若者支援イベント「自分らしくってなんですか」を開催

最終更新日:2014年2月1日

平野さん
ディスカッション
和太鼓の演奏
新宿区(区長:中山弘子)は今日1日、「自分らしくってなんですか 生きづらさを生きてる実感に変える」と題して、若者の前向きな生き方を支援するイベントを牛込箪笥区民ホール(箪笥町15)で開催した。

新宿区では毎年約60名~100名が自殺で亡くなっており、中でも20~30歳代の若年層の自殺死亡率が全国と比較して高くなっている。今回のイベントでは、「誰も自殺に追い込まれることのない社会」を目指し、高止まりしている若者の自殺を少しでも減らそうと、NPO法人ライフリンクの企画・運営で開催。会場には、20代・30代の若者から高齢の方まで大勢の来場者が集まった。

まず、芥川賞作家の平野啓一郎さんが「『私』を追い詰めない生き方 個人から分人へ」と題して講演。文学を愛し小説家を志すも、周囲には言い出せなかった自身の学生時代や、人は対人関係ごとに異なる自分を持っていて当然という「分人(ぶんじん)主義」を紹介し、「本当の自分は一つだと考えるよりも、置かれた環境によって変化するものだと考えた方が、自分の好きな側面を知り、嫌いな面は一部分に過ぎないと考えることができるのではないか」と語った。

「生きづらさへの処方箋」と題した若者支援団体のディスカッションでは、区内で若者の就労や心の健康などを支援するワーカーズコープ、ユースリンク、ライトリング、Re:Bitの4団体が登壇。それぞれの活動と取り組みを紹介し、「学生時代にいじめや心の病気で苦しい思いをしてから、同じように苦しんでいる誰かの支えになりたいと強く考えるようになった」「誰かを支えるというとすごく難しいことにも聞こえるけれど、ただ黙って話を聞くだけで支えになることもある」などとそれぞれの活動を通して感じていることを語った。
また、和太鼓ユニット「音阿弥」の迫力のある演奏や音楽グループ「ワカバ」の「いのち支える」キャンペーンソングなども披露され、会場を盛り上げた。来場した女性は、「多くの方のいろいろな話を聞いて勇気づけられた。考え方を少し変えてみれば、辛く感じることでも楽になると思う」と話してくれた。

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