夏目漱石生誕140年記念事業 シンポジウムと落語会「漱石山房秋冬」開催

最終更新日:2007年12月2日

写真:ステージ上で話すパネリストのみなさん
写真:茂木健一郎さん
写真:牧村健一郎さん
写真:半藤末利子さん
 新宿区(区長:中山弘子)は、12月2日午後2時から四谷区民ホール(内藤町87)で、夏目漱石生誕140年記念事業 シンポジウムおよび落語会「漱石山房秋冬」を開催した(後援:朝日新聞社、(社)日本芸能実演家団体協議会)。

 この日の観覧は無料。区の広報紙などで観覧者を募集したところ多くの応募があり、漱石人気が高いことを示した。

 第1部は、漱石の魅力について語るシンポジウム。パネラーとして、小説「坊っちゃん」の舞台・松山市から中村時広市長、漱石のお孫さんでエッセイストの半藤末利子さん、漱石ファンとして知られる脳科学者・茂木健一郎さん、中山弘子新宿区長が参加。漱石に関する著作でも知られる朝日新聞記者・牧村健一郎さんがコーディネーターを務めた。

 茂木さんが「『猫(吾輩は猫である)』だけで文庫本を何冊買ったかわからない。漱石こそ国民的作家」と話せば、半藤さんが「漱石の体調が良くなかった時期の話を母からよく聞いたもので、実は怖いというイメージが」と答え、会場に大きな笑いが起こるなど、それぞれのパネラーが漱石への思いを話す形でシンポジウムはスタート。

 好きな作品の話題になると、中村市長は「『坊っちゃん』以外と言われると『夢十夜』」、半藤さんは『道草』、中山区長は「一番読むのは『硝子戸の中』」と、それぞれお気に入りの作品を挙げた。
 牧村さんは「『猫』は何度読んでも、どこから読んでもおもしろい。僕も茂木さんと同じく何冊も買いました。海外でお土産にと置いていくと、一番喜ばれます」と話した。

 漱石は落語を好んだと言われることから、第2部は落語会を開催。新宿区名誉区民である三遊亭金馬さんと弟子の三遊亭金翔さんが、漱石が楽しんだ古典落語の世界を再現。客席は終始笑いに包まれた。

 区民ホールのロビーでは漱石グッズを販売、多くの人がおみやげを買い求めていたほか、1階では松山市の写真パネルなどを展示。会場全体で「漱石生誕140年」ムードを盛り上げた。

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