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定例記者会見(平成30年第1回区議会定例会)区長説明要旨

最終更新日:2018年2月9日

この発言要旨は、平成30年2月9日に行われた記者会見における区長説明の要旨を掲載しているものです。
皆さまにはお忙しい中をご出席いただき、ありがとうございます。
平成30年度新宿区当初予算案がまとまり、この予算案を提案する新宿区議会第1回定例会が、今月の15日から3月16日までの日程で開かれます。今議会では、この平成30年度当初予算案4件、平成29年度の補正予算案4件、条例案30件、その他3件の議案を提出しました。
なお、初日の15日の本会議で、平成30年度の区政の基本方針及び施策の大綱についての所信を表明いたします。

本日は、平成30年度の区の取り組みについてご説明申し上げ、区政への一層のご理解を賜りたく、お集まりいただきました。

まず、はじめに、『税源偏在是正措置に対する特別区長会としての緊急行動』について、一言申し上げたいと思います。

国は、『地方創生』という大義名分のもと、地方税である法人住民税の一部を国税化するという不合理な税制改正を行ってきました。特別区では、今年度分だけでも約628億円、消費税率10%段階においては1,000億円を超える規模の減収が予想されています。
また平成30年度税制改正において、地方消費税の清算基準について、自治体の状況を無視した不合理な見直しが強行され、特別区の減収額は約380億円、10%段階においては約485億円になると試算されています。
さらに、各区の平成30年度における「ふるさと納税による特別区民税の減収額見込み」は、約312億円にまで達する見込みです。
これらを合わせた特別区全体の影響額は、現時点で1,300億円を超えており、消費税率10%段階においては2,000億円に迫る規模になると試算されています。当区の一般会計の規模、約1,400億円と比較すれば、この税制が与える影響の大きさをご理解いただけると考えています。
加えて、昨年12月に発表された、平成30年度与党税制改正大綱には、平成31年度税制改正において、都市部から、さらに税源を吸い上げる動きが見受けられます。
特別区は、土地や物価、労務単価等が高コストなうえ、ホームレス自立支援、多国籍化への対応など、大都市特有の行政需要に追われ、財源に余裕はありません。
特別区長会は、こうした不合理な税制改正に対して、「地域間の税収格差の是正は、地方交付税で調整されるべき」という23区共同の声明を発表するとともに、全国の自治体がともに、発展・成長しながら共存共栄を図ることを目的とした「特別区全国連携プロジェクト」などにより、東京を含む全国各地域の「地方創生」の取り組みを積極的に展開してまいります。

それでは、平成30年度の当初予算案の概要について、ご説明いたします。
お手元の冊子「平成30年度予算(案)の概要」の5ページをお開きください。
平成30年度予算は、「次の10年を展望する新総合計画の達成に向け、新たな一歩を踏み出す第一次実行計画を確実に推進する予算」と位置付けて編成いたしました。

次に、6ページをご覧ください。
平成30年度一般会計予算の規模は、1,464億円で前年度に比べ18億円、1.3%の増となりました。
一般会計の歳入総額のうち、一般財源の総額は893億円で、対前年度比6億円、0.7%の増です。

「特別会計」や性質別の内訳なども含め、詳しくは後程資料をご覧いただければと思います。

平成30年度は、新総合計画の初年度にあたります。
新宿区のめざすまちの姿「『新宿力』で創造する、やすらぎとにぎわいのまち」の実現に向けて、新総合計画の5つの基本政策に基づき、様々な施策に取り組んでまいります。

お手元に「平成30年度予算 新総合計画・基本政策事業」をお配りしました。
本日は、平成30年度に取り組む施策のうち、主なものについて、この資料に沿ってご説明いたします。

まず、第一の基本政策「 暮らしやすさ1番の新宿 」についてご紹介します。

1ページをお開きください。
『気軽に健康づくりに取り組める環境整備』と『地域介護予防活動支援事業』についてです。

区では、「誰もが健康になれるまち」の実現に向けて、「しんじゅく健康プロジェクト」と銘打ち、ライフステージに応じた健康づくりを進めています。その4つの施策を紹介します。

1つ目は、ウォーキングの推進です。ウォーキングマップの活用などにより、身近な運動であるウォーキングに取り組みやすい環境を整備していきます。

2つ目は、健康行動に対してポイントを付与することで、区民が健康づくりに参加するきっかけをつくる健康ポイント事業をはじめます。歩いてポイントがたまる「ウォーキングポイント」を中心に、次年度以降は健診の受診などポイントを付与する対象を順次拡大していきます。

3つ目は、健康な食生活のサポートです。毎月8日を「しんじゅく野菜の日」とし、食品会社や区内スーパーマーケットともコラボし、食に関する正しい知識の普及啓発を行います。

4つ目は、「しんじゅく100歳トレーニング」の開発です。「みんなで目指す!健康100歳」として、シニア世代向けの新宿区独自の筋力トレーニングを「東京都健康長寿医療センター」と連携して開発し、地域の皆様が主体となって健康長寿に取り組んでいただけるよう支援してまいります。

次に、2ページをご覧ください。
『地域支え合い活動の推進』についてです。

区では、地域の中で高齢者の自立を支援し、世代にかかわらず互いに助け合い、支え合う「地域支え合い活動」を推進しています。この活動の拠点として、今週、2月6日に、「薬王寺地域ささえあい館『ささえーる薬王寺』」を新たに開設しました。
館では、地域活動の担い手を養成するための講座、食と運動に関する講座など、様々な講座を実施し、地域活動を担う団体や個人を支援してまいります。

次に、3ページをご覧ください。
『介護保険サービスの基盤整備』についてです。

まず、富久町国有地を活用した特別養護老人ホーム及びショートステイの整備です。平成31年7月の開設に向け、現在建設工事が行われています。

次に、新たな計画として、市谷薬王寺町国有地を活用した特別養護老人ホーム及びショートステイの整備、
払方町国有地においても、認知症高齢者グループホーム、小規模多機能型居宅介護及び障害者グループホームの整備を進めます。

次に、4ページをご覧ください。
『認知症高齢者への支援体制の充実』についてです。

区では、これまでも、高齢者総合相談センターに認知症初期集中支援チームを設けて、早期発見・早期診断の対応を行うなど、認知症高齢者と介護者への様々な支援に取り組んできました。

平成30年度は、高齢者総合相談センターが、認知症高齢者一人ひとりの状態に即した対応方法について、認知症サポート医から専門的助言を受ける「認知症サポート医による高齢者総合相談センター支援」を実施し、コーディネート機能の向上を図ってまいります。

次に、5ページをご覧ください。
『障害を理由とする差別の解消の推進』についてです。

区は、毎年12月の障害者週間に、新宿駅西口広場において「障害者福祉施設共同バザール」・「障害者作品展」を実施しています。平成30年度は、開催規模を大幅に拡充し、障害者福祉施設による出店数や作品数の増加や、ステージや障害疑似体験スペースの拡張を行います。

次に、6ページをご覧ください。
『保育所待機児童の解消と保育の質の向上』についてです。

今後も増大することが見込まれる保育需要に対応するため、民間事業者による新小川町複合施設建設に伴う私立保育所の整備のほか、賃貸物件を活用した私立保育所の整備により、平成31年4月までに、455名の受け入れ枠の拡大を図ります。

また、短時間勤務や在宅勤務などの多様な働き方をしている保護者の保育ニーズに対応する「保育園の空き保育室型定期利用保育」を、定員を拡大して引き続き実施します。

次に、7ページをご覧ください。
『放課後の子どもの居場所の充実』についてです。

新宿区では、すべての区立小学校と新宿養護学校の計30所で「放課後子どもひろば」を実施しているほか、近隣の学童クラブが定員を大きく上回る見込みの小学校の「放課後子どもひろば」では、時間延長や出欠確認、連絡帳の活用、個別面談、希望者へのおやつの提供など、学童クラブの保護機能をプラスした、【ひろばプラス】を実施しています。
平成30年度は、実施数を20所から23所に拡充して実施します。

次に、8ページをご覧ください。
『特別支援教育の推進』及び『学校施設の改善』についてです。

まず、発達障害等のある児童・生徒への支援の強化については、通常の学級で教員と連携して児童・生徒を支援する特別支援教育推進員を32名から34名に増員します。

さらに、発達障害等のある生徒が、それぞれの障害の特性に応じた指導を在籍校で受けられるように、平成30年度は中学校3校で特別支援教室を先行実施し、平成31年度には全中学校に展開する計画です。

また、さらなる環境改善のため、小学校14校について、トイレ洋式化工事を実施します。

次に、9ページをご覧ください。
『地域協働学校の充実』についてです。

区教育委員会では、すべての区立小・中学校を、新宿版コミュニティスクールである「地域協働学校」に指定し、学校と地域とが連携・協働して子どもたちの豊かな学びの環境づくりに取り組んでいます。

新たな取り組みとして、地域ぐるみで子どもの一貫した成長を支え、地域と子どもたちとの関係づくりを強化するため、小中連携型地域協働学校をモデル実施します。

また、これまで学校運営協議会に参加する機会のなかった地域の文化・芸術団体やNPO、地元企業、大学・専門学校等へ参加を呼びかけ、「学校運営協議会と地域との連絡会」を年2回程度開催し、地域が一体となって子どもたちを育む環境づくりに取り組みます。

次に10ページをご覧ください。
『国際理解教育及び英語教育の推進』についてです。

平成32年度に全面実施される「新学習指導要領」では、小学校3・4年生で外国語活動が必修化、5・6年生で英語が教科化されることが示されました。これを受けて、平成30年度は、英語教育の充実を図ります。

児童の関心・意欲を一層高め、効果的・効率的な学習につなげることを目指し、デジタル教材の平成32年度の全小学校導入に向けた検討を、小学校2校で実施します。

また、小学校全学年に配置している外国人英語教育指導員(ALT)について、3、4年生に対する配置時間数を充実します。

さらに、英検チャレンジでは、原則中学2年生を対象に、実用英語技能検定受験にかかる費用を全額補助するとともに、合格に向け、聞く・読む・話す・書くという英語の4つの技能による英語の能力の向上を重視した指導を行い、英語力の向上につなげます。

次に11ページをご覧ください。
『町会・自治会活性化への支援』についてです。

区は、町会・自治会の活性化への新たな支援策として『町会・自治会向け講演会及びコンサルティング』を実施します。
コンサルティング事業では、1団体をモデル町会として選定し、町会・自治会が抱える課題解決に向けた支援を行います。
区はこれからも『新宿区町会連合会』と連携して、地域コミュニティづくりの中心として活動している町会・自治会の活性化と加入率の向上に向けた支援を行ってまいります。

次に12ページをご覧ください。
『成年後見制度の利用促進』についてです。

認知症や知的障害、精神障害などにより、判断能力が十分でない人でも地域の中で安心して暮らし続けられるよう、区では、成年後見制度の利用促進を図っています。
今後、制度の利用が必要な人の更なる増加が見込まれる中、4月から、新たに新宿区社会福祉協議会による法人後見を開始します。個人での受任が困難な事例、後見業務が長期にわたる事例などを法人が後見することで、社会福祉協議会の持つノウハウや住民・関係機関とのネットワークを活かした、安定的・継続的な支援が可能になります。

次に13ページをご覧ください。
『だれもが地域でいきいきと暮らせるための就労支援
の推進』についてです。

まず「若者ここ・からステップアップ事業」についてです。
この事業は、「子どもから若者までの切れ目のない若年者就労支援」の一環として、これまでの、就労を目指す若年非就業者への支援に加え、その一歩手前にいる、社会との関わりを持てずに困難を抱えている若者の就労へのきっかけづくりとして、新たに開始します。
本人または保護者からの相談や、関係機関からの紹介などをきっかけとして事業を利用してもらい、勤労者・仕事支援センター内に設置するフリースペースで、ゲームを通じたコミュニケーション練習や、パソコン操作などの様々な機会を提供します。

また、「事業所等ネットワーク事業」は、企業や官公庁からの仕事を共同受注し、新宿区内の障害者就労施設等へ配分している受注センター事業において、施設間のネットワークの強化を図るものです。

受注作業や自主製品の質向上等を目指した講習会や情報交換の機会を提供するほか、共同商品の開発や販路拡大など、を行います。

次に14ページをご覧ください。
ここからは、第二の基本政策「 新宿の高度防災都市化と安全安心の強化 」についてご紹介します。

はじめに、『木造住宅の耐震化の推進』についてです。
切迫性が高まる首都直下地震に備えるため、木造住宅の耐震化を、区内全域で、スピード感をもって進めます。

耐震改修工事については、国や東京都の時限的な補助制度を活用して、平成30年度から平成32年度までに、集中的に耐震化を促進するため、区内全域に、耐震化の「重点地区」と同様な補助を拡大します。

耐震改修工事の前提となる耐震診断と補強設計については、建物所有者の希望や事情にあわせて利用しやすくするとともに、耐震化の手続も短縮します。
こうした支援制度の充実とともに、所有者の耐震化への理解を深める普及啓発が極めて重要であるという認識のもと、木造住宅とともに、非木造建築物や特定緊急輸送道路沿道建築物についても、耐震化啓発と支援制度の周知・利用促進を図ります。

次に、15ページをご覧ください。
『道路空間等の安全・快適化に向けた取組み』についてです。

はじめに、『道路の無電柱化整備』です。
災害に強いまちづくりを進めるとともに、歩行空間のバリアフリー化や美しい都市景観の創出を図るため、平成30年度は、引続き、聖母坂通り、補助第72号線、甲州街道脇南側区道及び信濃町駅周辺区道において、工事や設計を進めていきます。新たに、女子医大通り及び四谷駅周辺区道において、設計に着手します。
また、今後無電柱化整備を一層推進するため、無電柱化推進計画を策定します。

次に、「道路・公園におけるバッテリー内蔵型LED灯の整備」です。
災害停電時における避難経路等の安全確保を図るため、避難場所内にある区立公園及び公園周辺区道や、医療救護所を設置する避難所周辺の区道路にバッテリー内蔵型LED灯を整備します。

次に、『高齢者にやさしい道づくり』です。
高齢者が休憩場所として利用できるよう、歩道に腰掛防護柵やベンチ等を設置し、高齢者が安全・安心して通行できる環境づくりを進めていきます。
今年度は、戸山地区・百人町地区の路線を中心に、腰掛防護柵等の設計を進めます。

次に、16ページをご覧ください。
『女性の視点を踏まえた配慮を要する方への避難所運営
体制の充実』と『災害用備蓄物資の充実』についてです。

区では、東日本大震災後、備蓄物資として、着替えなどにも活用できるワンタッチテントなどの備蓄を進めるとともに、避難所運営管理協議会の組織に「要配慮者」を支援する「女性子ども部」を創設し、女性の視点を踏まえた避難所運営体制づくりに取り組んでまいりました。

今年度は、備蓄物資のさらなる充実・強化を図り、要配慮者の防寒用具として「寝袋」を各避難所へ配備します。

また、「女性をはじめ配慮を要する方の視点でのワークショップ」を、特別出張所管轄地区を単位として実施します。
熊本地震における女性等への支援の検証や「HUG(ハグ)(避難所運営ゲーム)」による避難所運営の課題の洗い出しなどを行い、地域全体で、避難所等における要配慮者の安全・安心の向上を図ります。

次に、17ページをご覧ください。
『災害医療体制の充実』及び『福祉避難所の充実と体制
強化』についてです。

はじめに、「災害医療体制の充実」についてです。
大地震が発生した際に、速やかに医療救護所を開設・運営できるよう、これまで区内10か所全ての医療救護所で年1回、医師会・歯科医師会等と連携して開設・運営訓練を実施してきました。
平成30年度からは、さらに薬剤師会も加わり、より実践的な訓練を行っていきます。

次に、「福祉避難所の充実と体制強化」についてです。

災害対策基本法で定める個別計画の内容に加え、災害時において要配慮者が在宅あるいは避難所で生活を継続するために必要な事項等を記載する、要配慮者災害用セルフプランのひな形を作成・公開し普及に努めます。

次に、18ページをご覧ください。
『住宅宿泊事業法令に基づく監視指導等』についてです。

6月15日より、「住宅宿泊事業法」が施行されます。区では、法の施行に合わせて、昨年12月11日に「新宿区住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関する条例」を制定しました。3月15日から始まる事前の届出に向けて、区民・事業者等に法令の内容を周知徹底し、事業者の適正な運営の確保を図ってまいります。
資料の左側に条例の主な特色などを記載しました。

次に、資料の右側をご覧ください。
住宅宿泊事業の運営を適正にし、近隣の生活環境悪化を防ぐとともに、違法民泊の防止を図るため、区は、法令及び条例に基づき、取り組みを進めます。
事業の届け出前の制度周知として、区報、区ホームページのほか、日本語版と英語・中国語・韓国語の外国語版リーフレットを作成し区民・事業者向けに配布します。また、事業者向けには、届出手続きと新宿区ルールの遵守事項をわかりやすく説明したルールブックを日本語版と外国語版で作成・配布していきます。

届け出後の指導・監督については、届け出のあったすべての住宅について、法に基づく標識の設置状況の確認、法及び条例に基づいた周辺住民への事前説明の報告等を求めることとしています。
また、区民から相談があった施設等については、現場調査や違反施設への立ち入り検査等を行い、是正指導します。
さらに、必要に応じて警察や消防などの関係機関と連携して対応していきます。
こうした取り組みを進めるため、住宅宿泊事業を担当する窓口の組織・職員体制を整備します。英語や中国語に対応できる派遣職員を活用し、窓口業務や届出受付、監視指導体制を強化します。
区では、住宅宿泊事業の届出や区民からの苦情・相談は、健康部衛生課が窓口となりますが、ごみ・騒音を所管する環境清掃部、建物の安全確保を所管する都市計画部等の関係部署が連携していきます。
また、観光庁や東京都、警察、消防などの関係行政機関とも情報共有と連携を行っていきます。

ここで、旅館業法改正に伴う影響についてお話をしたいと思います。

住宅宿泊事業法においては、合理的な届出要件を定めてくださったおかげで、管理規約に基づいて共同住宅などにおける望まれない届出は出来ないことになりました。
しかし、改正旅館業法においては、共同住宅の管理組合や自治会等で宿泊営業行為や転貸の禁止などについて、管理規約をせっかく改正して規定しても、改正旅館業法及び政令の基準に適合させた「旅館・ホテル営業」が申請されると、保健所で許可せざるを得ないことになり、旅館業の営業をやめさせることも出来ないことになります。

同じ宿泊業でも住宅宿泊事業法と改正旅館業法という別な法律の下で、異なる判断基準で営業が可能になったということについて、社会問題化することを懸念しています。

詳細については、国からの説明会がまだ先でございますので、つまびらかではありませんが、私共といたしましては、住宅宿泊事業に対して、区民の生活環境を守る視点で新宿区条例を制定したことの重みをしっかりと受止め、住宅宿泊事業法との均衡を踏まえた改正旅館業法への対応について、区として具体的な検討を進めてまいります。

次に19ページをご覧ください。
ここからは、第三の基本政策「 賑わい都市・新宿の創造 」についてご紹介します。

はじめに、『新宿駅周辺のまちづくり』についてです。
新宿駅周辺地域では、地元や民間事業者と連携し、魅力あるまちづくりを進めるため、「新宿駅周辺整備担当部」を新設し、区の体制を強化していきます。
また、国際競争力の強化に資する民間の開発計画を促進するため、都市再生特別措置法に基づく整備計画を作成します。

具体的な新宿駅周辺地域のまちづくりについて、5つご紹介します。

1つめは、新宿駅直近地区についてです。
区は、東京都とともに、新宿駅直近地区を駅・駅前広場・駅ビル等が一体となって、交流・連携・挑戦が生まれる新宿グランドターミナルとして再編し、駅周辺全体の更新へと波及させていくため、「新宿の拠点再整備方針」を策定していきます。
策定に向けて、区民の皆様に、本日から2週間、意見を伺います。整備方針案については、配布資料をご覧ください。

次に、20ページをご覧ください。
2つめは、新宿東急ミラノ座跡地等開発計画についてです。
歌舞伎町の拠点性・文化発信力の更なる充実、強化により「世界のエンターテイメントシティ歌舞伎町」を実現するため、「まちの核となる新たな都市観光拠点の創出」、「まちの回遊性とにぎわいを創出する都市観光インフラの整備」、「環境負荷低減、安全・安心に配慮したまちづくりの推進」を図るものです。
平成31年度に着工、34年度の竣工が予定されています。

次に、新宿住友ビル街区についてです。
既存の新宿住友ビルの機能更新・設備のリニューアルを行うとともに「国際会議場施設」と日本最大級の「全天候型アトリウム広場」を新たに整備するものです。
平成31年7月の竣工が予定されています。

続いて、損害保険ジャパン日本興亜ビル街区についてです。
既存損害保険ジャパン日本興亜本社ビルの公開空地に「アートランドマーク」となる新美術館を整備することで、新しい賑わいの場を創出するものです。
平成32年1月の竣工が予定されています。

いま、ご説明した新たな大規模施設の建設によって、災害時の帰宅困難者の受入れなど、当該エリアの防災機能の強化が図られることになります。

次に、21ページをご覧ください。
新宿駅東口地区についてです。

新宿駅東口地区では、新宿通りを中心として、平成29年12月に地区計画を策定しました。
これにより、新宿通り沿道の建物の壁面の位置を指定し、斜線制限を緩和します。
さらに、新宿通りの賑わいを地区全体に波及させるため、地区全体での斜線制限及び容積率の緩和を検討していきます。

次に、22ページをご覧ください。
『自転車通行空間の整備』についてです。

歩行者、自転車それぞれが安全に安心して通行できるよう自転車通行空間等を計画的に整備するための自転車ネットワーク計画を策定します。
今後は、本計画に基づき、東京都、警察及び隣接区等と連携し、将来的に自転車通行空間が整備される国道・都道を補完・連続させる形で、道路の幅員も配慮しながら区道上に通行空間を整備していきます。
平成30年度は、自転車ネットワーク計画の具現化の第一段として、計画の策定と並行して2路線で整備を行います。

次に、23ページをご覧ください。
『ごみの発生抑制の推進』についてです。

食品ロスの削減に向け、区では、平成30年度から食品ロス削減協力店の登録制度を実施します。
また、区やNPO団体が開催するイベント等では食品ロスの削減につなげるフードドライブ等に取り組んでいきます。

次に、24ページをご覧ください。
『収集作業の運営』についてです。

資源・ごみ集積所における不法投棄や、分別されていないごみの排出は夜間に多いことから、改善が必要な集積所を対象に委託による夜間パトロールを実施します。

2人1組のパトロール員が対象集積所を巡回し、夜間に排出している方へ資源・ごみの排出方法について説明するなどの声かけを行い、集積所の改善を図ります。

また、住宅宿泊施設の事業者に対しては、環境清掃部と健康部が連携して廃棄物の適正な処理方法について、指導を行ってまいります。

次に25ページをご覧ください。
『産業振興関連の施策』についてです。

はじめに『商店街の魅力づくりの推進』です。
区では、平成29年度から『大学との連携による商店街支援』事業を開始し、現在、早稲田大学、工学院大学、東京富士大学、東京理科大学の4大学と連携して、各大学が持つ専門性などを商店街活性化につなげる取り組みを進めています。一例を挙げますと、早稲田大学の取り組みでは、学生が開発したウォークラリーアプリにより、キャンパス周辺の商店街の商店に誘客する「マイショップ発見ツアー事業」を実施し、学生など多くの方に足を運んでいただくとともに、今後は、学生以外の方にも対象を広げ商店の魅力の向上及び商店街の活性化につなげてまいります。

平成30年度は、更に2大学と連携し、大学等が持つ専門性や人的資源を活かしながら、商店街の課題解決ならびに大学等と地域・商店街の連携・交流による新しい魅力の創造を支援していきます。

次に『中小企業新事業創出支援』です。
新製品・新サービス開発支援助成は、全業種を助成対象として中小企業の新規事業の開発費用を一部支援するものです。
新宿ビジネスプランコンテストは、起業予定者等を対象として、事業化に向けた指導を行うとともに、優れたビジネスプランを表彰し、新たな事業創出を奨励します。

こうした事業を複合的に展開し、効果的な新事業創出の支援を行うことで、中小企業の持続的な発展と成長を支えてまいります。

次に26ページをご覧ください。
『中小企業の人材確保支援事業』についてです。

「U(アンダー)29中小企業de働く魅力発見事業」では、区内中小企業と若者のマッチング強化を図るため、平成28年度に開設した若者のしごと探しサイト「U(アンダー)29しごと図鑑」の掲載内容を充実するとともに、就職活動前の段階から区内優良中小企業の魅力をPRできるよう、大学1、2年生を対象とした企業との交流会を開催します。

「生産性向上推進事業」は、人手不足の課題を抱える区内中小企業について、個別コンサルティングや企業合同セミナー等を通じて、業務改革等の取組みを支援することで生産性の向上を図り、従業員の長時間労働の是正や賃金上昇につなげます。

次に、27ページをご覧ください。
『新宿ブランドの創出に向けた取組み』についてです。

映画・音楽、アート、ファッションなど、新宿がもつ多彩な魅力をブラシュアップし、それらを世界に向けて幅広く発信することを通して、新宿のイメージアップと認知度の向上につなげ、新宿ブランドの創造に取り組みます。

まず、「多彩な観光資源を活かした区内回遊の促進」では、新たな観光資源の発掘や文化資源を含めた観光資源の情報検索システム構築に向けた検討などを進め、観光客の区内回遊を誘引できるよう取り組んでまいります。

次に、「魅力ある観光情報の発信」では、これまでのインターネットや情報誌による情報発信に加え、海外情報誌の紙面を確保して、直接外国の方々に新宿の魅力を発信するほか、新宿を訪れた外国人旅行者などの動線分析を行い、効果的な情報発信を強めてまいります。

「しんじゅく逸品の普及」では、しんじゅく逸品マルシェを通じた新宿ならではの商品の紹介・普及・開発支援などを進めます。

最後に、「ブランド創造の関連事業」としては、無料公衆無線LAN新宿フリーWi-Fiや観光案内標識の整備による外国人観光客の受け入れ環境を整備するほか、新宿の魅力を発信する様々なイベントを開催します。

次に、28ページをご覧ください。
『東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組み』についてご紹介いたします。

はじめに、『東京オリンピック・パラリンピックに向けた普及啓発』についてです。
新国立競技場が位置する自治体として、東京2020オリンピック・パラリンピックを、区民の記憶に刻まれ、次世代にその感動が継承される大会とすることを目指し、4つの取組みを実施します。

まず、はじめに、平成29年度に立ち上げた「新宿区東京2020大会区民協議会」の運営についてです。新宿区の持つ伝統、文化や産業、そして多様性を生かし、各関係団体と一丸となって気運の醸成に取り組んでいくため、具体的な普及啓発の取組などについて議論していきます。

次に、東京2020大会の777日前の機を捉え、今年6月に、大会開催に向けた区民の期待感を醸成するイベントを開催します。イベントでは、オリンピアンやパラリンピアンによる講演のほか、新国立競技場で行われる競技種目を中心とした体験ブースを展開します。
さらに、来年3月には、大会500日前を記念としたイベントを開催します。

次に、29ページをお開きください。
『東京オリンピック・パラリンピックに向けたスポーツイベント等』についてです。

「障害者スポーツ体験・指導員養成講座の実施」では、東京2020大会へ向けて、年齢や障害のあるなしに関わらず、誰もが多様なスポーツ活動に親しめる機会の創出を図ってまいります。

さきほどご紹介した大会開催777日前イベント等とあわせて、「障害者スポーツ体験イベント」を実施するとともに、パラリンピック正式競技である「ボッチャ」「ゴールボール」の普及を目指して、「ボッチャ等の障害者スポーツ体験・指導員養成講座」を開催します。

次に、『スポーツレガシー2020(にこにこ)基金』についてです。

スポーツ施設の整備を図り、東京2020大会の開催に向けて、区民のスポーツ参加意欲を促進するとともに、大会後のレガシーとして、「誰もが気軽に身近な施設でスポーツを楽しむ」ことを目的とする施設整備基金を設置します。
基金の積立金には、東京2020大会のメイン会場となる新国立競技場敷地内の区有地貸付収入を活かしていきます。

平成30年度の「新宿スポーツセンターの大規模改修」のほか、東京2020大会のレガシーとして、スポーツ施設機能の強化に基金を活用してまいります。

次に、30ページをご覧ください。
ここからは、第五の基本政策「 好感度1番の区役所 」の中の『行政サービスの向上』についてご紹介します。

はじめに、『コンビニ交付サービスの導入・運用』についてです。
区は、平成30年12月から、マイナンバーカードを利用した「コンビニ交付サービス」を導入します。
キオスク端末が設置されている全国のコンビニエンスストアなどの店舗で「住民票の写し」、「印鑑登録証明書」、「特別区民税・都民税の証明書」を取得することができます。

次に、『クレジットカード納付の導入』についてです。
特別区民税・都民税、軽自動車税、国民健康保険料を対象に、パソコンやスマートフォンから24時間納付手続きが可能となるクレジットカードによる決済手段を平成32年度からの導入を目指し、検討を行います。

次に、『オープンデータ活用のための仕組みづくり』についてです。
現在、区では8分野17業務のデータを、区公式ホームページからダウンロードできるようにしています。
今後も、利用者のニーズに合ったデータを、より利用しやすく公開していくための仕組みを、行政・民間団体・学校など様々な団体等と検討しながら、積極的にオープンデータを公開していきます。

次に、31ページをご覧ください。
開園50周年を迎える『新宿中央公園の開園50周年記念行事』について、ご紹介します。

新宿中央公園は、新宿区立の公園では最大の面積を誇り、様々な方に親しまれており、平成30年4月1日に開園50周年を迎えるのにあわせて、4月22日から5月13日にかけて、「50周年記念イベント」を開催します。

まずは、オープニング・イベントとして、4月22日に、記念式典を行うほか、同日、多目的運動広場では、世界各国の子どもたちが交流するフットサル・ミニ・ワールドカップを開催します。
5月の連休には、水の広場でアフリカにルーツを持つ国々の踊り・音楽・食と触れ合える国際的な文化交流イベントを開催します。
また、5月7日から13日まで、区民ギャラリーにおいて、公園の50年間の足跡を振り返る写真展を開催します。

新宿中央公園は、昨年9月に策定した「魅力向上推進プラン」に基づき、誰もが「憩い」と「賑わい」を体感できる公園を目指し、民間活力も導入しながら、さらなる魅力と新たな価値の創造に取り組んでいきます。

以上、平成30年度予算における主な30の事業を紹介しました。
なお、「平成30年度予算(案)の概要」には、予算編成の考え方や基本構想の実現に向けた取組みなど、平成30年度予算案を詳しくまとめてありますので、後ほどご覧いただければと思います。

私からは以上です。記者の皆さんには今後とも区政にご理解・ご支援をいただきますよう、よろしくお願いいたします。
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