第3回 蝙蝠(コウモリ)の文様

最終更新日:2014年12月25日

クイズ こうもりはどこに!?

 こちらの磁器の文様には蝙蝠(コウモリ)が描かれています。どの文様が蝙蝠か見つけてみてください。 答えはこのページの最後にあります。
市谷加賀町一丁目遺跡1次調査出土の磁器

吉祥の動物

 江戸時代後半(18~19世紀代)のやきもの(陶磁器類)には、蝙蝠が文様として描かれたものが見られます。新宿区内の江戸遺跡からも多く見つかっていますが、なぜ蝙蝠が描かれたのでしょうか?
 元々、蝙蝠の文様は中国のやきものに多く描かれていたために、日本でも描かれるようになったと考えられています。蝙蝠はどちらかといえば薄気味悪い、暗いイメージをもたれることもありますが、中国では伝統的にめでたい吉祥の動物とされています。これは、中国語の「福」と蝙蝠の「蝠」が同じ発音(Fu)であることに由来すると言い伝えられており、五匹の蝙蝠は、人としての五つの幸福、五福(長寿・富貴・康寧・好徳・善終)を表現したものかもしれません。
 実際に、四谷三丁目遺跡(1次調査)では五匹の蝙蝠が描かれた中国産の磁器(18世紀代)が出土しています。
吉祥の動物画像四谷三丁目遺跡1次調査出土の中国系磁器と見込の拡大(五匹の蝙蝠が描かれている)

漢字との組み合わせ

 新宿区内の江戸遺跡から出土している蝙蝠文様は、二匹一組で描かれているものが多いですが、「寿」文様や「福」文様とセットになっている事例も多くみられます。 たとえば、四谷一丁目南遺跡(1次調査)の蝙蝠文様は「寿」文様とセットになっています。  
漢字との組み合わせ画像[1]荒木町遺跡2次調査出土の肥前系磁器(「寿」文様) [2]四谷一丁目南遺跡1次調査出土の肥前系磁器(「寿」文様) [3]払方町遺跡1次調査出土の瀬戸・美濃系磁器 [4][3]の外面(「福」文様)

~クイズ こうもりはどこに!?のこたえ~

~クイズ こうもりはどこに!?のこたえ~画像写真左上の赤い丸で示したところに蝙蝠が描かれています。

本ページに関するご意見をお聞かせください

本ページに関するアンケート
本ページの情報は役に立ちましたか?以下の選択肢であてはまるものにチェックを入れてください。
本ページは見つけやすかったですか?以下の選択肢であてはまるものにチェックを入れてください。

区政についてのご意見・ご質問は、ご意見フォームへ。