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令和6年 新年賀詞交歓会・区長年頭の挨拶(要旨)

最終更新日:2024年1月5日

【注】本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。
写真:あいさつする吉住健一新宿区長
 一月一日に発生した令和6年能登半島地震で被災された皆様に心からのお見舞いを申し上げますとともに、亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。また、支援物資輸送中の事故で、貴重な命を失った海上保安庁の隊員の皆様のご冥福をお祈り申し上げます。新宿区といたしましても、全力で被災地への支援に取り組ませていただきます。

 大地震さえなければ、いつも通りの楽しいお正月を迎え、新しい年への希望をもって生きていたはずなのに、残念でなりません。災害は時と場所、相手を選ばずに襲ってきます。災害への備えの大切さを改めて考えさせられた年明けでした。

 改めまして、ご挨拶をさせていただきます。明けましておめでとうございます。皆さまには、日頃より区政にご理解とご協力をいただいておりますことに御礼申し上げます。

 今年の干支は「辰」ですが、辰は、想像上の生き物「竜・龍」に例えられ、龍の象徴する「力強さ」や「成功」を象徴することから、辰年は新たな始まりやチャンスの年として期待されています。
 まさに、龍が天に昇るような勢いで、区民の皆さまとともに、新宿のまちが更なる発展を遂げられるよう全力で取り組んでまいります。

 昨年4月に東急歌舞伎町タワーが開業した記念式典の祝辞の中で、「春を待つ雪割草のように、長かった冬の時代を耐え忍び、晴れがましい今日を迎えられたことは、令和の時代の快挙であると考えています。」と申し上げました。5月に新型コロナの感染症法上の分類が5類へと変更されると、神社のお祭りや盆踊り、地域センター祭りなど地域には以前の賑わいが戻ってきました。国内外からは多くの観光客が新宿のまちを再び訪れるようになり、活況を呈しています。

 何らの制限も無く、新春をお祝いできるようになったのも、医療従事者をはじめとするオール新宿で感染症対策に取り組んでくださった関係者の皆様と区民や区内事業者の皆さまの忍耐とご努力のお蔭だと考えています。この場をお借りして、改めて、感謝を申し上げます。

 さて、政府の月例経済報告によりますと、「景気は、このところ一部に足踏みもみられるが、緩やかに回復している。」との判断ですが、一昨年から続く物価高騰は、区民の皆様の生活に大きな影響を及ぼしています。
 現在、エネルギー価格や食材料費などの物価高騰対策として、「物価高騰対策臨時給付金」の追加給付を、まずは住民税非課税世帯を対象に、昨年末から進めています。
 今後は、住民税均等割のみ課税世帯への給付や、子どものいる世帯への加算の給付などについても、速やかに実施できるよう準備を進めてまいります。

 また、地域経済の活性化と物価高騰における生活支援のため、現在取り組んでいるプレミアム付商品券事業も継続してまいります。
 本年も引き続き、社会経済情勢や景気動向を見極めつつ、区民の皆様が安心して暮らせるよう、区政運営に取り組んでまいります。 

 4月からは令和6年度から9年度にわたる第三次実行計画がスタートします。昨年実施した「パブリックコメント」や「しんじゅくトーク」で区民の皆様からいただいた計画素案に対するご意見を踏まえ、策定作業を進めています。計画達成に着実に取り組むことで、区民生活を支え、区政の課題解決に向けて確かな歩みを進めてまいります。

 計画の基本政策1「暮らしやすさ1番の新宿」では、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、健康寿命の延伸に向けた健康づくりや介護予防・フレイル予防に取り組むとともに、多様な世代が地域の担い手として支え合う仕組みづくりを推進します。
 また、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援として、相談体制を充実し、関係機関と連携した継続的な支援と経済的支援を一体的に実施します。その他、学童クラブの定員拡充、不登校児童・生徒への支援、生活困窮世帯の子どもへの学習支援などにも取り組んでまいります。

 次に、基本政策2「新宿の高度防災都市化と安全安心の強化」では、 建築物等の耐震性強化やブロック塀などの安全対策に取り組むとともに、道路の無電柱化整備を進め、災害に強い安全なまちづくりを進めていきます。
 また、マンション防災への取組みを支援するとともに、マンション管理計画の認定に向けた支援や認定を取得したマンションへの補助など、マンションの良好な維持・管理を促進します。
 さらに、歌舞伎町など繁華街における安全・安心を強化するための取組みを進めてまいります。

 次に、基本政策3「賑わい都市・新宿の創造」についてです。
 新宿駅周辺地域におけるまちづくりをはじめ、飯田橋地区や高田馬場地区において、区民の方や地元組織との協働により、地域の個性や魅力を活かしたまちづくりを、推進してまいります。
 豊かなみどりの創造と魅力ある公園等の整備では、区立公園の魅力向上に取り組むとともに、神田川沿いの桜並木の保全のため、区民の皆様と共に桜並木を次世代へとつなぐアクションプランを作成してまいります。
 
 地球温暖化対策の推進では、省エネルギー機器等の設置助成の拡充、「新宿の森」でのカーボン・オフセット事業の実施など、CO2排出削減の取組を加速していきます。
 資源回収の取組みでは、4月から今まで燃やすごみとして回収していた「製品プラスチック」を「資源プラスチック」として回収し、一層のリサイクルに取り組んでまいりますので、区民の皆様もご協力をお願いいたします。

 さて、昨年は、ワールドベースボールクラシックでの日本代表の活躍などスポーツが多くの感動を与えてくれました。昨年9月には、新宿をホームタウンとするサッカーチーム、クリアソン新宿がJ3クラブライセンスの交付を受けました。今年も区民の皆様とともにチームの活躍を応援してまいります。

 第三次実行計画では、スポーツを観戦するだけでなく、体験する機会も創出したいと考えています。世代の違いや障害の有無にかかわらず、ライフステージに応じて多様なスポーツ環境に親しめる環境を充実してまいります。
 
 基本政策4「健全な区財政の確立」、基本政策5「好感度1番の区役所」では、効果的・効率的な行財政運営を目指して、外部評価や定期監査により事業をチェックしてまいります。また、民間提案制度を活用した公民連携の推進、ICTの利活用、多様な決済手段を活用した電子納付の推進、行政手続きのオンライン化等を一層進めてまいります。

 ここで、令和6年から取り組む次世代を育む3つの特徴的な事業をご紹介させていただきます。
1つ目は、子どもたちのスポーツ活動を支援するため、新年度から子どもの指導を目的とする団体に対して、区立スポーツ施設の利用料金の減額制度を開始いたします。
2つ目は、夏休みなどの長期休暇期間中の学童クラブのお弁当手配をスマホなどから申し込みができるシステムを準備しています。さらに、本年4月から学校給食費の無償化を実施するため、近隣区とも調整をしながら準備を進めています。
 3つ目は、新宿区「はたちのつどい」にて、区内染色業者の皆さんが制作した着物を用意し、着付けやヘアメイク、小物も含めて、はたちのつどいの参加者に無料で貸し出すとともに、会場で着物のPR活動にご協力いただきます。
 区の伝統的な地場産業である染色業の文化を若い世代の方にも広く知ってもらうとともに、技術を継承する若手職人の方々の育成につながればと思い企画をいたしまた。今年は10着ですが、3年間をかけて30着に増やす予定です。
 
 最後に、被災地支援についての話に戻りますが、本日はこの会場でも義援金の受付をいたしております。新年早々、恐縮ではございますが、ご無理のない範囲でご協力をお願いいたします。

 結びとなりますが、本年も、現場現実を重視し、区民の皆様のお声を伺いながら、新宿のまちの発展に全力で取り組んでまいります。本年が皆さまと皆さまのご家族にとりまして、幸多き年となりますよう、お祈り申し上げまして、年頭のごあいさつとさせていただきます。

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