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新宿区成立75周年記念式典でのごあいさつ

最終更新日:2022年3月15日

【注】本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。

新宿区成立75周年記念式典の開会にあたりご挨拶申し上げます。

新宿区は、昭和22年3月15日、四谷・牛込・淀橋の3区が統合して誕生しました。「新宿」という地名は、江戸時代の宿場「内藤新宿」が設けられたことに由来しています。また、新宿御苑や新宿駅は、全国的にも広く知られ、親しまれていたことから、区の名称として採用されました。

以来、初代の岡田昇三区長は戦災からの復興とまちづくりを、山本克忠区長は副都心新宿の形成や都庁新庁舎の誘致を、小野田隆区長はバブル景気崩壊後の財政再建とクリーンシティ新宿の実現を、中山弘子区長の時代は行政の透明化や緑の保全、文化芸術の興隆による新宿ブランドの育成や、歌舞伎町ルネッサンス、子育て支援施策などに足跡を遺されました。
歴代の区長を始めとする区政関係者のご努力が実を結び、現在の新宿の発展へとつながっています。これまで区政を支えてきてくださった皆様のご功績に、改めて感謝と尊敬の念を深めております。

本日は、共に新宿区の発展を支えてきてくださった、「区政功労者」の皆様にお越しいただいています。区政功労者の皆様は、様々な活動を通して、地域を支え、区政の発展にご尽力いただいています。新宿区には、地域の皆様が、自分たちのまちに誇りと愛着を持ち、自分のまちを良くしようと活動する強い絆という伝統があります。多くの方々が、区民の暮らしを応援し、支えていただいていることを、たいへん心強く感じています。これからも、皆様とともに、住みたいまち・住み続けたいまち「新宿区」を創ってまいりたいと思いますので、お力添えのほど、お願い申し上げます。

現在、区は、新宿区総合計画に示した基本政策、「暮らしやすさ一番の新宿」、「新宿の高度防災都市化と安全安心の強化」、「賑わい都市・新宿の創造」を柱に、新宿のまちづくりに取り組んでいます。
新型コロナの影響により、厳しい社会経済情勢の中にありますが、「区民の命と暮らしを守る対応」と、「区内産業・地域経済の回復に向けた対応」に迅速に取り組むとともに、現場現実を重視しながら、区民の皆様が住み慣れたまちで住み続けられるように、そして未来を担う子どもたちが、健やかに成長できるように、基本構想に掲げるめざすまちの姿「『新宿力』で創造する、やすらぎとにぎわいのまち」を実現してまいります。

5年前の70周年式典の頃は、東京2020大会開催を控え、世界最大のターミナル駅を擁し、東洋一ともいわれる商業地域を持つ新宿区の前途は洋々としていました。当時は予想もしなかった、新型コロナウイルスの世界的なパンデミックは区民の暮らしにも大きな影響をもたらし、未だ収束を見ず、区民の暮らしや地域の経済には、様々な制約が続いています。
区は、繰り返される感染拡大の波に対し、医療機関等の協力の下、検査体制を構築するとともに、ワクチン接種を進め、早期診療や円滑な入院調整・自宅療養の支援、その後の社会復帰に向けた対応などを一連の流れとして実施しています。今後も、変異する感染症の特性に合わせた対策を講じながら、区民の皆様が様々な活動を再開できるよう、公民一体となった取り組みを進めてまいります。

さて、新宿区は、全ての国の核兵器廃絶と世界の恒久平和の実現を願い、昭和61年3月15日に「新宿区平和都市宣言」を行いました。
それから36年、今世界では、核の脅威を盾とした、他国への侵攻が起こっています。核兵器という武力による現状の変更は、絶対に許されることではありません。区は、区議会との連名で、ロシア軍を即時に完全かつ無条件で撤退させるよう、強く求めるとともに、核兵器を使用することに断固反対する、抗議文を発出しました。一日も早く、平和的に解決されることを願っております。

また、令和3年6月5日に、新宿区は「ゼロカーボンシティ宣言」をしました。区における二酸化炭素排出量を縮減し、気候変動を抑制する取り組みを始めています。区内各所でまちづくりの動きがありますが、環境面への配慮も呼びかけてまいります。

最後に、話題を変えて、将棋の話をさせていただきます。現代の将棋界では藤井聡太竜王の活躍が注目されていますが、私の子供の頃は大山康晴15世名人が大ベテランとして君臨していました。大山名人の随筆集の中に「貯金で生活するな」、「想像力が勝負の鍵」という題名のものがあります。「貯金は必要となれば使える。利子も大切にして増やす心掛けで新しい手を開拓していきたい」、「将棋は創造のゲームである。常に創造の世界をさぐるのが、プロ棋士の生きる姿である」生涯現役で活躍された大山名人の言葉に思いを馳せながら、未来の新宿区の礎を皆様とともに築いていきたいと考えています。
区民の皆様をはじめ多くの方々に、新宿区のより一層の発展のため、変わらぬご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げまして、私の挨拶とさせていただきます。

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