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区民の心豊かな生活を支える基礎自治体として

最終更新日:2018年7月13日

皆さんおはようございます。
区長の吉住健一です。

先週から今週はじめにかけて、西日本を中心とした広い地域で続いた豪雨により、土砂災害や河川の氾濫など甚大な被害がありました。お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。これから大雨や台風が多い時期になりますが、各セクションで引き続き、災害対策に取り組んでください。

先月の大阪北部地震では、小学校4年生の女の子が倒壊したブロック塀の下敷きになり、また、80歳の男性が民家の壁の崩落に巻き込まれ、犠牲となる事故が起こりました。
区では、地震発生後直ちに、区立学校及び区立幼稚園のほか、全てのこども関連施設のブロック塀等を総点検し、安全対策が必要と判明したものについては、順次、塀の除却等の対応を進めているところです。
また、現在、区内通学路沿いにある民有地のブロック塀や、こども関連施設以外の区有施設の塀について、7月末までを目途に、安全点検を行っています。
さらに、区内全域の一般道路沿いにあるブロック塀や石塀についても8月末までに基礎調査を行っていきます。
今回の、緊急安全点検に従事していただいている職員の皆さんには、改めてお礼を申し上げます。暑い時期ですので、水分補給など、体調管理に気を付けてください。
 
区では、今年5月に、ハラスメントのない働きやすい職場づくりを目指して、ハラスメント防止に関する指針を策定しました。これまで防止に取り組んできた、セクシャルハラスメントだけでなく、妊娠・出産・育児・介護に関するハラスメントや、パワー・ハラスメントも含め、ハラスメント全般の防止に取り組みます。
ハラスメントは、定義が不明確で、ハラスメントの行為者と受け取り者とで意識の違いなどもあり、とても難しい問題です。
しかし、ハラスメントが及ぼす影響として明確に言えることは、職員の健康状態や意欲の減退、職場全体の生産性の低下など、「組織」として大きな損失につながるということです。こうした認識を、職員一人ひとりが持ち、ハラスメントについての理解を深めていただき、防止に取り組んでいただきたいと思います。

今年度がスタートして3か月が経過しました。新総合計画の初年度である30年度は、区の5つの基本政策の実現に向け、様々な新規事業をスタートさせていく重要な年です。
新しい事業を準備し、展開していく中で、当初は想定していなかった課題や、状況の変化等もあるかもしれません。それに伴い、事業手法の変更なども必要になってきます。何か問題が発生し、事業が進んでいなければ、その問題の解消と、事業計画の再構築が必要です。
客観的なデータの分析も含め、状況を的確に見極め、それぞれの事業が目指す方向性に向かって最大限成果をあげられるよう、この夏の時期に、早めの軌道修正を行ってください。そして、事業の進行管理をしっかり行ってください。

また、差し迫った地域課題に対し、新宿区の地域特性を踏まえた独自の対応が必要だと判断する場合もあります。6月から始まった民泊の「新宿ルール」の運用のほか、公園の使用許可基準の見直しや、特殊詐欺対策といった新たな取り組みを進めます。

公園の使用許可基準の見直しについて、少しお話をしたいと思います。

ひと頃収まっていたかに見えていた、特定の民族や国籍の人を排除するような差別的行動(ヘイトデモ)と思われるデモが、平成29年度に急増しました。区民の皆さんからも、「罵詈雑言による誹謗中傷は聞くに堪えない」「子供への影響が懸念される」という声もあがっています。議会からもヘイト対策を検討しないのかというご意見をいただいてきました。

そこで、デモが行われている現状を分析したところ、デモの出発地として利用可能な公園に指定してきた西戸山公園、花園西公園、柏木公園、新宿中央公園の、4つの公園それぞれの状況が分かってきました。

4公園のうち西戸山公園は、3年前、隣接地に障害者が地域生活に移行するための宿泊訓練施設を開設し、公園自体も精神障害者が運動をする場所として利用しています。花園西公園は四方を住宅が囲み、学校、マンション、商店街など、生活の拠点となる施設が密集しています。柏木公園は、近隣に住宅や商店街があることと、新宿駅に近いこともあり、年間50回ものデモによる使用許可を出していました。花園西公園と柏木公園の周辺の住民や商店街の方々からは、デモによる騒音、歩行通行の妨げ、公園利用の制限などにより、住民生活や、地域の経済活動に影響を及ぼしているとして、苦情・要望が寄せられています。

こうした状況等を踏まえ、指定4公園のうち、周辺環境への影響が少ない新宿中央公園のみ指定することとし、周辺住民の良好な生活環境を確保することを目的に見直しをしました。

特定の民族や国籍の人々を排斥する差別的言動は、人としての尊厳を傷つけると同時に、人としての品位を損なうものであり、決して許されるものではありません。これまでも、公園占用許可申請者には、法律の主旨を説明し、生命身体等に危害が及ぶ、若しくは及ぶことが予想される際には、許可を取り消す旨を指導してきました。
しかし、公園を出発した後にヘイト発言等があっても、出発した後では区は関与することができません。また、虚偽の申請によって、事前のチェックを通過されることは他の自治体への調査でも明らかになっています。

これまでの実績を見ると、公園の修繕工事や住民等による占用利用の状況によって申請を受け付けなかったことにより、結果として、ヘイトデモが開催されなかった事実があります。
こうした点から、4か所が解放されている場合と比べ、1か所のみが解放されている場合に、ヘイトデモが利用できる可能性を減らすことができると考えます。
「表現の自由・集会の自由」と「住民等の平穏な生活環境の確保」の両立を鑑みた上で、今回の見直しは、「ヘイトデモに区立公園を使わせない」という目標に向けた対策と考えています。

地域の方が心豊かに暮らすことができるよう生活を支えることが、住民に一番身近な基礎自治体としての区の責務だと思います。新宿区には、4万3千人もの外国籍住民が暮らしています。
この間、地元の関係団体の方からヘイトデモ解消にかかる要請を、直接お受けする機会がありました。その際、様々な受け止め方が生じるかもしれないが、実効性のある対策を検討している旨をお伝えしました。その具体化が、今回の公園の占用許可基準の見直しであります。これからも、時代の変化を的確に捉えながら、区民生活を支える優先順位とは何かを、一緒に考えていきましょう。
最後に、夏休みの予定は決まりましたでしょうか。心身の健康のためにも、夏季休暇や年次休暇を活用して、仕事を忘れて家族や友人とリフレッシュする機会をぜひ取ってください。

本日の放送はこれで終わります。

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