(音声読み上げ用)UDまちづくりニュースレター第19号

最終更新日:2025年12月26日

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このページは、「音声読み上げ用」に作成しています。そのため、PDF版のニュースレターとは、文章の表示や表現などが異なっている部分があります。

新宿区UDまちづくりニュースレター

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新宿区
ユニバーサルデザイン
まちづくり
ニュースレター

第19号。
2025年12月。

ユニバーサルデザイン。
UDとは?

 年齢・性別・国籍・個人の能力等にかかわらず、できるだけ多くの人が利用できるよう、生活環境その他の環境をつくり上げていく考え方です。
 新宿区には、多くの外国人をはじめ、様々な人々が生活しています。区では、移動しやすく、利用しやすく、わかりやすいまちを目指して、令和2年3月に新宿区ユニバーサルデザインまちづくり条例を制定しました。

このニュースレターでは、UDスポットの紹介や、新宿区の取組などをお伝えしていきます。

UDスポット。
公益財団法人 神経研究所・附属晴和病院。

 1951年に開業した公益財団法人神経研究所・附属晴和病院は、2025年4月に新しく生まれ変わりました。
 精神科は閉鎖的なイメージを持たれがちですが、都心にある晴和病院では、患者さんやご家族が社会から孤立することなく、日常に近い生活を送れるよう、様々な工夫が施されています。
 ここでは、人々の特徴に寄り添いながらも、誰もが「普通に」利用できるように整備されたポイントをご紹介します。

お話を伺った方々。
公益財団法人 神経研究所 企画室長 南部谷さん
株式会社 岡田新一設計事務所 取締役 副社長 尾崎さん
株式会社 岡田新一設計事務所 羽鳥さん

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グッドなUDポイント。心地よく過ごせる建物内のデザイン。
 患者さんの中には五感が敏感なかたも多いため、全体的に落ち着いたデザイン、色使いや照明計画になっています。
 過度な配慮は控えつつ、フラットな床や手すりなど、誰もが使いやすい機能が備わっています。

写真1枚目。木目調で統一された温かい雰囲気の病棟
写真2枚目。病棟のバスルーム。洗い場までフラットにアクセスできる。

運営者コメント。
 「治す医療」を担う病院部分では、患者さんが一般の人と変わらず「普通に過ごせる環境」づくりを大切にしています。患者さんの特性を考えつつ、過度な配慮はしないことも、一種のユニバーサルデザインなのではないかと考えています。(南部谷さん)

グッドなUDポイント。特性に寄り添う理解しやすいサインの設置。
 建物内のサインは、様々な特性を持った人が利用することを考えて設計されています。
 また、患者さんも空間づくりに参加できるような工夫もされています。

写真3枚目。音に敏感な人に配慮し、モニター表示による診察の呼び出しを行っている。
写真4枚目。病室入口に設置されたアクリルケース。表示する内容を手軽に変更できる。
写真5枚目。6枚目。7枚目。トイレ入口のサイン。日本語・英語・ピクトグラムの3種類で示されている。それぞれのパネルには患者さんが色を考えて作成した折り鶴が貼られている。

設計者コメント。
 普通に過ごせる環境を心掛ける一方で、五感が敏感な方が多いことから、色や音には気を遣っています。サインは刺激の少ない色に統一するほか、診察の呼び出しは音声ではなくモニター表示とし、音による刺激を軽減しています。(尾崎さん・羽鳥さん)

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グッドなUDポイント。誰もがリラックスできる「だんだんテラス」。
 使い方を試行錯誤しながら形にしていくという思いを込めて、「だんだんテラス」と名づけられました。リラックスできたり作物の栽培をしたり、かいごとに様々な用途で活用されています。

写真8枚目。1階のテラス。テーブルと椅子があり、のんびりと過ごすことができる。
写真9枚目。だんだんテラスで開かれた、脱穀と籾摺りのイベントの様子。

運営者コメント。
 1階のテラスは待合にいるかたがたが気分転換できるスペースです。4階のだんだんテラスでは入院患者さん、デイケアやハルのメンバーさんや作業療法のプログラムの一環として、コメや野菜の栽培、収穫イベントなども開催しています。(南部谷さん)

グッドなUDポイント。多様な特性を持ちながら、日常を送れる環境。
 生活訓練施設や地域活動支援センター、有料障害者ホームなど、スムーズに社会に復帰できるよう支援するための様々な機能が備わっています。日常生活や就労のサポートまで一体的に行うことで、患者さんとその家族が安心して地域で暮らし続けることができます。

写真10枚目。弁天町ハウス。障害者のための居住空間。家族と住むこともでき、入院と在宅の中間の新たな選択肢となる。
写真11枚目。地域活動支援センターハル。区内の発達・精神障害者の居場所として、生活支援のサービスを提供。
写真12枚目。附設生活支援センターニコ。生活訓練施設として支援を行っている。生活が一人で完結しないよう、個室内の設備は最低限。

運営者インタビュー。

晴和病院は、創設者・内村祐之の「患者だけでなく、その家族の生活にも配慮した病院をつくりたい」という想いをもとに、1951年に弁天町で開業しました。「地域に開かれ、患者が社会とつながることができる場所」という理念を受け継いだ新病院には、「治す機能」と「支える機能」、これらを組み合わせた「治し支える医療」により、患者さんの社会参加や社会復帰を切れ目なく支援しています。
 精神科を受診される方は「精神病患者」と一括りにされがちですが、多くの方は、一般の人と大きく変わらない生活を送れます。晴和病院では、「発達障害は病気ではなく個性である」という「ニューロダイバシティ」の考えかたを重視し、今後も、多様な特性をもつ人々が自分らしさを活かして「普通に」社会で暮らしていけるよう、支援を続けます。

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コラム、題名:「すべての子どもに遊びの場を ― Play for ALL の実現へ ―」

日本大学。理工学部。まちづくり工学科。助教。新宿区ユニバーサルデザインまちづくり相談員。植田瑞昌さん。
 すべての子どもには、生きる・育つ・参加する・守られる権利があります。これは国連の「子どもの権利条約」で示された4本の柱です。しかし、重い障害のある子どもは“参加する権利”を十分に保障されていない場面が少なくありません。その要因のひとつが、物理的な環境による制約です。そこで、障害の有無によらず、すべての子どもが共に遊び、学び、成長できる環境をつくることが求められています。海外では古くから「Play for ALL」という考え方のもと、公園整備が進められてきました。たとえば、私が訪れたアメリカ・カリフォルニア州の公園には、姿勢保持が難しい子どもも利用できるブランコや、車椅子を利用したまま上がれる遊具が数多く設置されていました。さらに、視覚障害のある子どもが音で楽しめる仕掛けや、聴覚障害のある子どもが音を振動で感じられる遊具や凸凹の絵や文字を通してコミュニケーションができる空間もあり、すべての子どもが楽しめる工夫が随所に見られました。
 日本においても、「インクルーシブ公園」と呼ばれる公園が各地で整備され、障害のある子どもも障害のない子どもも一緒に遊べる遊具や環境が整いつつあります。さらに、公園をリニューアルする際には、事前に地域住民や当事者の声を聞く場が設けられる事例も増えてきました。
 一方で、重度の障害のある子どもの遊び環境を考えるときに、忘れてはならないのが“休む”空間です。強い日差しを避けられる庇や木陰、家族で安心して食事ができるスペース、車椅子対応トイレや大型ベッドを備えた設備など、滞在全体を支える環境があってこそ、子どもも保護者も心から遊びを楽しむことができます。
すべての子どもが遊びを通して喜びやつながりを感じられる――そんな当たり前の風景が広がることを願っています。


写真1 姿勢保持機能の付いたブランコ
写真2 音で楽しめる空間
写真3 コミュニケーションボード

新宿区からのお知らせ。
新宿区ユニバーサルデザインまちづくり条例施行規則を改正しました。

お問合せ先。新宿区、景観まちづくり課。電話。03-5273-3843。


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