たばこの健康影響について

最終更新日:2022年8月8日

喫煙は、がんをはじめ多くの病気と関係しています。


(出典:厚生労働省e-ヘルスネット「喫煙者本人の健康影響」)

たばこ製品の特徴

(1)有害性
 ・たばこ製品には多くの有害化学物質が含まれている。
 ・紙巻きたばこは燃焼によっても有害化学物質が発生する。
 ・これら多数の有害化学物質は喫煙者のみならず受動喫煙者の健康影響を引き起こす原因になっている。

(2)依存性
 ・たばこ製品に含まれる「ニコチン」はたばこへの依存性を高める。
 ・依存症を間接的に増加させる化学物質(メンソール、ココア等)も指摘されている。

(3)魅惑性
 ・口当たりの良いフルーツ、カクテル味などの味や香り
 ・無煙たばこなど新しいたばこ製品の開発・販売
 ・デザインが魅力的な電子器具と組み合わせることによる視覚的アプローチ
 
(出典:厚生労働省「喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書」第2章第2節「たばこ煙の成分と生体影響のメカニズム」)

たばこに含まれる代表的な有害物質と健康影響

〇ニコチン
 ・強い依存性がある。
 ・強い血管収縮作用があり、毛細血管を収縮させ血圧を上昇させる。
 ・中毒性があり、子どもが誤ってたばこを食べたりすると、中毒を起こして死に至ることもある。

〇タール
 ・60種類以上のがんを引き起こす可能性のある物質を含んでいる。

〇一酸化炭素
 ・血液中に入り込むことで、酸素が身体に回らなくなり、脳や身体全体が酸素不足になる。
 ・赤血球が増え、動脈硬化を促進するといわれる。
 
(出典:厚生労働省e-ヘルスネット「健康用語辞典」)

喫煙・受動喫煙の妊娠出産などへの影響

女性の喫煙は、妊娠する能力を低下させます。また、妊婦だけでなく胎児にも様々なリスクを引き起こします。
また、本人がたばこを吸わなくても、周囲が吸ったたばこの煙(受動喫煙)でも大きな影響を受けます。
妊婦さんだけでなく、家族全員で禁煙することが大切です。
 
(出典:厚生労働省e-ヘルスネット「喫煙の出産などへの影響」「受動喫煙-他人の喫煙の影響」)

COPD (慢性閉塞性肺疾患)

「COPD」(慢性閉塞性肺疾患)とは、たばこなどに含まれる有害化学物質を長年吸い込むことで、気管支に慢性的な炎症が生じたり、肺胞*(はいほう)が少しずつ破壊されていく病気です。その結果、肺の機能が気づかないうちに蝕まれていき、からだが酸素欠乏になる病気です。COPDの主原因はたばこ(患者の90%が喫煙者!)であることから「肺の生活習慣病」ともいわれています。
(出典:厚生労働省SMART LIFE PROJECT「病気について知る COPD(慢性閉塞性肺疾患)」)

たんを伴うせき、息切れが何年にもわたって続き、息を吐く時間がのび、ぜいぜいするという症状があります。ひどい場合には、体重減少・やせ、気胸、心不全や呼吸不全を伴います。
肺炎などへの進行へつながりやすく、また階段や坂道をのぼるといった、ちょっとした日常生活での運動でも息切れが出てきます。重症の場合には、携帯用酸素ボンベなどを用いて、酸素を補充する必要があります。
(出典:厚生労働省e-ヘルスケア「慢性閉塞性肺疾患/COPD」)

東京都では、COPDの認知度向上及び発症予防を目的とした普及啓発動画を公開しています。
東京都インターネット動画配信サイト「Youtube東京都チャンネル」(外部サイト)

受動喫煙の影響 ~吸わない人の健康をも脅かしています~

「受動喫煙」とは「人が他人の喫煙によりたばこから発生した煙にさらされること」をいいます。
たばこを吸っている人の周りにいる人が、喫煙者が吐き出した「呼出煙」とたばこから立ち上る「副流煙」を吸うことで受動喫煙が発生します。
特に副流煙にはフィルターを通して喫煙者本人が吸う「主流煙」よりも多くの有害化学物質が含まれています。
このため、受動喫煙は「肺がん」「虚血性心疾患」「脳卒中」「乳幼児突然死症候群(SIDS)」との関連が確実とされているほか、様々な健康影響が示唆されています。
 
(出典:厚生労働省e-ヘルスネット「受動喫煙-他人の喫煙の影響」「たばこの煙と受動喫煙」)

受動喫煙を防止するための法令

「望まない受動喫煙」を防止するため、国・都・新宿区がそれぞれ法律や条例を作り、喫煙場所の規制等を行っています。

〇国「健康増進法」第6章「受動喫煙防止」(外部サイト)
 ・国及び地方公共団体の責務
 ・喫煙をする際の配慮義務等
 ・多数の者が利用する施設における受動喫煙の防止 など

〇東京都「東京都受動喫煙防止条例」(外部サイト)
 ・東京都、都民、保護者の責務
 ・施設の管理権限者等の責務
 ・多数の者が利用する施設における受動喫煙の防止(法の上乗せ)  など

〇東京都「東京都子どもを受動喫煙から守る条例」(外部サイト)
 ・家庭等における受動喫煙防止等
 ・公園等における受動喫煙防止
 ・学校等周辺の受動喫煙防止 など 

〇新宿区「新宿区空き缶等の散乱及び路上喫煙による被害の防止に関する条例」
 ・区、区民等、事業者、土地所有者等の責務
 ・路上喫煙の禁止等 など
 

加熱式たばこについて

加熱式たばことは
「たばこ又はたばこを含むものを燃焼せず、加熱(水その他の物品を加熱することによる加熱を含む。)して、たばこの成分を吸引により喫煙し得る状態に製造された製造たばこ
のことです。(国税庁「たばこ税法取扱通達」)

紙巻きたばこに比べ、発生するエアロゾル(喫煙者が吸い込むもの)中の有害化学物質の濃度は低減されていますが、発がん物質及びニコチンは含有しています。また、口腔から気管支までしか吸引されなかった有害物質が、次の呼気に吐き出されて周囲の空気を汚染しています。さらに、販売からの期間が短くデータの蓄積がないため、健康影響はまだほとんどわかっていない状況です。

【(電気)加熱式たばこの健康影響に対する現状での評価等】

主流煙に健康影響を与える有害物質が含まれていることは明らかであるが、販売されて間もないこともあり、現時点までに得られた科学的知見では、加熱式たばこの受動喫煙による将来の健康影響を予測することは困難。このため、今後も研究や調査を継続していくことが必要。」
 (出典:厚生労働省「加熱式たばこにおける科学的知見」)


「広告・宣伝では、紙巻きたばこに比べて「有害物質の〇割削減」あるいは「発がん性物質を〇割削減」などとうたうものがある。しかしながら、削減が事実であったとしても、たばこ煙にさらされることについては安全なレベルというものがないことが知られており、電気加熱式たばこが喫煙者および受動喫煙者の健康へ悪影響を及ぼす可能性は依然として大きい
(出典:厚生労働省「喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書」第2章第5節「電気加熱式たばこ」)

電子たばこについて

 「電子たばこ」とは、専用カートリッジ内の液体を加熱して煙霧を発生させ、それを使用者が吸入するために使われる製品で、上記の「加熱式たばこ」とは異なります。
 日本では現在のところニコチンを含むものは販売されていませんが、ニコチンの有無にかかわらず、健康影響には懸念があると考えられています。
 厚生労働省ではホームページに「電子たばこの注意喚起について」(外部サイト)を掲載し、次のとおり注意喚起を行っています。
 電子たばこの使用と疾病及び死亡リスクとの関連について現時点では明らかではありませんが、  海外の 状況 を踏まえると 、健康被害を起こすおそれが否定できません。 電子たばこを 使用して、 呼吸困難、 息切れ、胸痛といった呼吸器症状が見られる場合など具合が悪く なった場合に は、その製品使用を直ちに中止し 、医療機関を受診してください 。
 
(出典: 厚生労働省「電子たばこの注意喚起について」)

たばこをやめたいと思っている方へ

たばこに含まれる「ニコチン」には依存性があり、たばこをやめたいと思ってもやめられなくなります。
禁煙がなかなか成功しない原因は、「ニコチン依存症」という病気のためかもしれません。
ニコチン依存症は薬や病院で治療することができます。
一定の要件を満たせば、医療保険の適応となります。
(出典:東京都リーフレット「卒煙を考えよう」)


禁煙治療の詳細やニコチン依存症治療に保険が適用される医療機関については、こちらをクリックして「たばこをやめたいと思っている方へ」のページにお進みください。

 
 

関連リンク

区ホームページ内での関連リンク

〇「路上喫煙対策」のページ
 ・区内全域路上喫煙禁止・条例の主な内容
 ・路上喫煙禁止Q&A など

〇「公園・児童遊園での受動喫煙防止について」のページ
 ・禁煙とする基準
 ・禁煙の公園 など

〇「たばこをやめたいと思っている方へ」のページ
 ・たばこをなかなかやめられない理由
 ・禁煙の方法 など

 

厚生労働省の関連リンク

〇「厚生労働省の最新たばこ情報」
 ・たばこのリスク
 ・たばこ対策
 ・海外情報 など

〇「e-ヘルスネット」喫煙のページ
 ・たばこの基礎知識
 ・禁煙による健康改善 など

〇「なくそう!望まない受動喫煙」
 ・改正「健康増進法」
 ・事業者向け財政・税制支援 など

〇「電子たばこの注意喚起について」

東京都の関連リンク

〇保健医療局「とうきょう健康ステーション」喫煙のページ
 ・「東京と受動喫煙防止条例」
 ・妊婦の喫煙防止 など
 ・受動喫煙防止対策支援補助金について など

本ページに関するお問い合わせ

新宿区 健康部-健康づくり課
健康づくり推進係
 所在地:〒160-0022
       東京都新宿区新宿五丁目18番14号 新宿北西ビル5階
       新宿区役所第二分庁舎分館分室
 電 話:03-5273-3494(直)
 FAX:03-5273-3930

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