図書館で漱石音楽会と漱石映画会を開催

最終更新日:2007年12月8日

写真左から:演奏する大松八路氏、大松暁子氏
写真:客席は大勢の来場者
 新宿区教育員会(教育長:金子良江)は、12月8日(土)、区立中央図書館で夏目漱石生誕140年記念事業“漱石音楽会「漱石が聴いたクラシック」”と“漱石映画会「虞美人草」”を開催した。
 音楽会は、漱石の作品の世界や漱石の時代の様子を音楽で感じてもらおうと企画したもので、会場の視聴覚ホールには約100人が集まった。

 演奏者は、プロのバイオリニスト、大松八路氏と大松暁子氏で、2人は親子でもある。第1部「漱石が留学中に聴いた音楽」、第2部「漱石作品の中でのクラシック」、第3部「漱石がいた時代の音楽」の3部構成で、それぞれ演奏の前に、作品や関連文献が朗読され、当時のイメージをふくらませたところで、バイオリンの生演奏を聴くという形式で行われた。

 留学中の漱石が聴いたであろう曲としては、ヴェルディ「『椿姫』からヴィオレッタのアリア」などが演奏され、音楽に関する記述のある漱石作品「野分」の一部分の朗読後には、ベートーヴェン「『スプリングソナタ』1楽章から」が披露された。漱石の生きた19世紀後半に聴かれた音楽としては、滝廉太郎の『花』、『荒城の月』、ルクレールの『2つのヴァイオリンのためのソナタNo.1』がバイオリンの音色で紹介された。

 2本のバイオリンが奏でる音を味わった参加者は、「目の前で生演奏を聴いて感動した」、「親子の息のあった演奏がすばらしかった」、「文学者を音楽を通して紹介するという点がよかった」などと感想を話していた。
 音楽会後には、1935年作品の映画「虞美人草」が上映され、参加者は漱石の世界を満喫しているようだった。

 区立中央図書館では、今月15日(土)に1967年作品とアニメーションの「坊っちゃん」2作品を、21日(金)に1975年作品「吾輩は猫である」を上映する漱石映画会を開催する予定。

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