【令和6年12月配信】コミュニティのタネ

最終更新日:2024年12月2日

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避難所防災訓練レポート
防災×キャンプで非常時に必要なスキルや知識を身に付ける!

 

 
 新宿区には震度5弱以上の災害時に開設される避難所が51か所あり、それぞれの避難所において「避難所防災訓練」を開催しています。避難所の開設、初期消火、応急救護などの実践的な対応などを経験できる訓練ですが、今回は「避難所防災訓練」について、実際にはどのような訓練が行われているのか、令和6年11月2日(土)に柏木小学校で行われた訓練当日の様子についてレポートします。
 

   水消火器訓練の様子             応急救護訓練に参加する皆さん
     避難所防災訓練に関する全体的なご紹介は以下のページをご覧ください。

               避難所防災訓練について
⚫︎防災×キャンプのコラボレーション

 柏木小学校での避難所訓練では、キャンプにおける「テントの設営」や「調理器具の使用」といった、非常時に必要な道具の使い方などの知識を習得できることに着目し、従来の防災訓練のメニューに加えてキャンプワークを取り入れているのが特徴的です。
 なお、キャンプワークについては、「野外教育事業所ワンパク大学」のメンバーによる全面的な協力のもと、実施しています。

⚫︎当日の訓練内容
・「災害用トイレ」の見学
災害用トイレを見学する参加者
 災害時には通常のインフラが機能しなくなることが多いため、トイレットペーパーや水道水が使えない場合があります。「災害用トイレ」は、こうした状況においても衛生的に用を足すことができることを目的としています。訓練当日はマンホールに設置するタイプの災害用トイレを実際に組み立て、使用方法等について危機管理課の職員が説明を行いました。
 

・「間仕切り」「ワンタッチテント」の見学
 「間仕切り」は避難所でのプライバシーを確保し、「ワンタッチテント」は迅速に簡易的な避難スペースを簡単な操作で組み立てて作り出すことにより、それぞれ個々の避難者が安心して過ごせる空間を提供します。訓練当日は「災害用トイレ」同様に実際に組み立てを行い、使用方法等について危機管理課の職員が説明を行いました。



・家具転倒防止動画の視聴
家具転倒防止の動画を視聴する参加者たち
 新宿消防署からの提案により、新たな訓練メニューとして訓練参加者を対象に家具転倒防止についての動画視聴を導入しました。動画の視聴後には新宿消防署員より「地震による家具の転倒は一般的な被害の一つであり、特に日本のように地震が頻繁に起こる地域では日頃からの地震対策が身の安全を守ることに繋がる」との説明が行われました。

 
・水消火器訓練
 消火薬剤の代わりに水を入れた模擬消火器を使って、消火器の使用訓練を行いました。消火器操作時のコツ、初期消火の際の注意点などを、主に地域の消防団員から実践的に学ぶ機会となりました。訓練で学んだことは地震の時だけではなく、火災の際にも役立てることができます。火災を発見した際には、「火事だー!」と大声を出し、周囲に知らせることが最も重要な行動となります。
 

・応急救護訓練
 日赤奉仕団・柏木分団員による、バンダナを用いた止血法、買い物用のビニール袋を使用した三角巾の作り方など、身近にあるものを活用した「応急手当方法」のレクチャーが行われました。また、地震発生後の避難所や被災地域でのトイレの利用状況が大きな課題となることを踏まえ、「食パンの袋が耐水性に優れており、尿取りパッドと組み合わせることで簡易トイレとして活用することができる」などといった、具体的な情報やアドバイスについても紹介されました。


・ロープワーク(防災に役立つキャンプワーク)
ロープワークを体験する参加者たち
 キャンプにおけるロープワーク(紐の結び方)は、荷物の固定、救助、登山など、さまざまなシーンで重宝するスキルです。特にテントを組み立てる際には、ロープワークが非常に重要とされています。訓練当日は、いくつかのロープの結び方を学ぶとともに、市販のポリプロピレン製ロープ(PPロープ)とブルーシートを用いて、実際に簡易テントを組み立てました。

 
・新聞紙で作る「スリッパ」と「紙食器」(防災に役立つキャンプワーク)
新聞紙で作成した即席の「スリッパ」
 新聞紙を用いて、即席のスリッパと紙食器を作成するワークショップを開催しました。地震が発生した際には、飛散したガラスやその他の危険な物体に注意する必要があります。そんな時には新聞紙で作成した即席スリッパで緊急的に足元を保護できる場合があります。また、食器が破損してしまっている可能性もあり、紙食器を用意し、さらにサランラップ等で覆うことにより耐水性もあり食器として使用することができます。
 

・炊き出し訓練
 当日は訓練と同時進行で小学校の家庭科室を借りて、「炊き出し訓練」として豚汁の調理も行いました。当初は屋外でカセットコンロを用いての調理を予定していましたが、訓練当日はあいにくの雨天となり、屋内での調理となりました。訓練終了後には参加者の皆さんに豚汁を試食してもらい、「美味しい」と多くの方に好評でした。避難所としての小学校で実際に食事することのイメージや調理する際の分量などについて把握できたことは、今後にも活かされる貴重な経験になりました。
 また、柏木小学校では現在、屋上で野菜を栽培しており、校長先生は「いざという時には非常食として提供することもできます」と話していました。

 
⚫︎今回の訓練を振り返って
 今年は能登半島地震に始まり、南海トラフ地震臨時情報が発表されるなど、地震に関する話題の多い1年でした。今年度の避難所防災訓練では、「日々の生活の中で身近にあるものを活用し、防災に役立つキャンプスキルを身に付ける」ことがテーマでしたが、被害を最小限に抑えるためには、一人ひとりが災害に対する正しい知識を持ち、的確な行動をとることが重要となります。
 地震の多い国である日本、来年度も避難所防災訓練を実施予定ですので、まだ訓練に参加したことがないという方は、いざという時に対応できる力を身に付けるためにも、お住まいの地域の近くで実施される避難所防災訓練に是非、参加していただければと思います。

 

●北新宿二丁目町会・山田会長からのコメント
 今回の避難所防災訓練の代表世話人である、北新宿二丁目町会・山田会長より今回の避難所防災訓練について以下のとおりコメントをいただきました。
 「訓練当日が雨天ということもあり、参加者が少なくなってしまったという点もあるかと思いますが、参加された方はキャンプワークをはじめ様々な訓練メニューを体験したことで、非常に有意義な経験ができたのではないでしょうか。今回の訓練に参加した方それぞれが、不参加の方や訓練を知らないという方に対して訓練の存在自体を広めていただくことにより、今後も定期的に防災訓練を行う中で地域全体の防災力が向上していくことを願っています」

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