関川夏央氏講演・対談と朗読「こゝろ」を開催
2017年 夏目漱石生誕150周年に向けて

最終更新日:2014年2月9日

写真:対談
写真:朗読
新宿区(区長:中山弘子)は、文豪・夏目漱石(1867年~1916年)が生まれ育ち、その生涯を閉じたまち。
区では、「漱石山房」の土地の記憶を未来に継承していこうと、漱石生誕150周年にあたる平成29年(2017年)2月の開館を目指し、(仮称)「漱石山房」記念館の整備を進めている。
また、「夏目漱石記念施設整備プロジェクト」と題したイベントを展開。昨年7月に実施した講演会とシンポジウムに続く第2弾として、9日、講演・対談と朗読「こゝろ」のイベントを四谷区民ホール(内藤町87)で開催した。前日の大雪が残る中、350名を超える漱石ファンが集まった。

第1部では、作家の関川夏央さんが「文学で生活する試み~一葉から漱石へ」と題して講演。江戸から明治に至る日本の出版産業と職業作家の出現について、主に樋口一葉の例をあげて解説し、漱石が職業作家を目指した明治時代の出版事情について、現代と比較し語った。
第2部では、今年2014年が小説「こゝろ」の出版から100周年に当たることもあり、中国の民族楽器の二胡とのコラボレーションで、作品の一部を俳優の榎木孝明さんが朗読。榎木さんの深みのある声と二胡奏者の里地帰さんの演奏で、100年を経ても色あせることのない漱石の言葉の世界を観客に届けた。
第3部では、第1部に登壇した関川夏央さんと、作家の半藤一利さんが対談。関川さんが「文学作品は各時代の歴史や風俗を表現するものであり、ただ味わうだけでなく歴史を読み解くことができる」と述べると、半藤さんも「漱石の『吾輩は猫である』や『それから』もそういう観点で読むと、明治という時代の世相が色濃く出ていることが分かる」と語った。元編集者でもある2人のユーモアを交えた対談に、会場はたびたび笑いに包まれていた。

区では、「夏目漱石記念施設整備基金」を設置し、昨年7月1日から寄付の募集を開始し、現在、約3,500万円の寄付が寄せられている。引き続き、イベント等を通して漱石ファンの裾野を広げるとともに、国民的文豪・夏目漱石を愛する全国の皆さんに寄付を呼びかけながら、漱石を発信する初の本格的な記念館を目指して整備を進めていく。

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