地域ぐるみで災害に強いまちづくりを考える

最終更新日:2007年5月7日

写真:榎町地域協働復興模擬訓練成果報告会(早稲田大学にて)
写真:榎町地域協働復興模擬訓練成果報告会(早稲田大学にて)
 5月6日(日)午後5時半~8時、早稲田大学27号館地下2階小野記念講堂(西早稲田1-6-1 西早稲田キャンパス内)で、早稲田大学総合研究機構都市・地域研究所の主催により「新宿区榎町地域協働復興模擬訓練成果報告会―榎町地域の事前復興まちづくりを考える」が開催された。
 この報告会は、昨年度に早稲田大学・東京都・新宿区で共同開催した「榎町地域協働復興模擬訓練」の成果を広く公開することにより、地域全体の危機管理への意識や、災害に強いまちづくりへの意識を高める目的で実施されたもの。地元の住民や早稲田大学の学生など約60名が参加し、学生の発表に熱心に耳を傾けていた。

 前半は、早稲田大学建築学科の学生の9つのグループが、榎町地域における防災のまちづくりに関する提案の発表を行った。提案は、各グループが地域を歩いて調査した地域の特徴や課題に対して、まちづくりの視点からデザインしたもの。地域に地下水路を作り災害時の水資源を確保するという案や、防火効果のある樹木を効果的に配置した都市空間を作る案など、学生ならではの創造性豊かな提案がなされた。

 後半は、昨年11月から今年3月にかけて5回にわたり開催された「榎町地域協働復興模擬訓練」の報告が行われた。まず、復興模擬訓練の説明として、阪神淡路大震災における復興のまちづくりの事例の研究や、まち歩きなどを通じた地域の課題の抽出、被災時のシナリオに沿った復興の疑似体験などの様子が紹介された。その後、復興模擬訓練の成果として災害に強いまちづくりのための提言があり、袋小路を解消して避難経路を確保するとともに地域のコミュニティーを創出するためのオープンスペースを配置する事業案など、まち全体の総合的な改善策が提案された。

 模擬訓練の参加者の一人は、「災害が起きたときの復興について事前に体験できたことは、とても意義あることだった。」と語ってくれた。
 早稲田大学27号館1階ワセダギャラリーでは、今回の成果報告に関する展示が5月10日(木)まで行われる。

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