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現場現実を知る努力を怠らず様々な課題に対応を

最終更新日:2018年9月14日

皆さんおはようございます。区長の吉住健一です。

はじめに、6日に発生した、「北海道胆振(いぶり)東部地震」では、大規模な土砂崩れや家屋の倒壊など、大きな被害が報道されています。犠牲になられた方へ心よりお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様にお見舞い申し上げます。
今年は6月以降、地震や集中豪雨、台風による多大な被害が各地で発生しました。
今回の地震は、午前3時過ぎの発生でしたが、仮に新宿で午前3時に発災した場合に、自分自身がどのような対応をすべきかと、胆振地方での地震を知らせる防災気象情報メールを読みながら、自問自答をしました。職員の皆さんにも、発災時における担当場所や役割が決まっていると思いますが、どのように登庁して、自分の役割を果たすかをイメージする機会にもなったと思います。
また、職員の皆さんには、被災地の支援にも従事してもらいました。7月の西日本豪雨による被害に対しては、3回にわたり、現地での避難所運営や罹災証明発行業務、被災者の健康相談業務等に従事するため、職員の短期派遣を行ったところです。さらに、9月初旬に西日本に被害をもたらした台風21号に対しては、被災地への支援物資の運送を職員が行いました。
災害がいつ起こるかわからない中で、被害を最小限に抑える備えと、緊急時の適切な初動対応が大切です。今後も、関係機関や地域と連携しながら、災害に強いまちづくりに取り組んでいただきたいと思います。


今日は、区と区内4警察署が新たに始める特殊詐欺根絶対策について話をいたします。
先月、8月23日、区と区内の4警察署の間で、『新宿区特殊詐欺根絶対策の実施に関する覚書』を締結しました。
家族を想う気持ちにつけ込んだ、卑劣な犯罪である特殊詐欺が増加しています。被害件数は、平成27年が58件、平成28年が75件、平成29年が 130件でした。被害額についても年々増加し、平成29年は合計約2億9,000万円にものぼりました。被害者は、65歳以上の高齢者の方が多く、全体の約86%を占めています。
区は、これまで高齢者の方が集まる各種会議やイベントにおいて被害防止に向けた講話やチラシ配布による注意喚起、自動通話録音機の貸出し等の対策を実施してきました。しかしながら、区内に住む多くの高齢者の方には、特殊詐欺についての情報は届いていません。区報やホームページでの情報発信は、有効な手段ではありますが、関心を持ってもらえなければ、注意喚起にはなりません。被害に遭った方を分析すると、ほとんどの方が、警察から直接、注意喚起ができていない方であることがわかりました。
そこで、区と区内4警察署が更に連携を強化し、各警察署の制服の警察官が、区から提供する高齢者名簿に基づき、10月中旬から戸別訪問を実施し、自動通話録音機を貸し出すとともに、最新の手口や被害防止対策等の注意喚起を行います。
区では、高齢者名簿の作成に先立ち、区内在住の65歳以上の全高齢者に、本事業のご案内と、警察官の訪問を希望しない方にはその旨の意思を署名していただく「回答書」を、返送用封筒とともに、今週、9月10日に郵送いたしました。回答書等により、警察官の訪問を希望しない旨の意思表示をされた世帯、及び、郵便物が届かず区に戻ってきた方の情報は警察へ提供をしないこととしています。
個人情報の保護対策を図りつつ、区及び区内4警察署が一体となって特殊詐欺根絶対策を実施し、特殊詐欺被害ゼロを目指してまいります。


さて、今年の4月に、新宿区に入区した職員の皆さんは、来月1日、晴れて正式採用となります。
配属された職場で、窓口業務や相談業務、事業運営など、それぞれ担当する業務や職場環境に慣れてきたこの時期に、改めて、住民に最も身近な基礎自治体である、区の役割について考えていただきたいと思います。
少子高齢化や人々のライフスタイルの多様化、社会経済状況の変化などによって、行政サービスは、より一層、総合化・高度化していくことが見込まれます。
しかし、求められるサービスが変化したとしても、区の役割の基本は、「区民の立場に立って、直面する地域課題に的確に対応していくこと」だと、私は考えています。これは、非常にシンプルであると同時に、難しいことでもあります。
新規採用職員の皆さんには、どうか、「現場現実を知る努力」を続けていただきたいと思います。
どんなに、ち密に考えられた事業や計画であっても、それが区民の立場に立ったものでなければ、意味がありません。
区民生活の現場で起きている現実を真摯に受け止め、区民の立場に立ち、その上で、自治体職員としての知識や経験によって構築されるサービスこそ、真に必要なサービスです。
ぜひ、現場現実を知る努力を怠らず、自らの能力を高めながら、皆さんの若々しい感性と柔軟な発想で、直面する様々な問題に果敢に挑戦してください。
期待しています。
 

今月の19日から区議会の定例会が開催されます。
この議会では、平成29年度決算の認定4件を上程しています。
21日から実質9日間にわたる決算特別委員会において、職員の皆さんとともに区民や区議会に対する説明責任をしっかり果たしていきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。


最後に、6月以降の、区における安全安心のための緊急対応等を振り返りますと、
6月の大阪府北部地震を受けて直ちに、区立学校や通学路、子ども関連施設のブロック塀等の緊急安全点検を実施するとともに、7月から8月には、その他すべての区有施設のブロック塀等の点検や、区内全域のブロック塀等の状況調査を行いました。また、7月下旬、8月上旬に連続して発生した台風12号、13号への対応では、関係部署で夜間を含めた警戒態勢をとりました。

炎天下や暴風雨の中、ブロック塀等の安全点検や、被災地派遣、水害の警戒態勢等に従事していただいた職員の皆さんに改めてお礼を申し上げます。

季節の変わり目の時期ですが、体調管理にはくれぐれも気を付けてください。
本日の放送はこれで終わります。

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