(音声読み上げ用)UDまちづくりニュースレター第9号

最終更新日:2023年6月30日

このページは、「音声読み上げ用」に作成しています。そのため、PDF版のニュースレターとは、文章の表示や表現などが異なっている部分があります。

新宿区UDまちづくりニュースレター

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新宿区
ユニバーサルデザイン
まちづくり
ニュースレター

第9号。
2023年6月。

ユニバーサルデザイン。
UD。とは?

 年齢・性別・国籍・コジン、の能力等にかかわらず、できるだけ多くの人が利用できるよう、生活環境その他の環境をつくり上げていく考え方です。
 新宿区には、多くの外国人をはじめ、様々な人々が生活しています。区では、移動しやすく、利用しやすく、わかりやすいまちを目指して、令和2年3月に新宿区ユニバーサルデザインまちづくり条例を制定しました。

このニュースレターでは、新宿区の取組や、UDスポットの紹介、利用者の声などをお伝えしていきます。

UDスポット。
西新宿五丁目北地区。

最近の西新宿五丁目北地区をご存じですか?まちづくりの基本テーマである、「つどい にぎわう せせらぎのある街」の実現に向けて再開発が進められ、現在、オフィスビルやタワーマンション、新たな商業店舗から、公園、広場まで、様々な施設がオープンしています。住民や関係者の方々の意見を広く反映してつくられたこの空間は、誰でも気軽に訪れることができ、交流の場、くつろぎの場として人々に親しまれています。
 ニュース第9号では、「話し合いを重ね、人々の意見を反映しながら改善して、より多様な人が利用しやすい場所をつくっていく」ことをだいじにしている、西新宿五丁目北地区のユニバーサルデザインについてご紹介します。
 
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UD探検隊が行く!。
新宿UDまちづくりスポット。

西新宿五丁目北地区。

グッドなUDポイント。人と人との繋がりを生む空間づくり。
新たに公園や広場、歩行空間などが整備されたことにより、昔からの住民と新しい住民がつながる地域コミュニティが生まれることが期待されます。

写真1枚目。地域住民の交流の拠点となり、災害時には避難場所としても利用される公園と広場。

写真2枚目。整備され、賑わいのある歩き易い空間が創出された歩道状くうち。

写真3枚目。4枚目。再開発を機に備えられた、災害時用の可動式かまどとマンホールトイレ。

写真5枚目。公園と広場からのアクセスが良い、オムツ交換台などを備えた車椅子使用者対応トイレ。

写真6枚目。障害の有無にかかわらず、より多くの子どもが楽しめるインクルーシブ遊具。

写真7枚目。神田川を眺めてゆったりできる心地良い散歩道。

利用者コメント。
工事をしている時からこの場所を知っていました。綺麗な場所になり、近くにスーパーができて買い物もし易くなったので嬉しいです。いざという時、避難じょとして利用できるのも良いですね。
70代・女性

利用者コメント。
一度訪れて気に入ったので、犬のお散歩コースになっています。水辺や緑が沢山あり、気持ちよく過ごせますね。より多様な人が気軽にこれる空間になってほしいです。
50代・男女・二人組

グッドなUDポイント。いろいろなデザインのベンチ。
公園、広場には様々な形や高さのベンチが数多く設置されています。訪れた人々は水辺や木陰などの思い思いの場所に座りながら、のんびりとした時間を過ごすことができます。

写真8枚目。地区の歴史が刻まれたベンチ。

写真9枚目。様々な高さのベンチ。

利用者コメント。
近くで働いており、普段からお昼休憩に利用しています。広くて座れる所も多いので、お昼時も、人が分散できる所が好きです。
20代・女性

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グッドなUDポイント。地区の未来をつくるエリアマネジメント。
エリアマネジメントとは。地域の良好な環境や価値を維持、向上させるための、住民と事業者による取組。
西新宿五丁目北地区では。これまで多くの住民の声を取り入れながら、再開発事業が進められてきました。これからも、人々の結びつきを強め、長く愛される、より良い地区にしていく為に、住民や近隣の様々な主体と協力しながらエリアマネジメント活動をおこなっています。

写真9枚目。過去に開催されたイベントのチラシ。

利用者コメント。
以前からこの地区に住んでいますが、最近はイベントの開催などもあり、より地域の人がつどえる環境になったと感じます。マンションの下の空間なので、気軽にくることができて、みんなと仲良くなることができます。
40代・男性・親子、二人組

再開発プランナーのかたへのインタビュー。
再開発プランナーとは。まちづくりや、マンションたて替え等の再開発専門技術者。
株式会社アールアンドディー、新建築都市研究所、コンサルタント部、大野さん。
西新宿五丁目北地区の再開発は、主に防災性の向上を図るため、まちづくりを行いたいという住民や関係者の方々からの意見がきっかけで、平成16年から検討を重ねてきました。この地区の、住民のコミュニティーが失われつつある。オープンスペースが少ない。活気と賑わいが薄れてしまった。という3つの課題を解決しようという想いから、つどい にぎわう せせらぎのある街。というまちづくりの基本テーマが生まれました。
このテーマをもとに始まった再開発でしたが、見慣れた街の風景が一変してしまうため、複雑な思いを抱く人もいました。そのため、地区の歴史を刻んだベンチや、再開発前の建物のタイルを再利用したベンチを公園や広場に設置したり、元々あった建物の形に歩道の舗装の色を変えたりする事で、再開発があっても、過去と現在の繋がりを感じられるような工夫をしています。またおおどおり沿いに店舗を設ける、地区内に親水空間を作る、近隣と調和するように桜の木を配置するなど、この空間を利用する住民や関係者の方々の意見を反映するよう心掛けました。
写真、タイルの色でかつての建物の形を表した歩道。
さらに、ただ建物をつくるだけではなく、場所の運営・活用や、人と人の繋がりを生み出すため、よどばしエリアマネジメントという団体がまちづくり活動をおこなっています。地域の関係団体と一緒に地域活動を進めるコミュニティー勉強会を行うほか、課題でもあった新旧住民の交流促進のため、これまでに3回イベントを開催しています。今後も防災訓練やイベントを開催することで、この地区を含むエリア全体の交流の場としての役割を果たしていく予定です。
西新宿五丁目北地区は色々なかたの意見を集約してつくられたという点が最大の特徴です。再開発が終わったあとも、地区の価値の維持向上を図る取組は続きます。問題のある箇所を常に改善していくという姿勢を持ち、話し合いを通じて意見を取り込んでいくことは、ユニバーサルデザインにとって非常に大事な考え方です。今後利用者の増加が予想される中で、より多様な人が快適に過ごすことができ、愛される空間であり続けることができるよう、引き続き取組を進めていきます。

受け継がれる土地の歴史
地区内の様々な場所には土地の歴史や記憶が刻まれ、かつての土地の姿を今に伝えています。

写真10枚目。昔あったじょすいぼりを連想させる親水空間。
写真11枚目。場所を変えつつ残される、地域の人々に親しまれている伏見稲荷
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コラムタイトル。共生社会とインクルーシブなまちづくり

東京大学、経済学研究科、特任研究員、丹羽太一さん

共生社会とはどんな社会でしょう。
ユニバーサルデザインを推進する政府の行動計画では、障害がある・ない、や、女の人、男の人などにかかわらず、お年寄りも若い人も、全ての人がお互いの人権、わたしたちが幸福に暮らしていくための権利。や尊厳、その人の人格を尊いものと認めて敬う事。を大切にし、支え合い、誰もが生き生きとした人生を送ることができる社会とされています。新宿でも共生社会の実現のために、ユニバーサルデザインのまちづくりと、心のバリアフリーの取組を進めています。
ユニバーサルデザインによって、様々な人にとって障害となっている街の環境を整備し、さらに問題があれば話し合い、理解し合って、色々な意見を人々の関わりの中に反映していくことで、障害はなくすことができるものです。障害はその人を取り巻く社会の問題として解決できるものなのです。障害者差別解消法という法律はこれを社会で実現していくための決まりを定めています。
まず一般的に不特定多数の障害者が使いやすい環境の整備を行わなくてはなりません。環境の整備はいわゆるバリアフリーの環境づくりです。例えば車いすで設備が自由に使える、視覚に障害があっても自由に動いて情報も得られる、聴覚に障害があってもコミュニケーションがスムーズに行える、などがあたりまえにできることが求められます。その上で障害によって個別に異なる取り扱いが必要になることがある時は、合理的な範囲であれば提供しましょうという考え方が、必要かつ合理的な配慮になります。個々の場面における障害者個人のニーズに応じ、過重負担を伴わない範囲で社会的障壁を除去することが合理的配慮です。環境の整備が一般的な措置であるのに対し、合理的配慮は個別的な措置になります。
障害の有無や性別にかかわらず、高齢者も若者も、全ての人がお互いの人権や尊厳を大切にし、支え合い、誰もが生き生きとした人生を享受することのできる共生社会の実現は、インクルーシブなまちづくりの初めの一歩です。

新宿区からのお知らせ。
ニュースレターのバックナンバーをぜひご覧ください。
創刊号から第8号までの、これまでのUDまちづくりニュースレターは、新宿区のホームページからPDFファイルで閲覧できます。新宿区内の公園や広場などの紹介のほか、UDについてのコラムも掲載しています。
詳しくは、2次元バーコードにより、新宿区ホームページをご確認ください。

新宿区ユニバーサルデザインまちづくりニュースレター、第9号、令和5年6月発行。
お問い合わせ先、新宿区、景観・まちづくり課。
電話番号、03-5273-3843。

取材、編集は、株式会社、ぼんまちつくり研究所。
 

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