(音声読み上げ用)UDまちづくりニュースレター第17号

最終更新日:2025年6月30日

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新宿区UDまちづくりニュースレター

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新宿区
ユニバーサルデザイン
まちづくり
ニュースレター

第17号。
2025年6月。

ユニバーサルデザイン。
UDとは?

年齢・性別・国籍・個人の能力等にかかわらず、できるだけ多くの人が利用できるよう、生活環境その他の環境をつくり上げていく考え方です。
新宿区には、多くの外国人をはじめ、様々な人々が生活しています。区では、移動しやすく、利用しやすく、わかりやすいまちを目指して、令和2年3月に新宿区ユニバーサルデザインまちづくり条例を制定しました。

このニュースレターでは、UDスポットの紹介や、新宿区の取組などをお伝えしていきます。

UDスポット。
新宿コズミックスポーツセンター。

新宿コズミックスポーツセンターは、プール、体育館、武道場、会議室などを備えた、主に団体利用向けの区立体育館として、平成4年に開館しました。現在では障害者、外国人、高齢者、学生、子育て世代など、様々なかたが利用しています。そんな多様な利用者に対応するため、近年ではユニバーサルデザインの考えかたを取り入れ、新しい設備を追加したり、スタッフの対応力を高めたりするなど、ハード・ソフトの両面から取組を進めています。
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グッドなUDポイント。だれもが安心して楽しめるプール。
施設内地下1階のプールでは、障害の有無にかかわらず、誰もが安全・安心にプールを利用できるよう、ハード・ソフト両面の取組を実施しています。

写真1枚目。視覚障害者の識別用スイミングキャップ。
写真2枚目。プールに入りやすいよう手すりがあり、はくじょうはプールサイドまで持ち込むことができる。
写真3枚目。4枚目。5枚目。6枚目。身障者用更衣室。

監理運営スタッフコメント
身障者用更衣室は、プールの受付でお声がけいただくことで利用できます。プールサイドでご使用いただける車いすや、視覚障害のあるかた用に識別用スイミングキャップの貸し出しをおこなっており、どなたでも安全、快適にプールをご利用いただけるよう工夫しています。また、毎週火曜日・木曜日には様々な障害のある方が気軽にプールで運動し、体力・健康づくりにつなげていただくことを目的とし、「障がい者スポーツデー」を実施しています。

グッドなUDポイント。ぱっと見てわかる表示
施設内の表示や案内にはピクトグラムや複数の言語が用いられており、外国人や活字が苦手なかたでも直感的に情報を得ることができます。

写真7枚目。部屋の用途を表したピクトグラム。多言語標記ある。
写真8枚目。車椅子使用者用便房のピクトグラム。
写真9枚目。ピクトグラムを用いた入口のご利用案内。
写真10枚目。イラストと文字でプールの水深を表したパネル。


グッドなUDポイント。新たな設備の積極的な導入。
より多くの利用者にとって快適な施設となるよう、設備更新の際にデジタル技術の活用や、ユニバーサルデザインの設備の導入を積極的におこなっています。

写真11枚目。様々なコンテンツに応じたデジタルサイネージ。
写真12枚目。タッチパネル形式のデジタルサイネージ。車いすのかたも利用できる高さ。
写真13枚目。大きく見やすくうつすことができるプロジェクター。
写真14枚目。100以上の言語に対応しているホームページ。
写真15枚目。低い位置に上段用のボタンや手すりがある自動販売機。災害時も利用できる。
写真16枚目。車いすに座ったまま利用できる冷水機。

管理運営スタッフコメント。
新しい建物ではないですが、新たにUD設備を設置したり、様々なコンテンツを追加して利用者の要望に応えることができるデジタル面の設備を取り入れたりしています。また、職員は積極的にサービス介助基礎研修を受けており、利用者の皆様をおもてなしできるようこころがけています。

新宿区ユニバーサルデザインまちづくり条例施設整備マニュアル コラムのご紹介。
令和6年度に新宿区ユニバーサルデザインまちづくり条例施設整備マニュアルを改定しました。
改定に伴い、社会情勢の変化や、事前協議届出処理における事例等を踏まえ、コラムを追加しています。
ここでは、追加したコラムを抜粋してご紹介します。
 
合理的な配慮について。
・「障害者差別解消法」では、行政機関等及び事業者に対し、障害のある方々への障害を理由とする「不当な差別的取扱い」を禁止し、障害のある方々から申出があった場合に「合理的配慮の提供」を求めることなどを通じて、「共生社会」を実現することを目指しています。
・令和3年に改正された「障害者差別解消法」では、店舗や飲食店等の事業者による障害のある方々への「合理的配慮の提供」が義務化されました。
・建築の計画などにおける環境の整備が、合理的な配慮の提供に大きな役割を担っています。
・車椅子使用者、聴覚障害、視覚障害の方々以外にも様々な障害者がいます。環境整備で対応できない障害者もいるため、合理的な配慮が必要となります。

合理的配慮の具体例。物理的環境への配慮の場合。
飲食店で障害のある人から「車いすのまま着席したい」との申し出があったので、机に備えつけの椅子を片付けて、車いすのまま着席できるスペースを確保した。

合理的配慮の内容は個別場面に応じて異なるものになりますので、上記の例は、あらゆる事業者が必ずしも実施するものではないこと、また、例以外であっても合理的配慮に該当するものがあることに留意しましょう。

出典。リーフレット「令和6年4月1日から合理的配慮の提供が義務化されました」。内閣府。
   政府広報オンライン。(内閣府大臣官房政府広報室)。

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コラム、題名: だれもがアクセスできる住宅。「ライフタイム・ホームズ」。

東京大学大学院。経済学研究科・特任研究員。新宿区ユニバーサルデザインまちづくり相談員。
丹羽太一さん。

アクセシブルな住宅設計基準、ライフタイム・ホームズは、80年代にイギリスで、高齢者・障害者の施設ケアから在宅ケアへのシフトを目指したケアマネジメントシステムの導入によるコミュニティ・ケア改革を背景とする時代に生まれました。
ライフタイム・ホームズは、車いすでも、住宅にアクセス可能で、車いすの訪問者も受け入れることができ、簡単な調整だけで車いすでも住むことができるように考えられた、16項目からなる住宅設計の具体的なガイドラインです。車いすでも移動できる広さと設備があって、必要になったときに調整できる可変な設備を予め準備し、健常者の入居時点では不必要なものはあとから設けられるようにしておきます。歳を取った時や、骨折した時、重病を患った時、あるいは子連れで重い買い物袋を抱えているときやベビーカーの時でもアクセスしやすいなど、便利な設計基準になっています。同じ住宅にだれが入っても住めるようにするための指針です。
しかし、車いすで生活できる住宅があるだけでは意味がありません。住宅周辺の地域全体がアクセシブルで、近隣と交流できることが重要です。地域のアクセシビリティを確保し、だれも地域で孤立させないために、住宅をこういった視点で考えることも必要です。
イギリスでは、この考え方が浸透し、同様の基準が法的な建築規制の推奨基準になっています。ロンドンでは、新築住宅は100パーセントがライフタイム・ホームズ(うち10パーセントが初めから車いすで住める住宅)として建てることが義務として定められています。
現状では、ユニバーサルデザインが進んだマンションなどでも間取りを見ていると、特にトイレや浴室があと少し工夫してあれば使えるようになるのに、と思うことがほとんどです。ロンドンでは、余裕がある間取りはだれにでも人気があるそうです。こうした住宅設計がもっと広くおこなわれるようになり、だれもが自分に必要な家をどこでも住みたいところに見つけられるようになる、インクルーシブなまちづくりの大切なコンセプトのひとつです。

お問合せ先。新宿区、景観まちづくり課。




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