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平成30年 新年賀詞交歓会・区長年頭の挨拶(要旨)

最終更新日:2018年1月11日

【注】本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。

写真:あいさつする吉住健一新宿区長
 明けまして、おめでとうございます。
 新宿区長の吉住健一です。

 区民の皆さまには、穏やかに新年をお迎えのことと、心よりお慶び申し上げます。
また、日頃より新宿区政にご尽力、ご協力をいただいておりますことを、この場をお借りしてあらためて御礼申し上げます。

 今年も、区民の皆様の声を真摯に受け止め、皆さまとともに地域の課題へ的確に対応してまいりますので、ご理解ご協力をお願い申し上げます。

 今年の干支は「戌」年ですが、この「いぬ」という字は「じゅつ」とも読み、「収穫する」という意味があります。これまでの成果を享受し、新たに生長をしていく出発の年になると考えています。

 昨年は、区成立70周年の年でしたが、本年を将来の100周年へと向けた、持続的に発展する新宿区の船出の年にしたいと思います。

 さて、昨年の新宿区政を振り返りますと、3月には地域の交流スペ―スを備えた下落合図書館が開館し、4月には愛日小学校の新校舎が開校しました。また9月には、日本を代表する文豪、夏目漱石の初の記念館である「漱石山房記念館」がオープンしました。記念館には、開館後、多くの皆様にお越しいただいており、入館者数が3万人に達しました。
 ここで、夏目漱石のイギリス留学中の日記に出てくる言葉を引用させていただきます。

「真面目に考へよ。誠実に語れ。摯実に行へ。汝の現今に播く種は、やがて汝の収むべき未来となって現はるべし。」とあります。

 本年は、新しい総合計画のスタートの年となりますが、真面目に考え、誠実に議論し、計画を真摯に実行していくことが、新宿区の未来、持続的な発展へと繋がっていくと考えております。

 こうしたことをふまえ、新しい総合計画では、「暮らしやすさ」「安全・安心」「賑わいづくり」の3つの取り組みを強化してまいります。

 まず「暮らしやすさ」です。すべての区民の皆さまがいきいきと暮らし続けていくためには、こころも身体も健康であることが重要です。また、安心できる子育て環境の整備や、教育の充実、高齢者や障害者など誰もが自分らしく生活できるまちづくり、地域コミュニティなどの推進が必要です。
 そこで、区民の皆さまが、気軽に健康づくりに取り組めるよう「健康ポイント事業」の導入や昨年作成した「健康づくりウォーキングマップ」を活用しウォーキングがしやすい環境づくりを進めます。

 また、高齢者が住み慣れた地域でいつまでも健康に暮らし続けられるよう、地域全体で健康づくりや介護予防に取り組むことができる仕組みづくりを進め、高齢者が地域の中で人とつながりながら、健康で生きがいのある生活が送れるよう「地域支え合い活動」を推進します。

 さらに、障害者の生活を地域全体で支える仕組みとサービス提供体制を検討し、障害者がいつでも相談ができ、地域で安心して暮らし続けられるよう相談体制の充実を図ります。

 子育て施策では、着実な保育所待機児童対策等の推進、放課後の居場所の充実、出産・子育て応援事業などに取組みます。

 教育では、さまざまな活動を通じて、子どもたち一人ひとりが自分を大切にし、自分のよさを認めるとともに、他者とのかかわりのなかで自分を肯定的に受け止め、人権を尊重する心や社会性を身に付けることができるようにします。

 地域コミュニティの推進では、新しい住民や若者、子育て世代などが、地域の自主活動を通じて町会や自治会とつながり、将来の担い手となることをめざします。
 このような取り組みを通じ、だれもが住みたい住み続けたいと思える新しい新宿を創造してまいります。

 つぎに「安全・安心」です。
 建築物の耐震化を促進するため、各種助成等を行い、耐震化率の向上を目指します。

 また、木造住宅密集地域において、老朽化した木造住宅の建て替えや共同化を促進するとともに、道路、公園等の公共施設を整備し、地区の防災性と住環境の向上を図ります。

 さらに、細街路を拡幅整備し、快適な居住環境の確保および災害時の安全性の向上を推進します。
 また、防災性の向上や歩行者空間のバリアフリー化を図るため、道路の無電柱化を進めます。
 災害に強い体制づくりでは、避難所運営体制の充実や災害時要援護者の安全確保、マンション特有の防災対策の充実を図ります。

 犯罪のない安心なまちづくりでは、客引き行為防止対策などを進め、繁華街の安全・安心を高めるとともに、振り込め詐欺など身近な犯罪の防止に取り組みます。
 民泊については、新宿区が制定した「新宿区ルール」に基づき、事業者の適正な運営を促します。
 空家や管理不全の家屋については、周辺環境への悪影響を防止するため問題解消に向けて粘り強く取り組んでいきます。

 このような取り組みにより、区民の皆さまが安心して日々の生活を送ることができる災害に強い、逃げないですむまちづくりと安全安心な生活環境づくりを進めます。

 次に、「賑わい」です。
 新宿駅東口駅前広場については、2020年の新宿駅東西自由通路の開通にあわせ、来街者にとって安全で快適な歩行者滞留空間を創出するため緊急整備を進めます。

 また、地域の課題にきめ細かく対応していくため、景観に配慮したまちづくりや誰もが利用しやすいユニバーサルデザインのまちづくりを推進します。

 さらに、新宿の産業や国際観光都市としての魅力を国内外に広く発信するため、新宿観光振興協会と連携し、新宿のブランド力の向上と新たなものづくり人材の創出につなげ、活力ある産業が芽吹くまちを実現します。

 魅力ある商店街づくりでは、暮らしやすさと賑わいの調和がとれたまちづくり、産学連携による商店街の新たな価値の創造をめざします。

 資源循環型社会の構築に向けては、区民や事業者とともにそれぞれの役割と責任を果たし、3Rの普及啓発に努め、きれいなまちづくりに取り組むことにより、環境と調和したまちをめざします。

 また、公園の整備として、新宿中央公園の魅力を高め、誰もが足を運びたくなる公園にするため、民間事業者によるカフェ・レストランの設置や公共施設の名称に愛称や事業者名を表示する「ネーミングライツ」を導入するなど、新宿中央公園の特色や魅力をさらに活かした公園づくりを進めます。

 このような取り組みを通して、賑わい都市・新宿を創造してまいります。
 そして、これらを下支えするため、安定した財政基盤を確立し、効果的・効率的な区政運営にむけた取り組みを行い、健全な区財政を確立するとともに、ICTを利活用した区民サービスの充実や職員の能力開発、意識改革の推進などに取り組むことにより、好感度1番の区役所を推し進め、基本構想で掲げるめざすまちの姿「『新宿力』で創造する、やすらぎとにぎわいのまち」を実現します。

 さて、東京2020オリンピック・パラリンピックまであと2年となりました。
 私は、オリンピック・パラリンピック大会の成功はもとより、大会終了後に、区民の皆さまにとって良い思い出として遺していくことが大切であると考えています。そこで、大会終了後の新宿区の発展も見据え、区民一人一人が世界最大のスポーツと平和の祭典に、どのような形で関わることができるのかを、東京2020大会区民協議会などの場を通じて、皆さまと引き続き話し合ってまいります。

 結びにあたり、この一年が皆さまと皆さまのご家族にとりまして、幸多き年となりますよう、改めてお祈り申し上げまして、年頭のあいさつといたします。

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