるよう推進してまいります。
東京2020大会の開催を契機とする施策が、未来を担う子どもたちをはじめ、多くの区民の皆さまの記憶に残るよう、また、大会終了後のレガシーとして継承され、発展していくよう取り組んでまいります。

さて、昨年は、過去最強クラスの台風による記録的な豪雨と暴風が、全国各地域に甚大な被害をもたらすなど、多くの自然災害に見舞われた1年でありました。
近年の異常気象により、私たちの予想をはるかに超える風水害が多発しています。区としても、高齢者など配慮を要する方々の支援体制の充実や、マンション防災対策、地域の災害活動の担い手の育成などに取り組んでいるところですが、日頃から災害時の状況を想定し、行動計画を立てておくことはもちろんのこと、また、想像を超えた事態に直面した場合でも、命を守る為に、何を優先すべきかを考えておくことが必要です。

世界各国で大規模な自然災害をもたらしている異常気象は、地球温暖化によるものであると指摘されています。区としても、地球環境にやさしい取組として、省エネルギー機器の設置助成をはじめ、食品ロスの削減や使い捨てプラスチックの使用削減、また、リサイクル活動の推進に努めてまいります。

また、障害者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、障害者グループホームの設置や、精神障害者に対する経済的支援を実施するとともに、高齢者や障害者等の住まいを安定的に確保するための仕組みづくりを進めてまいります。
さらに、健康寿命の延伸に向けた施策の推進や、安心できる子育て環境の整備、学校教育のICT化と外国語教育への対応などに取り組んでまいります。

さて、今年は『新宿の拠点再整備方針』にもとづき、新宿駅の更新とともに、人中心で交流や賑わいを生む駅前広場、東西のまちをつなぐ空中デッキ、新たなビジネスや情報・サービスの発信拠点となる駅ビルの一体的な再編が動き出します。
いよいよ東京2020大会の開催に向け「新宿駅東西自由通路」が開通し、歩行者空間の充実と回遊性が大きく向上します。
新宿中央公園では「新宿中央公園魅力向上推進プラン」にもとづく、芝生広場やポケットパーク、カフェ・レストランなど、区民の憩いの場がオープンします。
今後とも、それぞれの地域の特性や個性を活かした、まちづくりに積極的に取り組んでまいります。
こうしたまちづくりに加え、新宿を支える産業振興や区内大学等との連携による商店街支援などに取り組むとともに、新宿観光振興協会を中心に、国際観光都市・新宿としての魅力を国内外に広く発信してまいります。

最後に、平和事業について申し上げます。
新宿区名誉区民の故やなせたかし先生は、ご本人も兵隊として苦労をされました。理不尽な暴力を振るわれ、食料も充分に与えられず、行軍の最中に多くの仲間たちが戦闘や病気によって命を落としたそうです。そして、大切な弟さんも戦争で亡くしました。戦後、戦争孤児の姿を見て、お腹が空いている人に食べ物を分けてあげたいと感じたそうです。その思いが、後に誕生したアンパンマンとなったのだといわれています。
戦争が無い世界は決して当たり前のことではありません。悲惨な戦争をなくし、恒久平和を実現するためには、私たち一人ひとりが平和への思いを強く持ち皆で共有することが大切です。
新宿区では、新宿区平和都市宣言の趣旨に基づき、「平和コンサート」や「親と子の平和派遣」などの平和啓発事業を引き続き実施するとともに、今年6月には、区立中学2年生全員を対象とした被爆者の体験講話を実施するほか、新宿区平和都市宣言35周年を迎えるための準備を進めるなど、戦争の悲惨さと平和の尊さを多くの方々に末永く発信してまいります。

区民の皆さまにおかれましては、引き続き、区政にご理解とご協力を賜りますようお願い申しあげます。
結びにあたりまして、この一年が皆さまと皆さまのご家族にとりまして、幸多き年となりますよう、お祈り申し上げまして、年頭のごあいさつとさせていただきます。

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