「空印の水鉢」 新宿区へ里帰り

最終更新日:2009年8月18日

写真:2月23日の里帰りの様子
写真:空印の水鉢
写真下:豊島区内石材店で(昭和44年ごろ)
 江戸幕府の3代将軍徳川家光、4代将軍徳川家綱に仕え、大老職などを務めた酒井忠勝ゆかりの水鉢が、新宿区(区長:中山弘子)に里帰りした。

 若狭国小浜藩(現在の福井県小浜市)の藩主であった酒井忠勝(法名:空印)は、徳川家光から牛込末寺町(現在の新宿区矢来町)一帯を拝領し、下屋敷を構えていた。

 この度、里帰りした水鉢は、下屋敷内の長安寺(酒井家の江戸の菩提寺で忠勝が創建した寺)にまつられていた忠勝の墓前に、延宝2年(1674年)に奉納されたもの。放蕩者であった息子が忠勝の助言で改心したことに感謝した幕府の石方棟梁・石屋久兵衛喜廣が、忠勝の13回忌に奉納したという逸話が伝わっている。

 水鉢は、縦90cm・横229cm・奥行き70cmもある大ぶりのもの。大正時代以降の酒井家の墓所の整理に伴い、豊島区内の石材店に譲られたが、水鉢にふさわしい場所を探すため豊島区立郷土資料館に預けられ、豊島区立勤労福祉会館に展示されていた。このたび、忠勝とゆかりがある新宿区への里帰りが検討され、郷土の歴史と文化にとって大切な資料であることから寄贈を受けることにした。

 区では、水鉢を新宿歴史博物館(三栄町22)の中庭に展示した。現在、地下1階のホワイエから見ることができる。中庭のタカトオコヒガンザクラが咲き始める3月14日(土)からは中庭を開放し、水鉢を近くで見ていただくことにしている。

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