玉川上水・内藤新宿分水散歩道「大銀杏区間」が完成
よみがえる玉川上水の記憶

最終更新日:2010年4月22日

写真:玉川上水・内藤新宿分水散歩道
写真:式典での中山区長のあいさつ
写真:式典でのテープカット
写真:水辺には四季を彩る草花を植栽
新宿区(区長:中山弘子)は、玉川上水の歴史的価値を次世代に継承していくため、かつての流れに沿って、新宿御苑(内藤町11)内に「玉川上水・内藤新宿分水散歩道」を整備している。全長約540mのうち、中間部にあたる「大銀杏区間(約240m)」が完成し、今日22日、通水記念式典を開催した。

江戸の飲料水を確保するため、承応3年(1654年)に開設された玉川上水の流路は、多摩川の羽村堰(羽村市)から四谷大木戸(現在の四谷四丁目交差点付近)までの43㎞。四谷大木戸から江戸市中へは、石や木で造られた水道管を通じて水が供給され、淀橋浄水場が完成した明治31年(1898年)ころまで、江戸・東京の人々にとって貴重な水源だった。昭和初期までに地下化され、暗渠になっていたが、区では玉川上水を偲ぶ流れを復活させるため、平成17年に散歩道整備のための検討会を発足し、準備を進めてきた。
 
水路は水面幅1m、水深5~10cmで、底は主に粘土で仕上げ、自然の流れに見えるよう配慮。水源には新宿御苑下の国道20号新宿御苑トンネル・共同構内の湧水を活用し、水を循環利用している。水辺には、四季の変化が楽しめるよう約60種類25,000株の草木を植え、訪れる方に潤いとやすらぎの空間を提供する。

記念式典で中山区長は、「多くの関係者のご協力のもと、整備を進めてきました。散歩道の創出は、『自然や文化・歴史を身近に感じ、歩くことが楽しくなるようなまち』を実現するもの。東京の水の歴史を次世代に受け継ぐシンボルとして発信していきます」とあいさつした。式典には玉川上水の起点である羽村市の並木心市長も出席し、「分水の復活は、都市における自然環境の創出という意味でも意義あること。力を合わせ、水とみどりを守っていきたい」と祝辞を述べた。その後、分水の前でテープカットが行われ、散歩道の完成を祝った。

今後は、22年度に「大木戸区間(約120m)」、23年度に「旧新宿門区間(約180m)」を整備し、順次公開する予定。

■玉川上水・内藤新宿分水散歩道「大銀杏区間」概要
所在地:内藤町11(新宿御苑散策路)
利用時間:午前9時~午後4時30分
休園日:月曜日(3月25日~4月24日・11月1日~15日の月曜日は開園)・12月29日~1月3日

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