【令和5年10月配信】コミュニティのタネ　～マンション活動紹介～

　新宿区のタワーマンション「ザ・センター東京」（市谷本村町）が実施している住民コミュニティー活動、“お知り合いになりましょう会”が、防災意識を高める取り組みとして注目を集めています。
 
●ザ・センター東京のお知り合いになりましょう会
　2007年に建設された「ザ・センター東京」は、38階建・426世帯が暮らす大規模なタワーマンション。
 
　以前からクリスマスイベントなどは行われていましたが、2016年から新たに発足したのが、住民有志によるボランティア「お知り合いになりましょう会」です。当時の自治会長の呼びかけで隣人会を開催し、それをきっかけに毎年7回（2か月に1回のペース）行事を行ってきました。堅苦しく重たくなりがちな”友達”という言葉ではなく、フラットに住民同士が挨拶したりコミュニケーションを取りやすい関係性を築くことを目指しています。
　子ども向けには、歌とお話の会、チュウリップの球根の植付けなど、大人向けには、散策、見学会などを開催し、お酒持ち寄りの「交流会at nigh」では住民が「ロケット開発について」などのレクチャーを行いました。また、2019年の「改元パーティー」には、子供から高齢者まで156名が集い、住民の著名な書道家による「令和」の揮毫のパフォーマンスに一同魅了されました。
　今年度に入ってからは、2023年7月1日に4年ぶりの七夕夏祭りを開催し、子どもたちに大人気のお話しや手遊び、夕方からは炭火焼のホットドッグと生ビールで大いに盛り上がりました。
 

●“お知り合い”が防災につながる
　内閣府の防災情報ページ「みんなで減災」（https://www.bousai.go.jp/kyoiku/keigen/ichinitimae/ksh19014.html）でも紹介されている通り災害時においての、ご近所間での「助け合い」は非常に重要です。非常時だからこそ必要とされる連係プレーも“お知り合い（顔見知り）”であればよりスムーズに進行できます。
 
● 「ザ・センター東京」の防災意識
　「ザ・センター東京」では、定期的に防災訓練を行っており、住民の約3分の1が参加しているとのこと。加えて、災害に備えてマニュアル作成を行い、マンションにお住いの医療関係者に登録いただいているほか、各フロアでの担当者（リーダー）を定めているといいます。
 
　2022年8月7日には、新宿区役所・地域コミュニティ課、箪笥町特別出張所の担当者とザ・センター東京管理組合の理事らが対面。現状の防災活動とこれからについて話し合いました。
 

　また、2023年3月の防災訓練では、「地震ザブトン体験」「防災講話」といったイベントを行うことにより防災意識を高めました。　
　

　2023年4月から「ザ・センター東京」の防災担当になった野口さんは、「今後も防災訓練や地域連携も行っていきたい」と話しています。
 
　特に「情報の共有方法」について、「ザ・センター東京」では、[1]理事会ニュース　[2]マンション内掲示板（区のコミュニティ事業助成）　[3]グループLINEの3つが主とのこと。今後はさらなる防災意識の向上を促すべく、現在よりもより深く行政とのつながりを持てるような取り組みを検討することとなりました。
 
●“お知り合い”が地域を救う
　災害発生時だけなく、その後の生活を成り立たせていく上でマンション内のコミュニティの形成が災害への最も重要な備えになります。
　孤立しがちな「タワーマンション」という居住エリアだからこそ必要な“お知り合い”の拡げ方について模索する「ザ・センター東京」。今後も新宿区ではタワーマンションを含めて、いかにして“お知り合い”を増やせるか、また、その“お知り合い”とどのようなことを助け合える可能性があるのか等について取材し、広く周知していく予定です。
 
●ザ・センター東京
 

住所：東京都新宿区市谷本村町7-4

最寄り駅：都営新宿線「曙橋」駅　徒歩5分 都営大江戸線「牛込柳町」駅　徒歩6分

建物構造：鉄筋コンクリート造地下2階 地上38階建て

総戸数：426戸

築年月：2007年(平成19年)11月