区長の部屋メニュー

平成29年 部課所長会・区長年頭の挨拶(要旨)

最終更新日:2017年1月4日

【注】本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。

 明けましておめでとうございます。
 職員の皆さんには、気持ちも新たにすがすがしい新年を迎えられたことと思います。今年も、皆さんと一緒に新宿のまちの課題に果敢に挑戦し、区政の発展に全力を尽くしてまいりますので、よろしくお願いいたします。

 さて、今年は十二支の酉年にあたります。「酉」は、「とりこむ」ということから、商売に縁起のよい年になると言われています。景気の動向には不透明感がありますが、区内の賑わいが増していくよう、職員の皆さんとともに取り組んでいきたいと考えています。

 昨年を振り返りますと、5月のアメリカ、オバマ大統領の被爆地・広島訪問では、核兵器のない世界に向けての力強いメッセージが発せられました。私も8月の長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典に出席させていただきましたが、戦後71年を迎え、あらためて平和の尊さや命の大切さを次の世代に引き継いでいかなくてはならないと、決意を新たにいたしました。

 また、リオデジャネイロオリンピック・パラリンピックでは、新宿区出身の三井梨紗子さんが、シンクロナイズドスイミングで2つの銅メダルを獲得されました。当日は、落合第一地域センターに多くの区民の皆さんが集まって、パブリックビューイングを開催し、私も、三井さん達日本代表の演技を固唾を呑んで見守りました。ハードな練習を乗り越え、夢を実現した三井さんの活躍は、きっと新宿の子供たちの記憶に残り、希望となったと思います。区は、「スポーツ栄誉賞」を創設し、三井さんに授与させていただきました。

 一方、4月には熊本で、また、10月には鳥取県中部で地震が発生し、大きな被害をもたらしました。自然災害の脅威を実感し、改めて災害への備えの重要性を意識した出来事でした。
東京においても首都直下地震は、いつ起きてもおかしくない状況です。区としても、災害が発生した時に備え、区役所の機能を維持するための事業継続計画(BCP)の改定や災害対策本部を立ち上げ、地域の被害状況の確認や災害情報の収集伝達、被災者への対応などの一連の動きを確認するための初動対応訓練を実施するなど、全庁を挙げて災害対応力を高めてまいりたいと思います。
 職員のみなさんは、区民の生命、財産を守ることが第一であることを改めて自覚し、責任をもって取り組んでください。

 さて、我が国の景気動向を見ると、緩やかな回復基調が続き、先行きについても、雇用・所得環境の改善傾向が続いています。しかし、アメリカ大統領の交代、イギリスのEU離脱問題や中国経済の減速など、不安定要素も多く、引き続き海外経済の不確実性の高まりや金融資本市場の変動の影響についても、十分留意する必要があります。
 さらに、法人住民税の一部国税化や企業版ふるさと納税の創設、消費税率引き上げの再延期の影響が危惧されるなど、区政を取巻く社会経済情勢は、決して楽観視できるものではなく、今後もさらに慎重に見極めていくことが必要です。

 新宿区は、地域ごとに様々な顔をもち、歴史と伝統と先進性をあわせもった魅力あるまちです。また、地域の皆さまが、自分たちのまちに誇りと愛着を持ち、自分たちのまちを良くしようと活動する強い絆が、新宿区の大きな財産でもあります。
 
 こうした強みを原動力に、来月、基本構想審議会から答申をいただき本年12月に策定する新たな総合計画では、「暮らしやすさ1番の新宿」、「新宿の高度防災都市化と安全安心の強化」、「賑わい都市・新宿の創造」を柱としながら、これを下支えする「健全な区財政の確立」と「好感度1番の区役所」を推し進め、「『新宿力』で創造する、やすらぎとにぎわいのまち」の実現に向け、職員の皆さんとともに庁内一丸となって取り組んでいきたいと考えています。区民が直面する現状や課題を、職員一人ひとりが的確に把握したうえで、計画策定にあたってください。
 
 さて、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会まであと3年となりました。
新宿区は、メインスタジアムを地元に持つ自治体です。区民や他の自治体の皆さんも、新宿区がどのようにオリンピック・パラリンピックに取組んでいくのかを注目しています。担当部を中心に、全庁をあげて、様々な工夫を凝らし、区民の記憶に残る大会となるよう、最大限の努力をしてまいりましょう。

 そして今年は、新宿区で働くすべての職員が持てる力を存分に発揮できるよう、キャリア育成を支援するとともに、余暇、育児、介護などの家庭生活を応援します。私は、自らも職員の先頭に立って仕事と家庭を両立する「スマートワーキング・リーダー」であることを、ここに宣言し、働き方改革を浸透させていきたいと思います。職員のみなさんも、この趣旨を理解していただき、ワークライフバランスを、改めて考えるきっかけとしていただければと思います。
 最後になりますが、今年は区長に就任し、3年目となります。初心を忘れずに、現場に赴き、現実に向き合いながら、地域課題に皆さんとともに取り組んでいきたいと考えています。「慣れ」による調査不足で、「一知半解」とならぬよう、物事の本質を捉えられるように、情報を慎重に吟味し、区政運営にあたっていきたいと考えています。私にとって、職員の皆さんからの情報は目であり、耳でもあります。区民の皆様が、住み慣れたまちで住み続けられるよう、未来を担う子供たちが健やかに成長できるよう、そして誰もが生き生きと暮らし続けることができるよう、共に力を尽くしてまいりましょう。
  
 この一年が職員のみなさんにとって、幸多き年となりますことを願って、私のあいさつといたします。

本ページに関するお問い合わせ