感染性胃腸炎(ノロウイルス)について

最終更新日:2017年1月25日

冬季に流行する感染性胃腸炎(ノロウイルス)について

感染性胃腸炎というのは単一の疾患を意味するものではなく、ウイルス性のもの、細菌性のもの、寄生虫によるもの等、感染による胃腸炎を広く包含する症候群です。
なかでも11月から3月までの冬季に流行する感染性胃腸炎のほとんどはウイルス性であり、その多くはノロウイルスによるもの、次いでロタウイルスによるものと考えられています。
ノロウイルスの場合、ヒトからヒトへの感染によって乳幼児を中心に毎年冬季に流行(いわゆる、“お腹にくる冬の風邪”とされることが多い)が見られる一方、特に冬季に多い食品を介したウイルス性食中毒の原因ウイルスとしても知られています。抵抗力の弱い乳児や高齢者等が感染すると重症化する恐れがあり、注意が大切です。
では、具体的にノロウイルス感染症についてお話してみましょう。

1.「ノロウイルス」とは?

1960年代には、発見された土地の名前を冠してノーウォークウイルスと呼ばれていましたが、1970年代に入り「小型球形ウイルス」と呼称されるようになりました。その後、2002年8月に国際ウイルス学会にて正式に「ノロウイルス」と命名され今日に至っています。
ノロウイルスは、表面をカップ状の窪みを持つ構造蛋白で覆われ、内部にプラス1本鎖RNAを遺伝子として持っています。ノロウイルスには多くの遺伝子型があること、また、培養した細胞でウイルスを増やすことができないことから、ウイルスを分離して特定することが困難です。特に食品中に含まれるウイルスを検出することが難しく、食中毒の原因究明や感染経路の特定を難しいものとしています。

2.ノロウイルスはどのように感染するのか?

このウイルスの感染経路はほとんどが経口感染で、次のような感染様式があると考えられています。
(1)ノロウイルスに汚染された貝類(カキ等の二枚貝が有名です。)を、生あるいは十分に加熱調理しないで食べた場合
(2)食品取扱者(食品の製造等に従事する者、飲食店における調理従事者、家庭で調理を行なう者等が含まれます。)が感染しており、その者を介して汚染した食品を食べた場合
(3)患者のふん便や吐ぶつから二次感染した場合
また、家庭や共同生活施設などヒト同士の接触する機会が多いところで、ヒトからヒトへ直接感染することもあるといわれています。 

3.感染するとどんな症状がでるのか?

潜伏期間(感染してから症状が出るまでの時間)は24~48時間で、主な症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛で、発熱は軽度です。通常、これらの症状が1~2日続いた後、治り、後遺症もありません
ノロウイルスは下痢等の症状が改善した後も、1週間程度(中には1ヵ月程度)ふん便中に排泄され続けるといわれています。
また、感染しても症状が出ない場合や軽い風邪のような症状の場合もあります。この場合でも、ウイルスを排出していることが有ると言われています。

4.症状が出た場合の治療方法は?

ノロウイルスの増殖を抑える薬剤はありません。このため、対症療法(出ている症状に対して治療する。)だけとなります。嘔吐や下痢がひどいと、脱水状態になりやすいので水分補給が大切で、場合によっては輸液が行われます。下痢止めは使いません。

5.診断するためにどんな検査がされるのか?

ノロウイルスによる病気かどうかは症状からだけでは特定できません。
診断するには、ウイルス学的検査が必要となります。通常、患者のふん便や吐ぶつを用いて、電
子顕微鏡でウイルスを確認する方法やRT-PCR法などでウイルスの遺伝子の検出を行い、診断し
ます。
ふん便には通常大量のウイルスが排泄されるので、比較的容易にウイルスは検出することができ
ます。吐物中にも多く含まれています。

6.感染を予防するにはどのようにしたらよいか?

食品を介した感染を防ぐには、ウイルスで汚染された食品、特に貝類の調理は加熱を十分に行う ことが効果的です。
食品中のウイルスは、食品中の中心温度85℃から90℃で90秒以上の加熱を行えば、感染性はなく なるとされています。
二次感染の予防としては、手洗いの励行やうがいが有効です。
ノロウイルスは各種の処理に対し て抵抗性が強いので、殺菌効果・消毒効果を期待するよりも汚物に触れない、あるいは汚物を洗い流すことが重要です。
調理従事者は下痢や嘔吐などの症状があるときは調理に従事しないことは勿論のこと、日頃から十分な手洗いとうがい、マスクや手袋の着用を習慣づけ、調理中は必要以上の会話を避けることが望ましいでしょう。

7.効果ある手洗いの方法は?

爪は短くきり、指輪等ははずし、石けんを十分泡立てて、ブラシなどを使用して手指を洗浄します。
すすぎは温水による流水で十分に行います。石けん自体にはノロウイルスを直接死活化する効果はありませんが、手の脂肪等の汚れを落とすことにより、ウイルスを手指から剥がれやすくする効果があります。
また、手指を拭くタオルの使い回しは止めましょう。ペーパータオルの使用が望ましいです。

8.消毒方法は?

ノロウイルスにはエタノールや逆性石けんは効果がありません。ウイルスを完全に死活化するに
は、次亜塩素酸ナトリウム(漂白剤)を使用するか、あるいは加熱することです。
次亜塩素酸ナトリウムは、塩素濃度200ppm(市販品を200~300倍に希釈)で有効です。

9.患者のふん便や吐ぶつを処理する際、注意することは?

ノロウイルスが感染・増殖する部位は小腸と考えられています。したがって、嘔吐の症状が強いときには、小腸の内容物とともにウイルスが逆流して、吐ぶつとともに排泄されます。このため、ふん便と同様に吐ぶつの中にも大量のウイルスが存在し感染源となりうるので、その処理には十分に注意する必要があります。
患者の吐ぶつやふん便を処理するときには、使い捨てマスクと手袋を着用し、汚物中のウイルスが飛び散らないように、ふん便、吐ぶつをペーパータオル等で静かに拭き取りましょう。取り替えたオムツ等も出来る限り揺らさないように取り扱い、放置せずにすぐにビニール袋に入れてしっかり封をして処分しましょう。ふん便や吐物が付着した床等は、次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度200ppm)で浸すようにふきとりましょう。                      
ふき取りに使用したペーパータオル等は、できれば次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度1000ppm)に5~10分つけた後、処分すれば完璧です。
ノロウイルスは乾燥すると容易に空中を漂い、これが口に入って感染することがあるので、吐ぶつやふん便は乾燥させないことが二次感染防止に重要です。

参考

本ページに関するお問い合わせ

新宿区 健康部-保健予防課
予防係
電話:03-5273-3859  FAX:03-5273-3820

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