まちを染め物で埋め尽くす「染の小道」開催中
妙正寺川に色とりどりの染め物が登場

最終更新日:2013年2月22日

写真:妙正寺川に架けられた反物
写真:中井駅前に登場したのれん
写真:見物客には着物を着た方も
写真:まちを彩った色とりどりの反物
神田川・妙正寺川の流域で地場産業として受け継がれてきた新宿の染色業。「江戸の粋」を生み出す新宿の染色業をPRしようと、妙正寺川や中井駅周辺の商店街を色鮮やかな反物やのれんで飾るイベント「染の小道」が今日22日から始まった。

江戸時代、神田や浅草で発展した染色業は、都市開発が進んだ大正以降、清流を求めた染色業者が神田川上流へと集まり、早稲田・戸塚・高田馬場・落合周辺に工房を設立。現在の西武新宿線が開通し、工房の数が増加した昭和初期には、川のあちこちで染めた反物を洗う光景が見られたという。
区内には、現在でも約90軒の染色に関わる工房があり、江戸の伝統を受け継いだ技術や文化が息づいている。

今年で5回目となる「染の小道」は、落合・中井地域で大切に受け継がれてきた染色業を多くの方に知っていただこうと、毎年2月に開催しているもの。染色業者のほか、地元の商店街や子どもたち、大学生など、地域の皆さんが主体となってイベントを盛り上げ、地域の活性化にもつながっている。

妙正寺川の上には、約100mにわたって80本を超える反物を架け渡す「川のギャラリー」が登場。色とりどりの反物が川面を舞い、中には地域の小・中学生や大学生らが思い思いの絵柄を染めた反物も架けられている。
訪れた大勢の方はシャッターを切りながら、川で反物を水洗いしていた昭和初期をほうふつとさせる光景を楽しんだ。

商店街を舞台に展開された「道のギャラリー」では、中井駅周辺87店舗の店先に染色作家や学生が制作した「のれん」が飾られた。のれんはパンやコーヒー、招き猫など店舗のイメージに合わせた絵柄で作られ、個性あふれる作品が商店街を彩った。
また、大正9年創業の染色工房で新宿ミニ博物館の「染の里二葉苑」では、染色体験を実施。参加者は型紙とはけを使って染め物に挑戦し、色鮮やかなオリジナルのショッピングバッグを制作した。

イベントは24日まで。23日・24日には、落合第五小学校体育館(上落合3-1-6)で22年度・23年度に出品された「のれん」を展示するほか、新宿区染色協議会の染色公募展、着物の展示、染色体験コーナーも設置。まち全体をギャラリーに見立てて、落合・中井地域を「染のまち」として広く発信する。

本ページに関するお問い合わせ

「染の小道」実行委員会 電話090-6545-2013