「遠野物語」誕生の地・新宿に柳田國男旧居跡の説明板

最終更新日:2010年11月4日

写真:柳田國男旧居跡の説明板
写真:説明板の前で集合写真
明治43年(1910年)の「遠野物語」出版から今年で100年。物語が執筆された当時の、著者・柳田國男の住まい(新宿区市谷加賀町)と話者・佐々木喜善(きぜん)の下宿先(文京区水道1丁目)が確認されたことから、岩手県遠野市がそれぞれに旧居跡説明板を設置。今日4日、除幕式が行われた。

民俗学者・柳田國男(1875年~1962年)は、岩手県遠野市出身で早稲田大学在学中だった佐々木喜善(1886年~1933年)を牛込区市谷加賀町(現在の新宿区市谷加賀町)の自宅に招き、佐々木が語った遠野に伝わる数々の民話を聞いて119話にまとめ、「遠野物語」を発表。柳田は昭和2年(1927年)に砧村(現在の世田谷区)に転居するまでの27年間をこの地で過ごした。

柳田の旧居跡説明板は、大妻女子大学施設(市谷加賀町2-4-31)に設置した。今日の除幕式には、柳田家、大妻女子大学、旧居跡を調査した田野崎昭夫・中央大学名誉教授、本田敏秋・遠野市長をはじめ関係者約30名が出席。本田市長は「柳田國男と佐々木喜善、二人の出会いの場に印を残せることをうれしく思うとともに、遠野物語に込められた思いをまちづくりに生かし、次の100年を紡いでいきたい」と語った。中山弘子・新宿区長は「遠野物語の豊かで魅力ある民話の数々は、私たちにさまざまな『気づき』を与え、文化を伝承することの重要性を改めて認識させてくれる。文化の持つ力を皆さんと共有できることをうれしく思う」と、日本民俗学黎明の書、日本近代文学の名著として今なお読み継がれる「遠野物語」と新宿のつながりをアピールした。

その後、除幕が行われ、「『遠野物語』誕生の場所」と記された縦88㎝・横118㎝の立派な説明板が披露された。新宿区は、この場所を貴重な「まちの記憶」「土地の記憶」として発信し、次の世代へと継承していく。

本ページに関するお問い合わせ

新宿区 文化観光産業部-文化観光課
文化資源係 電話03-5273-3563