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職員へ向けてのメッセージ

最終更新日:2014年11月25日

 みなさん、おはようございます。区長就任にあたり、ひと言申し上げます。

 私は、去る11月9日の区長選挙におきまして、区民の皆様の御支持をいただき、向こう4年間、新宿区政を担うことになりました。
 私は、前区政を「継承」し、新宿区をさらに「発展」させるため、基本構想に定める、「『新宿力』で創造する、やすらぎとにぎわいのまち」の実現に向けて、全力を尽くして区政に取り組み、職員のみなさんとともに、新しい新宿を創っていきたいと思います。本日は、私の区政に対する2つの基本姿勢と、5つの基本政策をお話しし、職員のみなさんと共有したいと思います。

 基本姿勢の一点目は、現場・現実を重視した柔軟かつ総合性の高い区政運営です。私は、日頃から、地域の声に耳を傾け、区民の皆様との信頼関係を築いていくことが、区政を運営していく上で大切であると考えています。このため、区民生活の現場で起きている現実を真摯に受け止め、地域課題への的確な対応や、業務の改善、行政サービスのあり方の見直し等について、柔軟かつ速やかに判断し、実行していきます。また、総合的な情報やデータの活用、行政評価に基づくPDCAサイクルをより一層推進し、区政を効果的・効率的に運営していきます。

 二点目は、将来を見据え、政策の優先順位を明確にした区政の実現です。新宿区は、暮らし、働き、学び、集うまちとして都市機能のバランスがよいまちです。こうした強みをさらに生かし、「都市間競争」に打ち勝つため、政策の優先順位を明確にして期限を定めた政策実行計画を打ち出していくことが必要です。まず、現在の総合計画の総仕上げとして、平成28年度から29年度の2年間を期間とする第三次実行計画を策定します。また、今後のまちづくりの道筋を明らかにするため、平成30年度から始まる新たな総合計画と、それを具体化する実行計画を策定していきます。次に5つの基本政策についてです。

 基本政策の第一は、「暮らしやすさ1番の新宿」です。私は、区民のみなさんが心豊かに暮らすことができるよう、一人ひとりが尊重され、それぞれの役割を担いながら、自分らしく生きることができる地域社会の実現を目指します。このため、高齢者施策については、生涯にわたり心身ともに健康で暮らせる健康寿命を延ばす健康づくりに取り組むとともに、誰もが住み慣れた場所で、最期まで自分らしい生活を送ることができるよう、地域包括ケアシステムの実現に向けて、地域の活力を活かして高齢者を支えるしくみづくりと、多様な主体によるサービス基盤の整備に取組みます。また、今後、増加が見込まれる認知症の早期発見や早期診断、相談・支援体制の充実を図ります。
 子育て支援については、着実に待機児童の解消を進めるとともに、多様化する保育ニーズに対する幅の広い保育サービスの充実を図ります。また、在宅子育て家庭の支援、幼児教育の無償化への取組みや、子どもが安心できる居場所づくり、子育て支援のネットワークづくりのほか、女性や若者が活躍できる地域づくりを進めます。 学校教育の充実としては、新地方教育行政制度の下、教育行政に主体的に取り組み、子どもたちの豊かな心と健やかな体づくりを推進します。また、いじめや不登校等の防止、特別支援教育の推進など、子ども一人ひとりにきめ細かく丁寧に向き合います。
 障害者施策については、障害者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるように、日常生活を支える支援の充実を図るとともに、地域で生活するための基盤整備を進めます。また、保健、医療、福祉、教育等の連携強化、多様な就労ニーズに対する支援、ユニバーサルデザインを基本としたまちづくりの促進などにより、障害者がいきいきと暮らし続けられる環境を整備します。

 基本政策の第二は、「新宿の高度防災都市化と安全安心の強化」です。首都直下地震に備え、災害に強い高度な防災機能を備えた高度防災都市づくりを行うことが喫緊の課題です。このため、木造住宅密集地域解消や、特定緊急輸送道路の沿道建築物の耐震診断の100%実施、道路の無電柱化等を進めるとともに、分譲マンションの耐震化の促進など、災害に強いまちづくりにスピード感を持って取り組み、新宿の高度防災都市化の早期実現を図ります。
 また、災害時の安全を確保するため、高齢者や障害者など災害時要援護者の安全確保に向けた家具転倒防止対策の支援強化、女性や災害時要援護者の視点を取り入れた避難所運営体制を確立します。近年多発する大規模な台風や突発的な集中豪雨に対しては日ごろからの備えや啓発に取り組んでいきます。さらに、災害時の初動体制を強化するため、重層的な連絡体制を構築します。
 また、日常生活の安全・安心を高め暮らしやすい、安全で安心なまちを実現します。感染症などの新たなリスクに対しては、国、都、医療機関等と連携を密にし、万全の体制で対応します。

 基本政策の第三は、「賑わい都市・新宿の創造」です。新宿区の多様性に富んだ都市機能や都市環境を活かし、持続的に発展する新宿の未来を創るため、都市マスタープランに相当する「めざす都市の骨格」や「まちづくり方針」等を見直し、平成30年度からはじまる新たな総合計画に位置付けます。新宿駅周辺地域は、新宿のイメージを代表する重要なエリアであり、歌舞伎町では、コマ劇場跡地に都内最大級のシネコンや商業施設の建設が進められ、エンターテイメントシティとしても期待されています。このため、新宿駅東西自由通路の整備をはじめ新宿駅周辺の利便性を向上させ、回遊性が高く、より魅力的で歩いて楽しいまちづくりを進めます。
 一方、快適な都市空間づくりに向けた屋外広告物ガイドラインの策定、地域特性を生かした広告物のルールづくりなどを行います。また、 区道のバリアフリー化、自転車走行レーンの設置、放置自転車対策や受動喫煙防止対策など、新宿区に住む人も訪れる人も、気持ちよく楽しめるまちづくりや、街路灯のLED化の推進など、環境にやさしいまちづくりを進めます。新宿のまちは、時代の世相を反映させた多様な文化を育み、歴史や伝統が息づく街並みに加え、文化・芸術はまちの重要な要素となっています。このため、「漱石山房」記念館の整備やイベント、多彩な活動や交流など、まちの記憶や新宿区が誇る文化や芸術を発信していきます。また、新宿クリエイターズ・フェスタなどを拡充し、新宿区の多様な魅力を発掘・創造・発信していきます。こうした取組みを発信するため、一般社団法人新宿観光振興協会を中心に観光情報の発信や新宿ブランドの創出、観光イベントなどを開催し、さらなる賑わいづくりに取り組みます。
 また、魅力ある商店街の活性化として、商店会が実施するイベント、施設整備事業への助成や、空き店舗等を有効活用した賑わいを創出するための融資を積極的に推進するとともに、商店街灯のLED化の推進への支援など、環境にも配慮した商店街づくりを進めます。そして、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催という好機を捉え、文化・観光、都市基盤整備、ユニバーサルデザインなどの施策を総合的に推進し、国際観光都市・新宿としてのブランド力の向上を図ります。

 基本政策の第四は、健全な区財政の確立です。健全な区財政を維持し、将来にわたって安定した行政サービスを提供するため、実行計画の策定に合わせ、中期財政見通しを作成し、毎年度更新するとともに、決算実績や行政評価を踏まえ、事業見直しの徹底と施策の重点化を図ります。また、新公会計システムを活用し、区民に対するわかりやすい財政情報の公開と、職員一人ひとりのコスト意識を高めて資産管理や予算編成、行政評価等に有効活用することで、区政運営のマネジメントを強化します。区有施設については、公共施設等総合管理計画を策定して施設のあり方や役割を見直し、統廃合や集約化、多機能化、民間施設の活用、施設更新時の民間資金の活用の検討などを計画的に進め、効果的かつ効率的な公共施設のマネジメントに取り組みます。

 基本政策の第五は、好感度1番の区役所です。住民にとって最も身近な行政サービスである窓口の好感度を高めることは、区民視点で、事務事業や組織体制等を改善していく出発点です。区民の立場で考え、正確かつ公平な、丁寧な応対で、区民の信頼に応え、区民の相談に対しては、適切な窓口対応で速やかに解決することが必要です。
 また、情報の共有化を図るため、ツイッターやフェイスブックなどのソーシャルメディアの活用をはじめ、コミュニケーションツールの研究など多様な手段を活用していきます。現在、地方分権の取り組みは、「個性を活かし自立した地方」をつくる新たなステージへと移行しています。こうした動きをとらえ、区民とともに考え、地域の実情にあった区政運営を進めていくことが、より効果的な施策や行政サービスの提供へとつながっていきます。このため、現場・現実に向き合い、町会・自治会、NPOをはじめ区民との連携・協働による地域課題の解決に取り組んでいきます。好感度1番の区役所の実現は、職員のみなさんの力にかかっています。職員の能力を高めていくことは、管理職の皆さんに課せられた大きな役割です。職員一人ひとりがそれぞれの強みを活かして力を発揮できる人材育成と活力ある職場づくりに努めてください。

 最後に、大切なことは、平和であることです。平和な社会を新宿のまちから作り出していくためには、顔の見える関係づくりが必要です。私は、「新宿区平和都市宣言」の精神を実践している従来の区政を継承していきます。新宿区は、国内外の多様な人々が住み、働き、学び、集う、懐の深いまちです。人々が互いの多様性を認め、理解し合い、ルールを守り、相手を思いやることのできる社会の一員として共に生きていくことが、平和な社会の礎となるものです。このため、多くの人々が共生する社会の実現と平和な社会づくりに向けた取組みを一層推進していきます。新宿のまちは、歴史と伝統を持った上で、常に新たな価値を生み出す、先進性や創造性に富んだまちです。こうした新宿区の強みをまちの持続的な成長を支える大きな原動力として、3,000人の職員のみなさんとともに活力あるまちづくりに心血を注ぎ、「新宿力」で創造するやすらぎとにぎわいのまちを築いていきましょう。

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