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定例記者会見(平成28年第3回区議会定例会)区長説明要旨

最終更新日:2016年9月8日

この発言要旨は、平成28年9月8日(木曜)13時30分から行われた、地方紙記者との記者会見における区長説明の要旨を掲載しているものです。当日配布資料もダウンロードできます。
【注】本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。
皆さまにはお忙しい中をご出席いただき、ありがとうございます。
本日は、最近の区政の動きについてご説明するとともに、今月15日から10月13日までの29日間の日程により開かれます、「平成28年第3回区議会定例会」の議案等についてご説明申し上げ、区政への一層のご理解を賜りたく、お集まりいただきました。
 
はじめに、最近の区政の話題について、ご説明します。
お手元に資料を用意しましたので、ご覧ください。


1  路上等の障害物による通行の障害の防止に関する取組み
一点目は、『路上等の障害物による通行の障害の防止に関する取組み』についてです。
お手元の『参考資料1』をご覧ください。
 
新宿駅周辺や歌舞伎町などの繁華街での、路上に置かれた看板、商品陳列台などは、通行に障害を及ぼすため問題となっています。本年4月には、道路法の改正が行われ、車両からの落下物などの道路に放置された物件に加え、違法に設置された看板等の物件についても、設置者等が不在の場合には、道路管理者が即時に除却できるなど、不法占用物件対策が強化されました。 
しかし、道路上に設置された違法看板等は、設置者が現場にいる場合が多いため、道路管理者による除却ができず、指導により片付けられた違法看板等が再び設置されるという、指導と片付けが繰り返されている状況が続いています。 

区では、これまでも、路上等障害物については、関係法令に基づき、警察署をはじめ国・都など関係機関と連携し、是正指導に努めてきました。こうしたこれまでの不法占用物件対策の区の取り組みの実績を踏まえ、より効果的な是正指導体制を構築し、道路上の安全確保、利便性の向上を図るため、区独自に「新宿区路上等障害物による通行の障害の防止に関する条例」を制定するものです。路上障害物に特化した条例としては、23区初めての条例です。 
条例では、区民や事業者の責務として、「路上等障害物を設置し、または放置してはならない」と明確化しました。また、区は、路上等障害物を発見した時、これらの路上等障害物の設置者に対して指導・勧告を行うとともに、区が除去することについての同意を求めます。さらに、指導・勧告にも関わらず路上等障害物が繰り返し設置され、除去されていない状態にあると認められる場合には、区がこれらの路上等障害物を除去し一時保管することができるようになります。
 
条例の施行は12月1日を予定しています。条例制定後は、警察署や道路管理者などと協力し、それぞれの役割分担を明確にする協定の締結を行っていきます。また、区内全域への周知を行い、地域の皆さんや警察署、関係機関と協力しながら、路上等障害物による通行の障害の防止へ取り組んでいきます。


2 新宿通りモール化の社会実験
次に、お手元の『参考資料2』をご覧ください。『新宿通りモール化の社会実験』についてです。
日本を代表する商業集積地である新宿駅東口地区において、より歩きやすく魅力的な歩行者空間の創出に向けた社会実験を実施します。歩いて楽しい回遊性のあるまちづくりの実現に向けては、周辺道路への影響や地区内の荷さばき車両への対応などの課題があります。 こうした課題を解決していくために、地元商店街・学識経験者・警察・国・東京都及び新宿区で構成される「新宿駅東口地区歩行者環境改善協議会」が主体となり、関係者が連携して社会実験に取り組みます。
なお、今年度の社会実験は、国土交通省の社会実験助成制度を活用して実施いたします。

社会実験の目的は、歩行者環境の改善のために、地域荷さばき車両の集約化を行い、対象地区内に流入する車両の抑制と路上駐車の削減を図ります。今回の取組みにより、1日の路上駐車台数を約60台削減することを目指します。実験の実施日ですが、本年11月8日火曜日と9日水曜日の2日間を予定しています。 
実験の内容については、大きく2つに分類されます。
1つ目は「荷さばき集約化実験」です。これは、地区内への車両流入を抑制するため、まず地区外の荷さばき場で荷物を集約してから地区内の荷さばき場へ配送します。そこから台車を用いて人力で配送する仕組みを実験するものです。今回の実験では、小口の輸送トラックだけでなく、大手の宅配便トラックについても集約化を図っていきたいと考えています。
2つ目は「駐車場所・駐車時間の適正化実験」です。これは、ある一定の区間において、違法な路上駐車をしている車両に対して誘導員が移動を促す声掛けを行います。また、パーキングメータに止めている車で、時間超過している車両には移動を促す声掛けを行います。このことで、これまで駐車車両によって占拠されていた場所が道路空間として創出されます。
 
この2つの取組みを同時に行うことで、地区内の路上駐車の削減を図ってまいります。このような取組みを通じて、新宿駅東口地区内の道路を歩きやすく魅力的な歩行者空間とすることで、新宿通りのモール化につなげ、新宿のブランド力を高めていきます。
 

3 介護従事者負担軽減事業助成
次に、お手元の『参考資料3』をご覧ください。『介護従事者負担軽減事業助成』についてです。
政府は、「介護離職ゼロ」の実現に向けた緊急対策を27年末に打ち出しました。この緊急対策の中には、「介護ロボットの活用促進」も位置づけられており「介護ロボット等導入支援特別事業」として、国の平成27年度補正予算で52億円が手当され、各区市町村に積極的な活用が要請されました。これを受けて新宿区では、介護支援機器の購入を決定した区内6法人に対し、国庫補助金を活用し、1法人につき上限92万7,000円の補助金を交付することとしました。

今回、助成対象となる介護支援機器は、「移乗支援機器」と「見守り支援機器」です。移乗支援機器は、移乗介護の際の腰部への負担軽減や疲労感の減少につながります。見守り支援機器は、ナースステーション等から要介護者の状態を把握し、効果的な駆けつけを行うことで介護従事者の負担軽減につながります。
この助成により介護支援機器を導入した事業者に対しては、「介護時間の短縮」「身体・精神的負担の軽減」「業務の省力化」「介護従事者の満足度」の4つの項目を測定し、介護支援機器を導入したことで得られた改善効果を調査し、この調査結果を基に、今後の介護支援機器のあり方について検討していきます。
 

4  待機児童の解消と保育士の確保・保育の質の向上に向けた取組み
次に、お手元の『参考資料4』をご覧ください。『待機児童の解消と保育士の確保・保育の質の向上に向けた取組み』についてです。
はじめに、「空き保育室を活用した待機児童解消緊急対策」についてです。区では、今年4月の待機児童数が58名と、昨年4月に 比べて110名の減となりましたが、更なる待機児童解消を目指して、今年10月から新たな取り組みを実施いたします
具体的には、新規に開設した保育園で、4歳児及び5歳児の入所児童数が少なく、定員やスペースに空きが生じている保育室を活用し、新しい方式の定期利用保育を試行的に実施するものです。実施園は3園です。本年10月から区立早稲田南町保育園分園と私立ぽけっとランド市ヶ谷保育園で実施し、来年1月から、私立太陽の子 新小川町保育園で実施します。
受け入れ対象となる児童の要件は資料に記載のとおりですが、現に待機児童となっている満1歳から2歳児を受け入れるものです。
 利用料金は認可保育所の保育料に準じた料金設定とします。また、週の利用日数が少ない場合には、利用日数に応じて低額な利用料を設定します。
 
次に、『保育所等業務効率化推進事業の実施』についてです。
現在、新宿区が喫緊の課題として取組んでいる待機児童の解消をより確実なものとするためには、定員の拡大とともに保育士の確保及び保育の質の向上が不可欠です。
区は、保育士の確保のために、平成27年度から給与・賞与等の改善として保育士等キャリアアップ補助事業を実施し、保育士の増員については、保育従事職員宿舎借り上げ支援事業及び保育士就職相談会を実施し、対応してきました。
 今回、新たに、保育士の業務負担軽減を図るため、国が平成27年度補正予算で計上した「保育所等における業務効率化推進事業」を活用し、「保育業務支援システム」を導入する事業者に対して補助を行い、保育士が継続的に勤務できる環境整備をさらに推進してまいります。
 
また、保育の質の向上を図るため、園における事故の発生防止の取組みとして、ビデオカメラを導入する事業者に対して補助を行います。区立保育園・子ども園においても一部の園に導入し、その効果を検証してまいります。
 
今後も、待機児童の解消に向け、定員の拡大とともに、保育士の確保・保育の質の向上に向けた取組みを行い「安心できる子育て環境の整備」を推進してまいります。
 

5  秋の文化・芸術イベント
次に、『秋の文化・芸術イベント』についてです。
お手元の『参考資料5-1』をご覧ください。 
はじめに、『新宿フィールドミュージアム2016』についてです。新宿のまちでは、音楽、美術、舞踊、演劇、映画、伝統芸能等様々な分野で、魅力的なイベントが活発に開催されており、こうした文化芸術活動を更に活性化していくため、10月と11月の2か月間を、「来て・見て・楽しい 新宿フィールドミュージアム 文化月間」として、新宿の文化的な魅力を集中的・連続的に発信していきます。
アートディレクターの榎本了壱(えのもと りょういち)さんをコーディネーターに迎えて、『しんじゅく くくくリンクするアート&カルチャー』を今年のテーマとしました。
この『しんじゅく くくく』には、「新宿の文化が膨らんでいくイメージ」、「くくくと笑う・微笑む」、「くくくって何?」、「見た人、聞いた人を惹きつける」などの意味を込めています。

オープニングイベントでは、住友不動産新宿グランドタワにて、河口洋一郎さんが日本舞踊のコンピューターグラフィックを披露するとともに、240を超える、新宿フィールドミュージアムの各プログラムのPRを行います。
また、フィールドミュージアムイベントに参加して、抽選で区内の名産品をもらえる「スタンプラリー」を行います。
期間中には、神楽坂通りそのものがキャンパスになる「坂にお絵かき」や、国内最大級のおもちゃの祭典「東京おもちゃまつり 2016」など、区内の全域で、多彩なイベントが開催されます。
 「来て・見て・楽しい 新宿フィールドミュージアム 2016」で、新宿の文化の秋を存分にお楽しみください。
 
次に、『大新宿区まつり』についてです。
お手元の『参考資料5-2』をご覧ください。
「第37回大新宿区まつり」は、「ふれあいフェスタ2016」と「新宿芸術天国2016」の2つのメインイベントと、区内各地の地域まつりなど約30の協賛イベントを合わせて、10月1日から31日まで開催されます。
昨年は6万人もの来場者で賑わった、区民まつり「ふれあいフェスタ2016」は、10月16日に、都立戸山公園大久保地区で開催します。
区内の様々な団体による、ブース出展やステージ、模擬店や物販、友好都市・伊那市をはじめ地方の特産品販売、ミニSLなど、子どもから大人まで、一日楽しめるお祭りです。
 
また、「新宿芸術天国2016」は、10月22日に開催されます。
東京国際映画祭の関連イベント「シネマズ ナイト アウト in 新宿」や、「新宿ファッションステージ」、「ステージイベント」に加え、今年は新たに、「新宿街バルウィーク」と「ストリートラグビー」を行います。
「新宿街バルウィーク」は 新宿三丁目や思い出横丁など、新宿で人気の商店街で街バルを開催し、新宿ならではの名店で、美味しいお酒や料理を堪能していただけます。
「ストリートラグビーin歌舞伎町」は、新宿のまちなかで、誰でも参加できるストリートラグビーを開催し、2019ラグビーワールドカップ、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を迎える機運を高めてまいります。
 
そのほか、たくさんの協賛イベントが、区内各地で繰り広げられます。詳細は、別紙「大新宿区まつり 協賛イベント一覧」をご覧ください。
 
次に、『新宿クリエイターズ・フェスタ2016』についてです。
お手元の『参考資料5-3』をご覧ください。
新宿クリエイターズ・フェスタは、多様な文化・芸術を発信し続けてきた新宿の遺伝子を活かし、このまちに新たな賑わいと活力を創出する夏の一大アートイベントです。
すでに8月から開催中の本イベントですが、9月以降、さらに魅力的なコンテンツを展開します。
世界的CGアーティストの河口洋一郎さん、現代美術家の椿昇さんによる巨大バルーンアートの展示や、蟹江杏さんの新作ドローイングの展示、建築家のエマニュエル・ムホーさんによる公共空間を活用した作品の展開、さらに今年はお笑い芸人でイラストレーターの「鉄拳」さんのイラスト原画展を行います。
 
また、10月は、このフェスタのラストを飾る大型イベントとして、新企画「スチーム パーク」を開催します。
昨年までの学生アートイベント内容を一新し、海外でも人気の、蒸気機関が発展した世界を表現する「スチームパンク」をコンセプトに、様々なアーティストが制作した作品を展示します。今年リニューアルした歌舞伎町シネシティ広場を会場に、10月8日から10日の3日間、若手アーティストや学生の個性あふれる作品を展示し、新宿のまちを訪れる外国人観光客の方にも楽しんでいただきたいと考えています。
今年の新企画、パブリックアートの恒久設置につきましては、現在3名のアーティストに作品案を制作していただいています。
西新宿高層ビルの足下に広がる公開空地を候補地として、まちの新たなシンボルとなるアート作品の創出を目指し、現在作業を進めています。
 

6  平成27年度決算概要について
それでは、続いて今議会に提案する議案等の主なものについてご説明します。
まず、はじめに認定第1号から第4号までの、平成27年度決算の概要についてご説明します。
お手元の『定例記者会見資料』をご覧ください。1ページに認定第1号から第4号までの各会計決算状況を、また2ページから6ページまでに主要施策の成果の概要を記載していますが、ここでは平成27年度決算の総括的なことをご説明いたします。
 
一般会計の決算規模は、前年度と比べて、歳入総額が3.3%増の1,437億945万5千円、歳出総額が、3.2%増の1,393億9,174万7千円となり、実質収支は、42億4,483万円の黒字、財政調整基金の積立や取崩等を控除した実質単年度収支は、26億8,428万9千円となり、3年連続して黒字となりました。
また、財政の弾力性を示す経常収支比率については81.7%となり、前年度と比べますと2.2ポイントの改善となりましたが、依然として、適正水準を超えています。
区財政を取り巻く環境は、海外経済の減速や金融資本市場の変動による下振れリスクや、景気の牽引役である個人消費や設備投資などの判断についても据え置かれており、我が国の経済は、先行き不透明な状況から抜け出せていません。
さらに、法人住民税の一部国税化に加え、消費税率引上げの再延期や企業版ふるさと納税の創設などが、地方財政に大きな影響を与えることが危惧されます。
 
また、歳出面では、子育て世代、高齢者や生活困窮者などへの支援、高度防災都市化に向けた災害に強いまちづくり、更新時期を迎える区有施設への対応、さらには4年後の東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催など、今後も財政需要の増加が見込まれます。
区財政を取り巻く環境が先行き不透明な中、直面する様々な課題に、的確に対応するとともに、将来をしっかりと見据え、安定した財政基盤を確立しなければならないと考えています。
 

7  補正予算概要について
最後に、平成28年度9月補正予算の概要について説明いたします。
定例記者会見資料の8ページから17ページまでに、各会計の補正予算の概要を記載していますのでご覧ください。
補正予算の総額は、29億2,761万7千円です。 
主な経費としては、先ほどご説明しました、介護従事者負担軽減事業助成、保育所等業務効率化推進事業に要するもののほか、財政調整基金積立金などを計上しています。 
今定例会では、これらを含めた、補正予算案5件、決算認定関係4件、条例案等9件の議案を提出しています。
 
以上で、私からの説明を終わります
今後とも、区政へのご理解、ご支援をいただきますよう、よろしくお願いいたします。

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