(音声読み上げ用)UDまちづくりニュースレター第16号

最終更新日:2025年3月17日

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このページは、「音声読み上げ用」に作成しています。そのため、PDF版のニュースレターとは、文章の表示や表現などが異なっている部分があります。

新宿区UDまちづくりニュースレター

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新宿区
ユニバーサルデザイン
まちづくり
ニュースレター

第16号。
2025年3月。

ユニバーサルデザイン。
UDとは?

 年齢・性別・国籍・コジン、の能力等にかかわらず、できるだけ多くの人が利用できるよう、生活環境その他の環境をつくり上げていく考え方です。
 新宿区には、多くの外国人をはじめ、様々な人々が生活しています。区では、移動しやすく、利用しやすく、わかりやすいまちを目指して、令和2年3月に新宿区ユニバーサルデザインまちづくり条例を制定しました。

このニュースレターでは、新宿区の取組や、UDスポットの紹介、利用者の声などをお伝えしていきます。

UDスポット。
東京医科大学病院。
 令和元年7月に新病院とうが開院した東京医科大学病院は、令和7年1月1日時点で全国に88施設しかない特定機能病院であり、年間の延べ患者数は約100万人です。建物内は洗練されたしろいろに統一され、あたたかみのある照明や丸みを帯びたデザイン、オリジナルのホスピタルピクト等により、患者さんの不安が取り除かれるような空間が広がっています。また、低層階は病院と周辺の街並みを結んでおり、夜になると建物からはあたたかい色の光があふれ、街に優しさや安心感を届けています。
 ニュース第16号では、これまでにない大規模病院を目指し、「都市とのつながり」「患者ファースト」「医療従事者の健康」を追求した東京医科大学病院のユニバーサルデザインを一緒に探していきましょう。

特定機能病院とは、高度な医療の提供、高度の医療技術の開発及び高度の医療に関する研修を実施する能力等を備えた病院です。

2ページ目、3ページ目。
グッドなUDポイント。あたたかい光で人々を導く照明。
 デザイン、明るさ、色合いなどの組合せによって、各場所に最適な照明となっています。色覚障害の方などにとって、光は色のコントラストより判別が付きやすいため、多くの人にとって分かりやすい誘導ができます。

写真1枚目。自然光のような光の照明。
写真2枚目。入口から受付・待合まで導く光と、かどのない柔らかなデザイン。
写真3枚目。4枚目。外来待合の通常の見え方と、白内障の方の見え方のイメージ。


グッドなUDポイント。行き先がひとめでわかる優しいサイン。
 白く統一された建物内で識別しやすいよう、サインの文字とピクトグラムは墨いろとし、ポイントカラーとしてえんじいろ、藍いろを配色しています。また、医療従事者と患者さんの向き合う姿をモチーフに製作したホスピタルピクトは各部屋でどのような医療行為が行われるかをわかりやすく伝達しています。

写真5枚目。見やすい大きさと色の表示。
写真6枚目。オリジナルのホスピタルピクト。
写真7枚目。トイレのピクトグラムはJIS規格のもの。


グッドなUDポイント。だれでも自由にリラックスできる屋上庭園
 レストランなどが面するホワイエから自動ドアを進むと、緑豊かな屋上庭園が広がっており、都市空間の中で自然を感じてリラックスできます。
写真8枚目。風を感じ緑に癒される、広々とした段差が無いフラットな空間。
写真9枚目。誰もが直接触れられるみどりの立上がり。


運営者コメント。
周囲も整備し、地下鉄の出入口に近くなり、広々として歩きやすくなりました。ひさしがあり、雨の日も便利です。新病棟については「白くて清潔で良い」という声もいただいています。
 今後は、働きやすさという観点から、LGBTQに関する課題にも取り組んでいきたいです。
東京医科大学病院。施設課。課長。もく なおきさん


グッドなUDポイント。都市と病院をつなぐ空間
 青梅街道と新宿区道2号線側に5m以上の歩道状空地と広場が整備され、歩きやすくなりました。また、植栽があり、街の賑わいや癒しが生まれています。
写真10枚目。あたたかい光があふれ出し、行き交う人々に安心感をもたらす。
写真11枚目。街に癒しを還元する豊かな緑と、広くて歩きやすい歩道状空地。

設計者インタビュー
株式会社大林組  堀口さん。古澤さん。

東京医科大学病院は、「患者とともにある医療」を基本コンセプトとして建替え計画をスタートさせ、2019年7月に新病院を開院しました。最先端の技術による病院機能の整備に加え、『病院建築が本来あるべき姿』を追求し、“都市と繋がりのある病院”“患者ファーストの病院”“医療従事者が健康に働く病院”を病院スタッフ・設計・現場が三位一体となってつくりました。
“都市と繋がりのある病院”としては、病院周囲に5m以上の歩道状空地や高木を植えた自主管理広場の整備により、病院から街へ賑わい・癒しを還元し、歩きやすい歩行空間を実現したほか、病棟の低層部の高さと高層部の壁面ラインを周囲の建物と揃え、一体感のある街並みを形成しています。
 “患者ファーストの病院”“医療従事者が健康に働く病院”としては窓のない室内環境の改善に取り組みました。患者さんの不安を和らげ、医療従事者が健康的に働けるよう、あたたかみのある照明を採用しており、光源が直接見えない設計にすることで、柔らかな印象を与え、目にも優しい環境を実現しました。各場所の用途によって明るさや色合いを細かく調整し、最適な照明を実現しています。また、建物内では、照明が柔らかな線を描き、患者さんを自然に誘導しています。文字だけでなく光も活用することで、高齢者や障がい者にもわかりやすい案内となっています。サインについては、医療行為を視覚的にわかりやすく示したホスピタルピクトを製作したり視覚障がい者にもわかりやすい大きさ・色合いのサインを計画しました。特に眼科は目が見えづらいかたが訪れるため、サインのサイズや文字のコントラストをより大きくするなどの工夫をしています。
 設備の検討にあたっては、実際の使いやすさを確認するため、実物大のモデルルームにて数百名の病院スタッフの協力を得ながら快適性や機能性、安全性を確認しました。患者さんと向き合い続けている看護師や医師の意見を取り入れ、患者さん目線で安心・安全な病院、医療従事者が使いやすい病院づくりに取組みました。全員の意見を一致させることは難しいため、様々な意見を聞きながら確認・改良を繰り返し、より多くの人にとって使いやすい病院を目指しました。

写真12枚目。コントラストが大きい眼科外来のサイン。
写真13枚目。安全を考えた洗面まわりの検討。
写真14枚目。看護師による設備の使いやすさの確認。

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コラム、題名: 歴史から学ぶ その4「日本発のバリアフリーマップ」

日本女子大学、建築デザイン学部、建築デザインがっか、助教。植田 みずよさん。

現在は多くの自治体や施設で「バリアフリーマップ」が作成されています。では、日本で最初に「バリアフリーマップ」が登場したのは、どのようなきっかけだったのでしょうか。
1973年、車いす使用者の大須賀郁夫氏を中心に、車いす使用者が利用したことのある建築物の情報を交換する取り組みが始まりました。集められた情報をもとに調査を行い、車いすで利用できる建築物としてとりまとめられ「車いすTOKYOガイド」が誕生しました。これが、日本初のバリアフリーマップと言われています。
調査は、傾斜路の有無、出入り口の開口幅が80㎝以上あるか、車いす用トイレの有無など、国際シンボルマーク掲示の条件をもとに行われました。障害当事者がボランティアとともに情報を集め、都内117か所を調査し、「いちおう車いすで利用できる最低条件を満たしているところ」「車いす用トイレを除いては最低条件を満たしているところ」「なんとか利用できないことはないが、いくつかの点を改造しなければならないところ」の3段階で評価したところ、ほとんどが3番目の評価となり、国際シンボルマーク掲示条件を満たす建築物はわずか10か所もありませんでした。ガイドブックは、161ページからなり、1ページに1施設の案内や情報が掲載され、巻末には改善のポイントも記されています。
50年以上が経過し、アプリやWebサイトから事前に外出先の「バリアフリーマップ」の情報を得ることが可能となりました。これにより、障害のある方々や子連れの家族などの外出をサポートしています。新宿区では「新宿らくらくバリアフリーマップ」というサイトがあり、区内の公共施設や商業施設、公園等のバリアフリー情報を提供しています。
現在では一定規模の建築物等はあらかじめバリアがないよう計画されています。しかし、小規模建築物や既存建築物では、まだ利用が難しい場所があるのも現実です。
バリアフリーマップがなくても誰もが好きな時に好きな場所に安心して出かけられるようになるとよいですね。


新宿区からのお知らせ。
第6回新宿区ユニバーサルデザインまちづくり審議会で学校法人東京医科大学共同ビルが報告されています。
詳しくは2次元バーコードよりご確認ください。

お問合せ先。新宿区、景観まちづくり課。

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