(音声読み上げ用)UDまちづくりニュースレター第11号

最終更新日:2023年12月31日

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新宿区UDまちづくりニュースレター

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新宿区
ユニバーサルデザイン
まちづくり
ニュースレター

第11号。
2023年12月。

ユニバーサルデザイン。
UDとは?

 年齢・性別・国籍・個人、の能力等にかかわらず、できるだけ多くの人が利用できるよう、生活環境その他の環境をつくり上げていく考え方です。
 新宿区には、多くの外国人をはじめ、様々な人々が生活しています。区では、移動しやすく、利用しやすく、わかりやすいまちを目指して、令和2年3月に新宿区ユニバーサルデザインまちづくり条例を制定しました。

このニュースレターでは、新宿区の取組や、UDスポットの紹介、利用者の声などをお伝えしていきます。

UDスポット。
新宿住友ビル三角広場。

三角形の特徴的なビルと、屋内なのに青空が見える三角広場をご覧になったことはありますか?昭和49年に竣工し、今も「三角ビル」という愛称で人々から親しまれている新宿住友ビルは、令和2年6月にリニューアルしました。ビルの足元に広がる三角広場では、イベントの会場や人々の憩いの場として日々にぎわいが生まれています。
 古くなったビルを壊すのではなく、必要な箇所をリニューアルすることでより多くの人にとって利用しやすい場所となった新宿住友ビル三角広場のユニバーサルデザインについて、一緒に見ていきましょう。

2ページ目、3ページ目。
グッドなUDポイント。様々なにぎわいが生まれる公開空地。
公開空地とは、都市計画法に基づいて設けられている空地のうち、歩行者が自由に通行又は利用できるものです。
普段は、イベント会場等として利用され、様々な人が訪れています。また、災害発生時には災害拠点となり、帰宅困難者を受け入れることができます。
写真1枚目。天候に左右されずににぎわいが創出される広々とした空間。写真提供、住友不動産株式会社。
写真2枚目。イベント開催時の様子。
写真3枚目。帰宅困難者受入訓練の様子。写真提供、住友不動産株式会社。
利用者コメント。
電車の広告で見かけて興味を持ち、イベントを目的に訪れました。案内があったため駅からも来やすかったです。天井が高く、青空がよく見えるのが良いですね。(20代・男性)
グッドなUDポイント。人々の憩いの場となる公開空地。
イベント会場としての利用が無い日には、誰でも自由に利用できる人工芝やテーブル・椅子が設置され、誰もが思い思いの場所でのんびりとくつろぐことができます。
写真4枚目と5枚目。広場に設置された人工芝や椅子とテーブル。
写真6枚目。季節を感じられる展示。写真提供、住友不動産株式会社。
写真7枚目。象牙の鍵盤のストリートピアノ。
利用者コメント。
1年半ほどここに勤めていますが、イベントや通路として利用する人でいつも活気があるように感じます。天井の解放感も気持ちいいです。(50代・女性)
利用者コメント。
今日は目的地までの通路として歩いていましたが、食事や展示会にもよく訪れます。駅から直結で、広場に屋根もあるので、雨の日でも濡れないで来ることができて便利だと思います。(20代・女性)
グッドなUDポイント。広場へのアクセス方法の改善。
エレベーターが設置されたことで、広場とは高低差のある一部の道路からのアクセスがスムーズになりました。
写真8枚目。整備前で階段の多い広場。写真提供、住友不動産株式会社。
写真9枚目。整備後のエレベーター。乗り口と反対側のドアが開くため、車いすでもバックせずに利用することができる。
写真10枚目。整備後のエスカレーター。
壊さずに生まれ変わらせる。
写真11枚目。改修前の様子。写真提供、住友不動産株式会社。
写真12枚目。改修後の様子。広場全体に屋根がかかって全天候型になった。写真提供、住友不動産株式会社。
利用者コメント。
お出かけ前に食事をするために立ち寄りました。以前から利用していましたが、久しぶりに訪れたら広場が綺麗に生まれ変わっていて驚きました。ピアノの演奏を聴きながらくつろぐことができて心地よいです。(80代・女性・2人組)

運営者インタビュー。
住友不動産株式会社。ビル事業本部。鈴木さん。加世田さん。
1974年に竣工した新宿住友ビルは、国内初の200メートル越え高層ビルとして観光名所になり、多くの人が訪れていましたが、現在では高層ビルが珍しくなくなり、西新宿周辺は観光・にぎわいの場ではなく、オフィス街としてのイメージが強くなっていきました。天候に左右されず、常ににぎわいを生むため、ガラス屋根で覆われた広場を作ろうという案が出たのは、今から20年以上前のことです。当時、公開空地は屋外とする制約があったため、思うように計画は進みませんでしたが、東日本大震災で多くの帰宅困難者が発生したことをきっかけに、防災拠点として活用するためにも屋根付きの空地をつくることが認められました。
 広場のデザインについては、広さを確保するために柱をなくすとともに、天井からは青空が見えるよう、トラス構造ではなくビーム(はり)にするという工夫をしています。また、ビル周辺の土地の高低差による回遊性の悪さを改善するため、広場の1階と2階をつなぐエレベーター・エスカレーターを設置しました。
写真、ビームにしたことで青空がよく見える天井。
 「有事の防災、平時のにぎわい」という考え方から生まれたこの広場には、帰宅困難者2850人のための備蓄が3日分準備されており、年に1回防災訓練を実施しています。平時はオフィス利用者やイベント参加者で平日・休日ともににぎわいが創出されており、イベント会場としての利用が無い日は、広場に人工芝とテーブル・椅子を設置することで、人々に憩いの場を提供しています。
 今回の工事は、古くなったビルを壊すのではなく、必要な箇所をリニューアルすることで、より多くの人にとって利用しやすい場所になるという、良い先行事例になったのではないでしょうか。
 私たちは、三角広場をふらっと立ち寄ってもらえる場所にすることを目指しています。まちのにぎわいの核として人の流れを生み出すことで、新宿住友ビルと三角広場だけでなく、まち全体のにぎわいにつなげていきたいと思います。

4ページ目。
コラム、題名:「色について」
日本女子大学、家政学部、住居学科、助教、上田瑞昌さん。
 建築物や設備、案内板などのデザインで大切なのは、色使いや見やすさです。何気なく過ごしている街並みもよくみてみると心地よい色や分かりやすい案内があることに気づかされます。一方で、わかりにくく困惑する空間や建築ぶつも目にします。
今回お伝えしたいのは「色」についてです。視覚障害のある方の中には、全く見ることができない人(全盲)よりも、見えにくいかたや部分的に見えないかた(ロービジョン)の方が多く、加齢に伴う視力の低下など、情報の取得の困難さは人それぞれ異なります。
例えば、白い壁に白い手すりや白い便器、白い床であると、ロービジョンの場合には、どこに便器があるのかわからないといったことが起きてしまいます。写真のように壁と手すりの色、床と便器の色にコントラストをつけることで、より見やすく形状もはっきり認識することが可能です。このほかにも、案内板と説明の文字のフォントや色などの組み合わせひとつで、見やすさ、わかりやすさは向上します。
さらに、色の見え方が多くの人と少し異なる、色弱のかたもいらっしゃいます。赤と緑が同じような色に見えるなど、色だけで何かの案内をしようとすると困惑する場合があります。できるだけ多くの人が見分けることができるような配色や色だけに頼らない方法(異なる形や線との組み合わせなど)を用いることが大切です。
みなさんも、まちのなかの「色」について、見やすい・わかりやすい「もの」や「こと」を探してみませんか?
写真。床や壁と物にコントラストがあり、視覚障害のある方でも使いやすいトイレ。撮影業者、NPO法人、視覚障がい者支援協会、就労継続支援B型事業所、ひかりの森

新宿区からのお知らせ。
新宿区ユニバーサルデザインまちづくり条例施行規則を改正しました。
東京都福祉のまちづくり条例施行規則の改正に伴い、新宿区ユニバーサルデザインまちづくり条例施行規則を改正し、建築物や道路、公共交通施設等の整備基準を変更しました。(令和5年10月1日施行。)
改正内容について、詳しくは、2次元バーコードより新宿区ホームページをご確認ください。

お問合せ先。新宿区、景観まちづくり課






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