景観まちづくりシンポジウムを開催
新宿の地域特性を生かしたまちづくりをさらに進めます

最終更新日:2010年5月13日

対談「緑のある風景」
研究成果の発表
新宿区(区長:中山弘子)は今日13日、「美しい東京をつくる都民の会」(会長:進士五十八)との共催で、シンポジウム「東京の景観2010 IN 新宿」を新宿文化センター(新宿6-14-1)で開催した。シンポジウムは平成14年から開催しており今回で6回目となる。

新宿御苑や明治神宮外苑の貴重な緑をはじめ、西新宿の高層ビル群、世界有数の繁華街・歌舞伎町、地域の風情ある商店街、閑静な住宅街など、多様な地域資源が個性豊かな景観を形成するまち新宿。区では、平成3年に「景観まちづくり条例」を23区で最も早く制定し、景観まちづくりに先駆的に取り組んできた。16年12月の景観法の施行を受けて、20年7月には都心区初の景観行政団体となり、6つの区分地区ごとに景観形成基準を定めた「景観まちづくり計画」、特別出張所10地区72エリア別の「景観形成ガイドライン」を策定。区と事業者が建築物のデザイン等を協議する景観事前協議制度をより充実させることで、地域の景観特性を生かしたきめ細やかな景観誘導に取り組んでいる。

シンポジウムの開会にあたり中山区長は、これまでの区の取組みや景観まちづくり計画の内容のほか、平成21年度には189件の景観事前協議により適正な景観まちづくり誘導を行ったことを紹介。「こうしたシンポジウムを通して、新宿に住み活動する皆さんに景観まちづくりへの関心をより高めていただき、魅力的なまちづくりをともに進めていきたい」と挨拶した。

シンポジウムではまず、「東京の景観・3つの視点」と題して関口信行さん(台湾國立聯合大學)、明田川香住さん・青木いづみさん(美しい東京をつくる都民の会)が、「台湾と東京~東アジアの生活風景」「開発事業が作り出す風景」「風景とスケール~建物の高さと私たちの生活」の視点から研究成果を発表した。
続いて、進士五十八・新宿区景観まちづくり審議会会長と中山区長が登壇。「おとめ山公園」「アートのある風景」「戸山公園の箱根山駅伝」「電柱と都市景観」「目白駅前の目白橋」の5つの景観の話題提供を踏まえ、「緑のある風景」をテーマに岸ユキさん(女優)の司会で対談した。進士会長の「基礎自治体のまちづくりは住民の感覚、感性を持って。多くの皆さんが参加し、意識を共有することが重要」とのエールに、中山区長は「他の価値観も認める多様性」「まちや土地の記憶をいかすまちづくり」「まちのだれもがまちの担い手」の3つをキーワードとして挙げ、「粘り強く区民の皆さんと合意形成し、時代の変化に合わせてルールを変えていくチャレンジも必要」と応じた。
会場には約100名が来場。今後の景観形成の方向性や課題に、熱心に耳を傾けていた。

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