神田川親水テラスで染色の工程・水元を実演

最終更新日:2012年8月9日

写真:水元の実演の様子
写真:水元の実演の様子と親水テラスに訪れた方
写真:水元の実演の様子
写真:水元の実演と集まったたくさんの方
新宿区(区長:中山弘子)は神田川の流れや水辺を体感し、より川に親しみを持っていただこうと、8月12日(日)まで「神田川親水テラス」と周辺の河床を開放している。普段は入ることができない神田川で水遊びを満喫しようと、連日大勢の親子連れや小学生のグループが訪れる中、今日9日、区職員が染色の工程の一つ水元(糊や余分な染料を落とす反物の水洗い)を実演した。

新宿区の外周を取り巻く神田川は、新宿の水とみどりの骨格であるとともに、新宿の伝統産業・染色業が神田川沿いに発展し、現在まで受け継がれていることから、歴史と文化を伝える大切な水辺空間でもある。平成4年にアユの遡上が確認されて以来、区では、散歩道の整備や区民参加の「神田川ファンクラブ」の活動等を通して、神田川と区民をつないできた。

江戸時代、神田や浅草周辺で発展した東京の染色業。大正以降の都市開発により、染色業者は清流を求めて神田川上流に集まり、早稲田・戸塚・高田馬場・落合周辺に工房を設立した。昭和に入り現在の西武新宿線が開通してからは、神田川・妙正寺川をはさむように工房も増え、染めた反物を洗う光景が昭和30年代後半まで見られたという。現在も神田川・妙正寺川の流域には約90軒の染色関連工房があり、複雑で手の込んだ江戸の技術を継承している。
 
今日の実演は、新宿区染色協議会のご協力を得て企画したもの。実演した区職員は、伝統工芸士・富田篤さんの指導のもと、反物をバシャバシャと音をたて、水にたたきつけるなどして当時の様子を再現していた。水元を間近で見られる機会とあって、たくさんの見物客でにぎわった。見学していた方は「今はもうめったに見られるものではないから、とても興味深く懐かしかったです」と話してくれた。

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