【令和6年1月配信】コミュニティのタネ ~マンション活動紹介~
最終更新日:2024年1月4日
関東大震災から100年の節目に大規模訓練を実施 ~「西戸山タワーホウムズ」の取組みをご紹介~
1923年に発生した関東大震災から100年の節目となる2023年。新宿区百人町にあるマンション「西戸山タワーホウムズ」では大規模な防災訓練が実施されました。
▲「西戸山タワーホウムズ」での防災訓練の様子
●「西戸山タワーホウムズ」とは
1988年建設の「西戸山タワーホウムズ」は、576世帯が暮らす大規模なマンション。マンション管理組合、自治会と有志からなる防災隊があり、毎月集まって話し合っているほか、毎年実施している防災イベントには多くの居住者が参加しているといいます。
▲「西戸山タワーホウムズ」
とくに役立てているのが「防災LINE」で登録者は379人(2023年12月時点)。10月21日(土)に実施された防災訓練では、朝9時30分に震災が発生したという想定でLINEを送信し、訓練が始まりました。
●防災訓練
まず行われたのは「安否確認訓練」。事前に「防災NEWS」「ポスター」で訓練実施を周知したほか、外国籍の居住者もいるため、英語、中国語、韓国語の多国語対応のポスターが準備されていました。
▲防災訓練の周知ポスター(右は多国語対応)
訓練が始まると、住民たちは各戸の玄関扉に「無事です」と書かれたマグネットシートを貼り、それを各階ごとに配置されている防災担当が安否確認していきます。
防災担当の福田さんは「各階毎で安否確認訓練をするため、普段顔見知りでない住人同士も接点ができ、コミュニティ作りの効果がある。また、タワーマンションは倒壊するリスクは低いが、揺れが大きいため、部屋の中で家具の下敷きになるリスクなどが高い。そのため、安否確認等が重要になる。」と訓練の手ごたえと重要性について話してくれました。
▲インターホンに貼られた「無事です」マグネットシート
また安否確認訓練のあとは、炊き出し訓練に加えて消防署の協力を得て初期消火訓練、はしご車体験、煙体験等の訓練が実施されました。
▲災害対策本部の設置と初期消火訓練の様子
はしご車体験ではゴンドラの高さが14階相当ということもあり、訓練に立ち会った区職員が「怖くて乗れない」と話していた一方、5つ以上のブースを回るとお菓子セットが貰えるスタンプラリーに挑戦していた子どもたちは興味津々な様子で列をなしていました。
▲はしご車体験と子ども用スタンプラリー
炊き出し訓練では、アルファ化米の試食が行われました。アルファ化米とは炊飯したご飯を乾燥させたもので、炊かなくてもお湯や水を注ぐだけでご飯に仕上がる食品。米のデンプンの状態のことを「アルファ」と呼ぶため、炊飯して柔らかくなった(糊化)状態をアルファ化状態と言います。
今回は白米ではなく、具材の入った味付きの炊き込みごはんのようなタイプだったのですが、想像よりもかなりおいしくできていました。
▲炊き出し訓練で調理したアルファ化米
●自治会について
西戸山タワーホウムズには、管理組合の他に西戸山タワーホウムズ自治会が存在しています。
設立の理由は「地域との交流・行事参加・親睦活動が十分に行えず、区や東京都等の行政からの重要な情報の入手ルートもなかった」ことからだったと言い、西戸山小学校避難所の管理運営協議会の構成団体にもなっています。
近年、居住者同士の交流や外国人居住者の増加などでコミュニケーションの機会が減っているという相談もよく聞くマンションでのご近所づきあい。有事の際の防災意識を高めるためにも「西戸山タワーホウムズ」のような防災訓練は非常に重要です。
新宿区マンションくらしニュースではマンション防災に関する情報を月1回発信していますので、ぜひお役立てください。
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