令和8年度 区政の基本方針説明
最終更新日:2026年2月17日
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【注】本文は口述筆記ではありませんので、表現その他が多少異なる場合があります。
1 はじめに
令和8年第一回定例会の開会にあたり、議会並びに区民の皆様に、区政の基本方針と施策の大綱について、所信の一端を申し述べます。
本定例会では、令和8年度一般会計予算案をはじめ、多くの議案をご審議いただきます。何とぞ、議会並びに区民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
はじめに、我が国の経済情勢を見ますと、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待されています。
しかしながら、今後の物価動向や米国の通商政策をめぐる動向などの景気を下押しするリスクには留意が必要です。また、金融資本市場の変動等の影響に引き続き注意する必要があります。
区財政を取り巻く環境は、区の主要な財源である特別区民税や特別区交付金が区民の所得環境及び企業収益の改善に伴い増加しているものの、長引く物価高騰の影響や、社会保障関連経費及び施設更新需要の増大、ふるさと納税や不合理な税制改正による影響など、依然として不透明であり引き続き予断を許さない状況です。
令和8年度のふるさと納税の影響額は50億円を超える見込みで、その影響は拡大しています。また、令和8年度与党税制大綱では地方法人課税に対する措置に加え、東京都が課税する特別区の土地に係る固定資産税について、著しく税収が偏在しているとして令和9年度以降の税制改正において結論を得るとされ、特別区の貴重な税源をさらに吸い上げる動きが見受けられます。特別区長会としても、緊急声明を発表するなど、適時反論をしていますが、予断を許さない状況です。
こうした状況にあっても、健全な区財政の運営を基本に置き、第三次実行計画を着実に推進するとともに、区政の総合力の向上と区政課題の解決に向けて進取果敢に取り組まなければなりません。
このため、私の区政に対する2つの基本姿勢である「現場・現実を重視した柔軟かつ総合性の高い区政」と「将来を見据えた政策の優先順位を明確にした区政」のもと、区民の皆様が住み慣れたまちで住み続けられるように、また、未来を担う子どもたちが健やかに成長できるように、力を尽くしていきます。
2 令和8年度の区政運営の基本認識
次に、令和8年度の区政運営にあたり、私の基本的な認識を申し述べます。
はじめに、「新宿区基本構想と総合計画の策定」についてです。
現基本構想の策定から18年が経過し、この間、少子高齢化の進展とそれに伴う年齢構成のバランスの変化、首都直下地震や南海トラフ地震の切迫性の高まり、気候変動に伴う大型台風や局地的集中豪雨の増加、国内外からの来街者の増加に伴う生活環境への影響、急速なデジタル化の進展など、区や区民を取り巻く環境は大きく変化してきました。
こうした状況も踏まえ、区では、現在、令和10年度から先の新宿の道しるべとして、区が目指すべき将来像を明確にするとともに、区民と共有することを目的に、基本構想と総合計画の策定に取り組んでいます。
令和7年度は、現行の総合計画について庁内検証作業を行いましたが、令和8年度は、ICTなど多様な手法を活用し、世代を超えて広く区民参画の機会を確保するため、区民アンケート調査、区民討議会、しんじゅく若者会議を実施するとともに、基本構想審議会や都市計画審議会において、これからの新宿区の目指す姿について、一層の議論を深めてまいります。
また、区有施設のマネジメントを総合的かつ計画的に行うため、「公共施設等総合管理計画」についても、令和9年度の改定に向けた作業を進めてまいります。
次に、「オーバーツーリズム等の来街者対策」についてです。
区においても、一年を通じて繁華街を中心に多くの観光客が訪れていますが、オーバーツーリズムの影響により、区民生活には年々深刻な影響が出ています。特に、民泊の増加に伴うごみや騒音などの区への苦情は年々増えており、区は現地調査のうえ、事業者への指導を行っています。
昨年は、住宅宿泊事業法違反を繰り返す民泊事業者に対して、東京都内で初めてとなる業務停止命令や業務廃止命令などの処分を行いました。今後も、監視指導体制を強化し、法違反を繰り返す事業者に対して、毅然とした姿勢で対応してまいります。
また、大久保通り周辺の混雑対策については、昨年12月に歩行空間を確保するため、混雑区間の街路樹の移植を行いました。引き続き、雑踏警備や迂回誘導の実施などに取り組むとともに、安全に通行できる歩行スペースの確保に向けて、関係機関との調整を行っていきます。
さらに、新宿観光振興協会と連携した人流の集中を防ぐための取組を実施することで、大久保地区の回遊性の向上を図り、混雑緩和につなげていきます。
次に、「防災対策の強化」についてです。
首都直下地震や南海トラフ地震の切迫性が高まる中、区民の生命と安全を守るため、防災対策の一層の強化を図ります。
建築物等耐震化支援事業については、引き続き、木造・非木造建築物や特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震改修工事費補助や、エレベーター防災対策改修への助成を実施します。
令和8年度は、非木造建築物の耐震診断費と補強設計費について、1平方メートル当たりの補助上限額を引き上げるとともに、耐震化が必要な住宅に重点的な支援を行うため、未耐震住宅の調査を実施し、住宅の耐震化を促進していきます。
高齢者や障害者を対象とした福祉防災については、これまで運用してきた要配慮者災害用セルフプラン及び災害時要援護者名簿を見直し、災害対策基本法に基づく「個別避難計画」として位置付けることで、要援護者支援の実効性を高めてまいります。
また、福祉避難所ごとの課題を踏まえた運営の検討や訓練などに取り組むとともに、福祉避難所ではエアーベッドやパーソナルテントなど要配慮者の特性に応じた備蓄物資の充実を図ります。
次に、「物価高騰対策」についてです。
物価高騰の影響が長期化する中、区民生活の安定と地域経済の活性化を図るため、引き続き総合的な対策を講じます。
国が昨年末に取りまとめた総合経済対策を踏まえ、昨年12月に、区議会臨時会で議決をいただいた低所得者等を対象とした物価高騰対策臨時給付金事業について、本年3月から対象となる世帯に給付金の支給ができるよう準備を進めています。
子育て世帯への支援では、区独自の入学祝い金や学校給食費の無償化を引き続き実施します。また、昨年9月から開始した保育所等の第1子の保育料無償化を継続するとともに、物価高対応子育て応援手当の支給を本年2月下旬から開始します。
そのほか、保育所や幼稚園等の安定的な事業運営の継続のため、食材料費等の高騰に対応する支援を行うほか、新宿区商店会連合会が実施する商品券事業への助成を引き続き行います。
また、商品券事業に加えて、オリジナルキャラクターの制作や商店会紹介冊子の作成などに係る経費の一部も助成し、商店会への加入促進や魅力発信の取組も支援してまいります。
こうした取組を通じて、区民生活の安定と地域経済の持続的な発展を支え、社会経済情勢の変化に機動的に対応してまいります。
さらに現在、東京都の令和8年度当初予算案で示された各種補助金を活用した事業について、実施に向けた検討を進めています。今後も国や都の動向を的確に捕捉し、迅速に区民へのサービスの提供に繋げてまいります。
以上の取組と合わせ、子育て世帯への支援、公共施設の更新、歌舞伎町対策など、多くの区政課題に適切に対応し、区民の皆様が安心して暮らせるよう、確かな歩みを進めるとともに、引き続き、基本構想に掲げる“ めざすまちの姿”「『新宿力』で創造する、やすらぎとにぎわいのまち」の実現に向けて、「暮らしやすさ1番の新宿」、「新宿の高度防災都市化と安全安心の強化」、「賑わい都市・新宿の創造」の実現に向けた取組と、これらを下支えする「健全な区財政の確立」・「好感度1番の区役所」とを合わせた「5つの基本政策」を柱として、施策を推進してまいります。
3 基本政策と主要施策の概要
このような認識を踏まえ、取り組む主要な事業について、5つの基本政策に沿って申し述べます。
3 .1 5 つの基本政策と主要事業の概要
基本政策の第一は「暮らしやすさ1番の新宿」です。
はじめに、生涯にわたり心身ともに健康で暮らせる健康寿命の延伸に向けた取組の充実についてです。多くの区民の皆様が健康づくりに積極的に参加できるよう、「しんじゅく健康ポイント」における新規参加者数の拡充や、「しんじゅくシティウォーク」の定員拡大を図り、気軽に健康づくりに参加するきっかけを提供してまいります。また、昨年12月から開始した「しんじゅく健康ポイント」と「東京都公式アプリ」の連携を引き続き実施し、東京都の提供するサービスも受けることができるようにすることで、「しんじゅく健康ポイント」への参加者増へとつなげてまいります。
高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施事業については、これまでの低栄養者へのアプローチに加え、高齢者の健診・医療情報等に基づき、過去2年間、医療機関や健診の受診歴、介護認定が確認できない方に対して、リスクに応じた新たなアプローチを行います。
また、地域における在宅療養支援については、医療と介護が連携し、ICTネットワークやデジタル技術の活用等による効果的な情報共有や、24時間診療体制の確保など、在宅療養患者を支える体制を強化するため、新宿区医師会の取組を支援してまいります。
次に、住み慣れた地域で暮らし続けられる地域包括ケアシステムの推進についてです。
認知症高齢者やその家族の支援ニーズと認知症サポーターを中心とした支援をつなぐ仕組みであるチームオレンジの活動を推進するため、これまで活動してきたチームオレンジ「えがお」と「ランプカフェ落合」の2グループに加え、新たに1グループを追加します。
介護事業者への支援では、介護サービス事業所間でケアプラン情報を連携できる、国の「ケアプランデータ連携システム」について、介護現場の負担軽減と生産性向上を図るため、説明会や研修会の開催など導入促進のための支援を行ってまいります。
補聴器助成については、近年、難聴により様々な生活リスクに直面するヒアリングフレイルへの関心が高まっていることから、加齢性難聴への早期の気づきと支援につなげるため、対象年齢を65歳以上に引き下げます。また、対象年齢の引き下げに合わせ、補聴器の支給を両耳に拡充するとともに、補聴器購入費の助成上限額を引き上げます。
また、「高齢者見守り登録事業」では、緊急時に登録連絡先へ速やかに連絡できるよう配布している見守りキーホルダーや見守りシールの配布対象者を拡充し、高齢者の見守り体制を充実していきます。
これらの高齢者保健福祉施策及び介護保険サービス体制整備を着実に推進するため、令和8年度は「新宿区高齢者保健福祉計画・第10期介護保険事業計画」を策定し、誰もが人として尊重され、共に支え合う地域社会を目指します。
次に、障害者がいきいきと暮らし続けられる環境の整備についてです。
本年1月に開設した障害者グループホーム「滝乃川学園ともいろ」では、新たな地域生活支援拠点として、短期入所の緊急枠を確保するとともに、拠点コーディネーターを配置し、緊急時に障害者を着実に受け入れる体制整備を行いました。
今後は、早稲田南町児童館等複合施設の新施設及び現施設の活用方針に基づき、民設民営による障害者グループホーム等の設置に向け検討を進めてまいります。
そのほか、重症心身障害児等を介護する保護者等の負担を軽減するため、在宅レスパイト等サービスの現行の利用上限時間を2倍の288時間まで拡充するとともに、令和7年度から導入した0歳から2歳の第1子に係る児童発達支援等サービス利用料及び食材料費の無償化を令和8年度以降も継続していきます。
これらの障害者施策を推進するため、令和8年度は「第4期新宿区障害児福祉計画・第8期新宿区障害福祉計画」を策定します。
次に、安心できる子育て環境の整備についてです。
産後の支援では、区民が希望する産後ケアサービスに応じた支援施設を選択できるようにすることで、より区民ニーズに沿った支援ができるよう見直します。また、ショートステイ型及びデイサービス型の支援施設をそれぞれ1施設ずつ追加するとともに、アウトリーチ型の支援施設として2施設を追加します。さらに、本年10月から新たに産婦健康診査や1か月児健康診査を実施し、産後うつの予防や虐待の予防を図る支援を充実させます。
また、各保健センターにおいて、子どもたちの個々の特性を早期に把握し、必要に応じて適切な支援につなげるため、本年7月から5歳児健康診査を実施してまいります。
保育基盤の整備では、待機児童ゼロが継続されていることから、適正な保育定員を確保することで、引き続き子育てしやすい環境を維持してまいります。また、保育園や幼稚園等に通っていないお子さんが定期的に通園できる新宿区乳児等通園支援事業を令和8年度から開始します。原則週1回以上、年度末まで、定期的に利用していただくことで、健やかな子どもの育ちを後押しするとともに、保護者の孤独感や孤立感の解消につなげてまいります。
児童相談体制の整備については、引き続き、区の現状と地域特性を踏まえた相談体制の充実を図るため、東京都と連携し、子ども総合センター分室を連携拠点に位置付けるほか、職員の専門性向上のための相互派遣を行うなど、都と区が一体となって虐待等へ対応していきます。
放課後の子どもの居場所の充実に向けた取組では、保護者が就労している児童が増加傾向にあることを踏まえ、学童クラブ及び放課後子どもひろば事業のさらなる充実を図り、ニーズに合った放課後の居場所を選択できるよう事業を推進してまいります。令和8年度は、余丁町学童クラブを新たに開設するとともに、鶴巻小学校内学童クラブ、落合第四小学校内学童クラブの定員の拡充を図っていきます。また、令和9年度の戸塚第一小学校内学童クラブの定員拡充に向けた準備も進めてまいります。
朝の子どもの居場所づくりについては、朝の見守りやサポート体制を強化することで、保護者の負担軽減や子どもの不安感の解消を図っていきます。そのため、準備の整った区立小学校から試行実施し、児童の安全・安心な居場所を提供してまいります。
こうした取組のほか、ひとり親家庭の生活を支援するため、これまで実施してきた公正証書作成費用助成の上限額を引き上げるとともに、新たに裁判外紛争解決手続費用助成を創設します。
次に、未来を担う子どもたちの生きる力を伸ばす教育の充実についてです。
不登校児童・生徒の学びの継続や社会的自立に向け、児童・生徒やその保護者への相談・助言等を行う「家庭と子供の支援員」の派遣校を拡充するとともに、図書館等を活用した、訪問型支援・けやきルームの実施箇所を4か所から5か所に拡充します。また、引き続き、不登校対策に関するイベントを実施していきます。
特別支援学級等の設置・運営については、自閉症などにより、通常の学級での指導では十分な成果を上げることが難しい児童・生徒を対象に、1学級8人の少人数の学級を設置し、一人ひとりの状況に応じた適切な指導を行っていきます。令和8年度は、天神小学校と新宿中学校で設置の準備を行い、令和9年4月から児童・生徒の指導を開始します。
未就学児の教育の充実については、子どもたちの豊かな心を育てるため、幼稚園や保育所等の環境や強みを活かしながら、乳幼児の興味・関心に応じた探究活動を行う「とうきょうすくわくプログラム」を引き続き実施します。令和8年度は区立幼稚園での実施を全園に拡充します。
このほか、友好提携都市の伊那市の農産物を活用した給食提供回数を拡充し、食を通じた伊那市との連携をさらに推進していきます。
また、新宿コズミックセンタープラネタリウムについては、設備を更新することで、引き続き、子どもたちのより深い学び・理解につなげていきます。
こうした取組の指針となる新たな教育ビジョンの策定に向けて、令和8年度は、児童・生徒、保護者などへのアンケート調査を実施し、その意見を教育ビジョン検討会議等において議論した上で、教育ビジョンの骨子を作成します。
次に、セーフティネットの整備充実ですが、ホームレスや生活保護受給者、生活困窮者の自立支援に継続して取り組むとともに、貧困の連鎖を防止するため、子ども本人の意向を踏まえた多様な進路選択が行えるよう被保護世帯を含む生活困窮世帯の子どもたちへの学習支援の充実を図っていきます。
また、熱中症対策として、東京都が実施を予定している「低所得世帯向けエアコン設置区市町村等緊急支援事業」を活用したエアコンの購入費用の助成については、実施に向けた準備を進めてまいります。
次に、女性や若者が活躍できる地域づくりの推進については、引き続き、ワーク・ライフ・バランスの推進として働きやすい職場環境づくりに向けた支援を行うほか、家事・育児や介護に男性の参加を促す支援を行い、様々な業界で女性が活躍できるようにデジタルスキルの習得を支援する「女性デジタル人材育成支援事業」を実施してまいります。
次に、地域の課題を共有し、ともに考え、地域の実情に合ったまちづくりの推進についてです。
町会・自治会活性化への支援については、「情報発信力の強化」や「若い世代の加入」など、「町会・自治会が抱えている課題を解決するため、専門家による複数の支援メニューを組み合わせて利用できるプログラム型の支援を行います。
また、電子回覧板の実証実験の対象地区を拡大し、迅速な情報伝達を実現するとともに、町会・自治会に管理を委託している掲示板をマグネット式に更新し、作業の負担軽減を図ります。
次に、地域での生活を支える取組の推進についてです。
新宿区勤労者・仕事支援センターを中心に、就労意欲のある障害者や高齢者、若年非就業者などに対し、総合的な就労支援を引き続き実施していきます。
お亡くなりになった区民のご遺族の負担軽減を図る取組として、区役所における各種手続きについての相談窓口「おくやみ相談」を設置します。電話相談のほか、事前予約制による対面相談を実施し、「おくやみガイドブック」を活用した手続き案内や、相続に必要な戸籍謄本等の申請支援、資格証等の返納受付を行っていきます。
また、特別区区民葬儀利用者の経済的負担を軽減するため、令和8年度から当面の間、特別区指定の民間火葬場を利用した方を対象に、特別区内の公営及び区民葬儀取扱業者である民間火葬場の一般料金の平均額と区民葬儀の火葬料金との差額を助成します。
区立住宅の管理については、民間事業者の創意工夫やノウハウを活かし、これまで区が実施してきた入居者管理・入居者募集等と、事業者に委託していた修繕業務を包括委託することで、入居申込のオンライン化や問合せ窓口の一本化など、区民サービスの更なる向上を図ります。
こうした取組のほか、高齢化の進行や住宅の老朽化、マンション管理の課題に対応し、誰もが安心して住み続けられる住環境の実現を目指し、昨年3 月に策定した「新宿区マンションまちづくり方針」の内容を反映した「第5次住宅マスタープラン」の策定に向けた検討を開始します。
次に、基本政策の第二の「新宿の高度防災都市化と安全安心の強化」です。
昨年1月に改定した「新宿区耐震改修促進計画」に基づき、これまで以上にスピード感をもって耐震化を促進してまいります。
木造住宅密集地域の防災性強化では、若葉・須賀町地区において、老朽化した木造住宅の建替えや共同化を推進するとともに、道路、公園等の公共施設を整備し、地区の防災性の向上と住環境の改善を図ります。引き続き、共同建替え等にあわせた道路等の基盤整備を促進しながら、まちの不燃化を進めていくため、新たな道路用地の買収等に取り組みます。
再開発による市街地の整備について、西新宿五丁目南地区では、令和8年度に都市計画決定に向けた手続き等を進め、令和9年度の組合設立認可を目指してまいります。
また、西新宿三丁目西地区においては、令和9年度の権利変換計画認可を目指し、権利者の合意形成などを進めていきます。
さらに、西新宿六丁目16番地区においては、地元におけるまちづくりの機運の高まりを受け、令和8年度に都市計画決定に向けた手続き等を進め、令和10年度の組合設立認可を目指してまいります。
災害に強い都市基盤の整備については、道路の無電柱化を推進することにより、歩行空間のバリアフリー化や美しい都市景観の創出を図ります。令和8年度も引き続き、女子医大通り、四谷駅周辺、上落中通り、水野原通りの整備に取り組んでまいります。
また、区内の無電柱化整備の更なる加速化を図るため、「新宿区無電柱化推進計画」を改定します。
橋りょうの整備については、「新宿区橋りょう長寿命化修繕計画」に基づき、計画的な補修・補強を実施することにより、健全かつ安全な維持管理を推進します。令和8 年度は、新開橋、万亀橋の補修工事を実施します。
また、台風・集中豪雨時等における区民への情報提供を強化するため、河川に近づくことなくリアルタイムに水位の確認ができるように、監視映像配信カメラを設置し、YouTubeで配信します。
次に、災害に強い体制づくりでは、昨年度に引き続き、令和7年度も総合防災訓練を実施しました。この訓練は、災害発生時における初動対応の円滑化を図り、地域の防災力向上につながる重要な取組です。今後も定期的に実施していくとともに、区民の皆様が参加しやすい体験型の訓練など、より効果的な内容を検討してまいります。また、アンケート結果などを踏まえ、より効果的な訓練内容となるよう検討するとともに、参加団体との意見交換の場を充実するなど、連携体制を強化し、地域防災力の向上を図っていきます。
次に、暮らしやすい安全で安心なまちの実現についてです。
大久保公園周辺地域について、来街者の安全を確保し、秩序ある環境を維持するため、昨年7月より、17時から22時までの間、青色防犯パトロールカーによる巡回活動を実施しています。令和8年度からは、活動時間を16時から23時まで拡大するなど、引き続き、安全・安心のまちづくりに取り組んでまいります。
また、国内外からの来街者の増加が予想されるハロウィン時期には、引き続き、必要な周知啓発を徹底するとともに、路上飲酒の制限及び雑踏事故防止対策を実施してまいります。
これまで区が行ってきた、路上喫煙者への注意喚起やポイ捨て防止の指導を、さらに強化するため、高田馬場駅前広場において、新たに16時から23時まで夜間の路上喫煙禁止等パトロールを実施します。
防犯機器等購入緊急補助事業については、東京都の補助金を活用した防犯機器等の購入費補助を、昨年5月から実施しています。令和8年度からは、東京都の補助金が2万円から1万円に減額される予定ですが、区では減額分を上乗せして、引き続き上限額2万円で、購入補助を行います。あわせて、防犯対策用品の展示会、新聞折り込みチラシ等を通じて制度の周知を図り、防犯対策用品設置の後押しをしていきます。
インターネットの普及や電子商取引の増加に伴い、消費生活に関するトラブルは、ますます複雑化・多様化しています。特に高齢者等は、被害に遭っていること自体に気づかず、また、被害に遭っても一人で抱え込んでしまうケースが見受けられることから、消費生活相談員による、アウトリーチ型の消費者相談の取組を強化します。
次に、感染症の予防と拡大防止についてです。
冬季に流行するインフルエンザについて、集団生活を営む機会の多い高校3年生相当までの子どもの集団感染等を防ぐため、昨年、小児インフルエンザ任意接種の対象年齢を13歳未満から高校3年生相当年齢まで引き上げました。令和8年度も引き続き実施し、子どもの健康保持と感染拡大防止に取り組みます。
また、HIV・性感染症については、まん延防止のため、歌舞伎町シネシティ広場や大久保公園周辺の繁華街において、若者などを対象とした普及啓発や健康相談等を引き続き実施するなど、性感染症対策に取り組んでまいります。
さらに、国が予定している予防接種法の改正などに向けて、本年4月からの妊婦を対象としたRSウイルスワクチンの定期接種化や、高齢者用肺炎球菌ワクチンの変更に必要な準備を行っていきます。
また、東京都が実施を予定している補助金を活用し、男性を対象としたHPVワクチンに新たに9価ワクチンを追加する準備も行ってまいります。
このほか、東京都新宿都税事務所との合築施設である新宿合同庁舎については、東京都と連携しながら建替えを進め、新たな庁舎を新宿区保健所等として活用し、感染症まん延時などの非常時に、総合的かつ迅速な対応を取りやすい体制を構築します。
次に、良好な生活環境づくりの推進についてです。
管理不全及び特定空家等への対策については、本年3月に改定する新たな「空家等対策計画」に基づき、総合的かつ計画的に推進してまいります。
屋外におけるねずみ対策については、これまで歌舞伎町地区や大久保・百人町地区で実施してきた繁華街ねずみ対策の効果検証を踏まえ、ねずみが生息しにくい環境づくりに取り組んでまいります。
区民の皆様や事業者に対して、ねずみの繁殖を防ぐための知識やごみの適切な管理方法を周知するとともに、ねずみの被害があるエリアに対し、専門業者によるコンサルティングを行い、調査・分析結果に基づく効果的な対策を促します。
次に、基本政策の第三、「賑わい都市・新宿の創造」です。
はじめに、回遊性と利便性の向上による魅力的で歩いて楽しいまちづくりについてです。
新宿駅直近地区では、「新宿の拠点再整備方針」に基づき、新宿グランドターミナルとして、駅や駅前広場、駅ビル等の一体的な再編に取り組んでいます。
令和8年度は、新宿駅東口における都市施設や地区計画などの都市計画変更を行います。また、新宿グランドターミナルの再編整備で新設される公共的空間の案内サインの計画検討を、関係者と連携しながら進めてまいります。
次に、誰もが安心して楽しめるエンターテイメントシティの実現についてです。
歌舞伎町地区における、シネシティ広場周辺の滞留者やごみの不法投棄などは、新宿全体のイメージに大きな影響を与えています。
歌舞伎町ルネッサンス推進協議会では、賑わいを求めるだけではなく、安全性やクリーンさを追求すべきであると述べてきました。一朝一夕で解決できる課題ではありませんが、地区内の様々な課題を解決するため、令和8年度の「( 仮称)歌舞伎町エリアマネジメント基本方針」の策定に向け、精力的に検討を進めてまいります。
次に、地域特性を活かした都市空間づくりについてです。
昨年3月に策定した「マンション等まちづくり方針」に基づき、「新宿区大規模マンション及び開発事業に係る市街地環境の整備に関する条例」を制定し、歩道状空地や子育て支援施設等の整備、地域と連携した防災訓練の実施などを促すことで、区と開発事業者が連携して良好な市街地環境の形成や防災性の向上等に取り組み、誰もが安心して住み続けられる地域社会の実現を目指します。
また、「ワンルームマンション等の建築及び管理に関する条例」を改正し、対象を拡大することで、近隣とのトラブル防止を図るとともに、宅配ドライバーやマンション管理人の担い手不足等の社会問題にも対応していくため、建築及び管理に関する基準を見直すことで、持続可能な住環境の形成を推進していきます。
高田馬場駅周辺地区については、地域課題やまちの将来像を区民・事業者・行政等が共有し、連携して広域的なまちづくりを進めるため、引き続き「高田馬場駅周辺エリアまちづくり方針」の実現に向けた検討を進めていきます。
また、飯田橋駅東口周辺地区では、基盤整備ビジョンの実現に向け、地元組織と再開発の協議を実施するとともに、東京都と新宿区を含めた周辺3 区等による基盤整備推進会議において、複数の都市開発と連携した一体的な都市基盤整備を効果的に実現するための事業手法等について検討を進めます。
このほか、環状4号線沿道富久地区においては、地元の方々から出されたご意見を丁寧に伺いながら、令和8年度にまちづくり構想及びまちづくりルールの検討を進めます。
次に、誰もが自由に歩ける、利用しやすく、わかりやすいまちづくりについてです。
誰もが利用しやすく、わかりやすい質の高い都市空間を創出するため、建築等の計画段階から協議を行い、ユニバーサルデザインに配慮したまちづくりを進めていきます。
また、「新宿区移動等円滑化促進方針」に基づき、高齢者や障害者など当事者の皆様との意見交換を実施していくとともに、民間事業者とも連携しながらバリアフリーの道づくりを進めています。
令和8年度は、中井通りと曙橋通りの整備を行い、新たに津の守坂通り、落合第二特別出張所前区道の設計委託を実施します。
次に、道路環境の整備についてです。
道路の改良については、引き続き早大通りの車道の改良工事及び江戸川橋通りの歩道の拡幅や点字ブロックの設置などに向けた整備を進めていきます。
道路の環境対策については、令和8年度で道路の街路灯のLED化を完了させます。また、引き続き、道路の遮熱性舗装を実施するとともに、新たに環境に配慮したアスファルト舗装等の試験施工を進め、ヒートアイランド現象の抑制や工事におけるCO₂の排出抑制を目指していきます。
次に、交通環境の整備についてです。
歩行者、自転車、自動車それぞれが、安全かつ安心して通行できる道路空間の創出に向けて、「新宿区自転車ネットワーク計画」に基づき、自転車通行空間を整備してまいります。
また、商業施設等に対して施設の規模に応じた駐輪場の設置を義務付ける「駐輪場附置義務制度」については、新たに共同住宅や事務所を対象に加えるとともに、地域特性に合わせた駐輪場を設置できるよう、「新宿区自転車等の適正利用の推進及び自転車等駐輪場の整備に関する条例」の改正を行い、令和8年度は具体的な取組内容を検討してまいります。
さらに、本年3月末より、落合第一・落合第二・戸塚特別出張所管内の一部区域において、昨年の検証結果を踏まえ、乗降場所の増設等を行い、「AIオンデマンド交通」の実証運行を実施します。引き続き、新たな地域交通の導入に向けて交通事業者等と検討を進め、高齢者や障害者、子育て世代など、誰もが快適に移動でき、住み続けたいと思える新宿のまちの実現を目指してまいります。
このほか、道路における交通の安全を確保するため、老朽化した案内標識等の修繕を実施し、あわせてローマ字表記から英語表記に更新します。
次に、豊かなみどりの創造と魅力ある公園等の整備についてです。
新宿中央公園では、令和6年度から整備工事を進めてきた「花のもり」が完成しました。植物の多彩な魅力を活かした空間整備とユニバーサルデザインの推進をコンセプトに、新たな花壇の整備や段差の解消などを実施し、植物の魅力を誰もが楽しめる空間になりました。本年3月14日には、「花のもり」の完成を記念して、様々なイベントや記念式典を開催します。
みんなで考える身近な公園の整備では、令和8年度に、「榎町公園」の再整備を行うとともに、「高田馬場駅西児童遊園」について、地元の皆様からの意見を聞きながら再整備に向けた計画を作成します。
また、区立公園におけるみどりの保全に向けて、令和6年度から4年間にわたり公園樹木の健全度調査を実施しています。引き続き、必要な樹木に対し精密診断等を実施し、利用者や近隣住民の方の安全・安心の確保に取り組みます。
区の貴重な観光名所、景観資源である神田川の桜並木については、昨年3月に改定した「新宿区街路樹管理指針」や生育状況及び生育環境を踏まえ、桜並木の承継に向けた取組を進めます。令和8年度は小滝橋から瀧澤橋までの区間を対象に、区民等の参加のもと第2期アクションプランを作成し、未来に向けて桜並木を維持できるよう取り組んでまいります。
このほか、令和7年度に実施したみどりの実態調査を踏まえ、令和8年度は生物多様性地域戦略素案を検討し、令和10年度からの区の緑の保全・創出・活用の指針となる「みどりの基本計画」の策定に向けて取り組んでまいります。
次に、地球温暖化対策の推進についてです。
「第三次環境基本計画」に基づき、地球温暖化対策の取組を一層推進し、ゼロカーボンシティ新宿の実現を目指します。
そのため、区民や事業者向けの省エネルギー機器等の設置助成について、補助件数を拡充するとともに、事業所向け「LED照明」や「高効率空調設備」については、CO₂削減の実効性を高めるため、補助制度の見直しを行います。
また、伊那市、沼田市、あきる野市にある3つの「新宿の森」のカーボン・オフセット事業では、伊那市において植林を実施し、CO₂吸収量の増大を図ります。
さらに、区内大学と連携し、学生の視点からCO₂削減に向けて自分たちが実践できる取組について、令和8年度は、ごみ分別をテーマとして、日本語学校の生徒と日本人大学生によるワークショップを開催し、若者の環境意識の普及啓発を図ります。
次に、資源循環型社会の構築についてです。
区民、事業者、区の意見交換の場である「3R推進協議会」を運営し、相互に理解を深めながら、ごみの減量とリサイクルの促進に取り組んでまいります。
食品ロス削減については、「食品ロス削減協力店登録制度」やフードドライブの取組を引き続き推進します。
資源プラスチックの回収では、令和9年度からの再商品化計画策定に向けて実施した調査結果を踏まえ、プラスチックの正しい分け方・出し方の周知用動画を作成し、資源プラスチックの回収量の増加につなげていきます。
また、資源・ごみ分別アプリ「さんあ~る」に、画像等により分別方法の検索ができるチャットボット機能を追加し、収集日や分別方法を分かりやすく表示することで、ごみの適正排出を向上させます。
次に、活力ある産業が芽吹くまちの実現についてです。
新宿の魅力の更なる発信と地域経済の活性化を図るため、新たな「新宿逸品」認定制度では、土産部門として認定された商品について、ECサイトや百貨店の通販カタログを活用した、販路拡大支援を実施します。さらに、令和8年度は、外食・テイクアウト部門の商品を認定し、同様の販路拡大支援の検討を進めます。
創業支援施策の推進については、新たに中小企業持続発展支援として創業サポート事業を立ち上げ、区内団体と連携したスタートアップ支援を行います。また、高田馬場創業支援センターについては、同様の機能を持つ民間の創業支援施設が多数開設され、創業形態も多様化しているなど、センター開設時から創業を取り巻く社会状況が変化したことから、施設の廃止に向けた検討を行うとともに、新たな創業支援施策について検討してまいります。
次に、魅力ある商店街の活性化に向けた支援についてです。
区では、商店会等が実施する、まちのにぎわいや交流を創出するためのイベントや、街路灯の設置・改修等を支援する「にぎわいにあふれ環境にもやさしい商店街支援」事業を実施しています。令和8年度は、子ども向けに実施するイベントや、都外の団体と連携するイベントの補助を拡充するなど、商店街事業の充実を支援してまいります。
次に、新宿の多様な魅力による賑わいの創造についてです。
「新宿フィールドミュージアム」は年間を通した文化情報の発信を強化するほか、昨年リニューアルオープンした新宿文化センターでのホール公演イベントを再開するとともに、複数ジャンルによるコアイベントの検討を進めてまいります。
また、友好提携都市「伊那市」とは、これまでさまざまな交流を重ねてきました。区立学校の給食に伊那市産の農産物を活用する取組のほか、誕生祝品として贈られる木のおもちゃは、伊那市で製作されています。そのほか、両市区の観光振興を図る物産イベント「伊那市フェアin新宿」の開催など、これまで伊那市とは様々な取組をつづけてきました。今年は友好提携を宣言してから20年目の節目の年を迎えるにあたり、本年8月に友好提携20周年を記念する式典を開催します。今後もこれらの取組を通じて、伊那市との交流を推進してまいります。
さらに、令和8年度は、新宿区成立80周年を迎えます。
区成立80周年記念事業として、令和9年3月15日に祝賀式典を開催するとともに、直近10年間の区の歩みを年表や写真を中心に記録した区史を作成し、歴史の継承と未来への礎を築いてまいります。
次に、国際観光都市・新宿としての魅力の向上についてです。
新宿区の魅力を世界に発信するため、新宿観光振興協会が実施するAIを活用した区内のイベント情報の収集・発信の強化の取組を支援します。
また、新宿観光振興協会と連携し、外国人旅行者に向けて滞在中のマナーを啓発するために、新宿観光振興協会ホームページでは、ごみの捨て方やピクトグラムを活用した分かりやすい情報発信を行うほか、新宿観光特使「ゴジラ」を活用した啓発グッズの配布などを行います。こうした取組により、旅行者と地域住民がともに安全・安心に過ごせる環境づくりを進めてまいります。
次に、生涯にわたり学習・スポーツ活動などを楽しむ環境の充実についてです。
東京2020オリンピック・パラリンピックのレガシーを継承するとともに、東京2025デフリンピック開催により、高まった障害者スポーツへの関心や気運を向上させるため、新たにアウトリーチ型の障害者向け運動教室を実施します。
また、新宿区スポーツ施設整備基金を活用し、令和9年度のリニューアルオープンを目指して落合中央公園野球場の夜間照明LED化等工事及び人工芝等張替工事を実施するとともに、西落合公園庭球場の人工芝等張替工事を行い、スポーツ環境の充実を図ってまいります。
次に、多文化共生のまちづくりの推進では、外国人住民の地域における生活ルールの理解やマナー向上のために、引き続き新宿生活スタートブックや外国人向けホームページなどによる周知啓発に取り組むとともに、しんじゅく多文化共生プラザを拠点としたネットワーク事業などに総合的に取り組んでまいります。
次に、平和都市の推進についてです。
「親と子の平和派遣」に参加した親子で構成されている、「新宿区平和派遣の会」では、地域において平和の大切さや戦争の悲惨さを広く発信する役割を担っています。今後も継続的に区内の平和啓発活動に取り組んでいただけるよう、令和8 年度から「新宿区平和派遣の会」に対する補助制度を新たに創設して支援を行ってまいります。
また、戦争体験者が減少する中、その証言を次世代に継承するため、平和都市宣言40周年を迎える本年3月15日に実施する平和のつどいで、デジタル版「新宿区戦争体験談集」の公開を予定しています。今後は、この貴重な記録を、区ホームページやSNSを通じて広く公開するとともに、学校教育の場でも積極的に活用し、次世代に平和の尊さを伝えてまいります。
次に、3つの基本政策を下支えする基本政策、「健全な区財政の確立」と、「好感度1番の区役所」についてです。
はじめに、DXの推進による区民サービスの向上についてです。
区では、区民の利便性を高め、より利用しやすい窓口環境を実現するため、フロントヤード改革を推進しています。
申請時の負担を軽減する取組として、マイナンバーカードや運転免許証等を読み取り、氏名や住所などを申請書に自動転記できる「窓口受付支援システム」を昨年8月に戸籍住民課及び四谷・大久保特別出張所に試行導入しました。本年2月には戸塚特別出張所にも追加導入し、申請書への記入負担の軽減と手続の効率化を図っています。
また、来庁せずに行政手続を行えるよう、国民健康保険料や介護保険料などの支払い方法に地方税ポータルシステムを活用したコード決済を導入します。あわせて、子ども・子育て分野をはじめ電子申請ニーズの高い手続のオンライン化を進めるとともに、昨年12月に開設した行政手続案内ポータルサイト「新宿行政手続きnavi」を活用し、電子申請可能な手続の周知や利用促進を図り、窓口の混雑緩和にもつなげてまいります。
国民健康保険料の収入率向上に向けた取組では、世帯主が1月1日に日本国内に住所を有していなかった世帯の入国初年度の保険料を最初の納期に一括で納付する仕組みを導入します。今後は、前納制に必要な例規の改正、システムの対応等を行い、令和8年度保険料からの前納制の実施に向けて準備を進めていきます。
旧都立市ヶ谷商業高等学校の跡地では、校舎等の解体工事を進めるとともに埋蔵文化財調査を実施し、牛込第一中学校及び地域図書館の建替えを進めてまいります。
このほか、区有施設については、公共施設等総合管理計画及び中長期修繕計画に基づき、引き続き適切な修繕を行い、長寿命化を図るとともに、新庁舎の整備に向けて庁舎整備基金を計画的に積み立てていきます。
3 . 2 令和8年度予算の概要
次に、令和8年度の予算案についての基本的な考え方を申し述べます。
はじめに国及び都の令和8年度予算案についてです。
政府の令和8 年度予算案は、「令和7年度補正予算での対応に続き、切れ目なく、強い経済を実現する予算」として編成されました。
具体的には、経済・物価動向等の反映として、診療報酬、介護報酬の改定などを実施するほか、GXに対する先行投資や、子ども・子育て加速化プランの推進など、複数年度で計画的に取り組む重要施策を推進するとともに、新たな財源確保などを通じて、いわゆる教育無償化を始めとする様々な分野で予算を増額しています。
一般会計予算は122兆3,092億円で、前年度と比較して7兆1,114億円の増となっています。
税収は83兆7,350億円で、前年度と比較して5兆9,160億円の増となっています。
また、東京都は令和8年度予算を「2050東京戦略」の迅速かつ確実な実行に向け、大都市東京の強みを遺憾なく発揮し、明るい未来を実現する予算」として編成しました。
一般会計の予算規模は9兆6,350億円で、前年度と比較して4,950億円、5.4%の増となっています。
都税は7兆3,856億円で、前年度と比較して4,560億円、6.6%の増となっています。
続いて、区の令和8年度予算案についてです。
令和8年度の予算は、編成の基本方針を「健全な区財政の運営を基本に置き、第三次実行計画を着実に推進するとともに、区政の総合力の向上と区政課題の解決に向けて進取果敢に取り組む予算」と位置付け、第一に、社会経済情勢の動向を的確に見極めながら、限られた財源を効果的かつ重点的に配分すること、そして、第二に、徹底した事務事業の見直しと経費の削減に取り組むとともに、財源の的確な捕捉による一層の歳入確保を図ること、この二点を基本に編成しました。
一般会計は1,878億円で、前年度と比較して6億円、0.3%の減となり、3つの特別会計を合わせた令和8 年度予算案の総額は2,639億円で、前年度と比較して5億円、0.2%の増となりました。
一般会計は、人件費や扶助費が増となったものの、新宿文化センターの設備整備や西新宿小学校校舎の増築の終了などにより普通建設事業費が減となり、歳出総額が対前年度6億円、0.3%の減となりました。
特別区税や地方消費税交付金などの一般財源の72億円の増に加えて、予算編成方針に掲げた事業のあり方や実施体制の検証、決算不用額等精査やマイナスシーリングよる財源確保、また区有財産の有効活用等によって、48億円の一般財源を確保し、財源不足額は前年度と比較して32億円、67.6%減の15億円に圧縮できました。
今後もエネルギー・食料品価格の高騰、金融資本市場等の変動や今後の税制改正に関する議論など社会経済情勢の不透明な状況が想定される中、少子高齢化における社会保障関連経費の増加、デジタル化への対応、脱炭素化への取組、災害リスクへの備え、公共施設の老朽化に伴う更新・改修需要など、必要経費は将来に向かって更に増加することが見込まれます。
このような状況においても、将来にわたり良質な区民サービスを提供し続けるためには、安定した財政基盤を確保しなければなりません。そのためには、社会経済情勢を慎重に見極めながら、将来需要を的確に捕捉し、更なる歳入の確保と歳出の削減を図ることが不可欠です。
区民サービスの向上に資するデジタル化を進めるとともに、不断の行財政改革に徹底して取り組み、区政を取り巻く環境の変化に対応した持続可能な行財政運営に努めていきます。
4 おわりに
以上、区政の基本方針と施策の大綱について、所信の一端を申し述べてまいりました。
今後も、現場現実を重視し、区民の皆様の声をお聴きしながら、誰もが安心して住み続けられる新宿のまちの実現に向けて、全力で取り組んでいきます。
議会並びに区民の皆様のご理解とご支援を心からお願い申し上げまして、区政の基本方針説明を終わらせていただきます。
令和8年第一回定例会の開会にあたり、議会並びに区民の皆様に、区政の基本方針と施策の大綱について、所信の一端を申し述べます。
本定例会では、令和8年度一般会計予算案をはじめ、多くの議案をご審議いただきます。何とぞ、議会並びに区民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
はじめに、我が国の経済情勢を見ますと、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待されています。
しかしながら、今後の物価動向や米国の通商政策をめぐる動向などの景気を下押しするリスクには留意が必要です。また、金融資本市場の変動等の影響に引き続き注意する必要があります。
区財政を取り巻く環境は、区の主要な財源である特別区民税や特別区交付金が区民の所得環境及び企業収益の改善に伴い増加しているものの、長引く物価高騰の影響や、社会保障関連経費及び施設更新需要の増大、ふるさと納税や不合理な税制改正による影響など、依然として不透明であり引き続き予断を許さない状況です。
令和8年度のふるさと納税の影響額は50億円を超える見込みで、その影響は拡大しています。また、令和8年度与党税制大綱では地方法人課税に対する措置に加え、東京都が課税する特別区の土地に係る固定資産税について、著しく税収が偏在しているとして令和9年度以降の税制改正において結論を得るとされ、特別区の貴重な税源をさらに吸い上げる動きが見受けられます。特別区長会としても、緊急声明を発表するなど、適時反論をしていますが、予断を許さない状況です。
こうした状況にあっても、健全な区財政の運営を基本に置き、第三次実行計画を着実に推進するとともに、区政の総合力の向上と区政課題の解決に向けて進取果敢に取り組まなければなりません。
このため、私の区政に対する2つの基本姿勢である「現場・現実を重視した柔軟かつ総合性の高い区政」と「将来を見据えた政策の優先順位を明確にした区政」のもと、区民の皆様が住み慣れたまちで住み続けられるように、また、未来を担う子どもたちが健やかに成長できるように、力を尽くしていきます。
2 令和8年度の区政運営の基本認識
次に、令和8年度の区政運営にあたり、私の基本的な認識を申し述べます。
はじめに、「新宿区基本構想と総合計画の策定」についてです。
現基本構想の策定から18年が経過し、この間、少子高齢化の進展とそれに伴う年齢構成のバランスの変化、首都直下地震や南海トラフ地震の切迫性の高まり、気候変動に伴う大型台風や局地的集中豪雨の増加、国内外からの来街者の増加に伴う生活環境への影響、急速なデジタル化の進展など、区や区民を取り巻く環境は大きく変化してきました。
こうした状況も踏まえ、区では、現在、令和10年度から先の新宿の道しるべとして、区が目指すべき将来像を明確にするとともに、区民と共有することを目的に、基本構想と総合計画の策定に取り組んでいます。
令和7年度は、現行の総合計画について庁内検証作業を行いましたが、令和8年度は、ICTなど多様な手法を活用し、世代を超えて広く区民参画の機会を確保するため、区民アンケート調査、区民討議会、しんじゅく若者会議を実施するとともに、基本構想審議会や都市計画審議会において、これからの新宿区の目指す姿について、一層の議論を深めてまいります。
また、区有施設のマネジメントを総合的かつ計画的に行うため、「公共施設等総合管理計画」についても、令和9年度の改定に向けた作業を進めてまいります。
次に、「オーバーツーリズム等の来街者対策」についてです。
区においても、一年を通じて繁華街を中心に多くの観光客が訪れていますが、オーバーツーリズムの影響により、区民生活には年々深刻な影響が出ています。特に、民泊の増加に伴うごみや騒音などの区への苦情は年々増えており、区は現地調査のうえ、事業者への指導を行っています。
昨年は、住宅宿泊事業法違反を繰り返す民泊事業者に対して、東京都内で初めてとなる業務停止命令や業務廃止命令などの処分を行いました。今後も、監視指導体制を強化し、法違反を繰り返す事業者に対して、毅然とした姿勢で対応してまいります。
また、大久保通り周辺の混雑対策については、昨年12月に歩行空間を確保するため、混雑区間の街路樹の移植を行いました。引き続き、雑踏警備や迂回誘導の実施などに取り組むとともに、安全に通行できる歩行スペースの確保に向けて、関係機関との調整を行っていきます。
さらに、新宿観光振興協会と連携した人流の集中を防ぐための取組を実施することで、大久保地区の回遊性の向上を図り、混雑緩和につなげていきます。
次に、「防災対策の強化」についてです。
首都直下地震や南海トラフ地震の切迫性が高まる中、区民の生命と安全を守るため、防災対策の一層の強化を図ります。
建築物等耐震化支援事業については、引き続き、木造・非木造建築物や特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震改修工事費補助や、エレベーター防災対策改修への助成を実施します。
令和8年度は、非木造建築物の耐震診断費と補強設計費について、1平方メートル当たりの補助上限額を引き上げるとともに、耐震化が必要な住宅に重点的な支援を行うため、未耐震住宅の調査を実施し、住宅の耐震化を促進していきます。
高齢者や障害者を対象とした福祉防災については、これまで運用してきた要配慮者災害用セルフプラン及び災害時要援護者名簿を見直し、災害対策基本法に基づく「個別避難計画」として位置付けることで、要援護者支援の実効性を高めてまいります。
また、福祉避難所ごとの課題を踏まえた運営の検討や訓練などに取り組むとともに、福祉避難所ではエアーベッドやパーソナルテントなど要配慮者の特性に応じた備蓄物資の充実を図ります。
次に、「物価高騰対策」についてです。
物価高騰の影響が長期化する中、区民生活の安定と地域経済の活性化を図るため、引き続き総合的な対策を講じます。
国が昨年末に取りまとめた総合経済対策を踏まえ、昨年12月に、区議会臨時会で議決をいただいた低所得者等を対象とした物価高騰対策臨時給付金事業について、本年3月から対象となる世帯に給付金の支給ができるよう準備を進めています。
子育て世帯への支援では、区独自の入学祝い金や学校給食費の無償化を引き続き実施します。また、昨年9月から開始した保育所等の第1子の保育料無償化を継続するとともに、物価高対応子育て応援手当の支給を本年2月下旬から開始します。
そのほか、保育所や幼稚園等の安定的な事業運営の継続のため、食材料費等の高騰に対応する支援を行うほか、新宿区商店会連合会が実施する商品券事業への助成を引き続き行います。
また、商品券事業に加えて、オリジナルキャラクターの制作や商店会紹介冊子の作成などに係る経費の一部も助成し、商店会への加入促進や魅力発信の取組も支援してまいります。
こうした取組を通じて、区民生活の安定と地域経済の持続的な発展を支え、社会経済情勢の変化に機動的に対応してまいります。
さらに現在、東京都の令和8年度当初予算案で示された各種補助金を活用した事業について、実施に向けた検討を進めています。今後も国や都の動向を的確に捕捉し、迅速に区民へのサービスの提供に繋げてまいります。
以上の取組と合わせ、子育て世帯への支援、公共施設の更新、歌舞伎町対策など、多くの区政課題に適切に対応し、区民の皆様が安心して暮らせるよう、確かな歩みを進めるとともに、引き続き、基本構想に掲げる“ めざすまちの姿”「『新宿力』で創造する、やすらぎとにぎわいのまち」の実現に向けて、「暮らしやすさ1番の新宿」、「新宿の高度防災都市化と安全安心の強化」、「賑わい都市・新宿の創造」の実現に向けた取組と、これらを下支えする「健全な区財政の確立」・「好感度1番の区役所」とを合わせた「5つの基本政策」を柱として、施策を推進してまいります。
3 基本政策と主要施策の概要
このような認識を踏まえ、取り組む主要な事業について、5つの基本政策に沿って申し述べます。
3 .1 5 つの基本政策と主要事業の概要
基本政策の第一は「暮らしやすさ1番の新宿」です。
はじめに、生涯にわたり心身ともに健康で暮らせる健康寿命の延伸に向けた取組の充実についてです。多くの区民の皆様が健康づくりに積極的に参加できるよう、「しんじゅく健康ポイント」における新規参加者数の拡充や、「しんじゅくシティウォーク」の定員拡大を図り、気軽に健康づくりに参加するきっかけを提供してまいります。また、昨年12月から開始した「しんじゅく健康ポイント」と「東京都公式アプリ」の連携を引き続き実施し、東京都の提供するサービスも受けることができるようにすることで、「しんじゅく健康ポイント」への参加者増へとつなげてまいります。
高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施事業については、これまでの低栄養者へのアプローチに加え、高齢者の健診・医療情報等に基づき、過去2年間、医療機関や健診の受診歴、介護認定が確認できない方に対して、リスクに応じた新たなアプローチを行います。
また、地域における在宅療養支援については、医療と介護が連携し、ICTネットワークやデジタル技術の活用等による効果的な情報共有や、24時間診療体制の確保など、在宅療養患者を支える体制を強化するため、新宿区医師会の取組を支援してまいります。
次に、住み慣れた地域で暮らし続けられる地域包括ケアシステムの推進についてです。
認知症高齢者やその家族の支援ニーズと認知症サポーターを中心とした支援をつなぐ仕組みであるチームオレンジの活動を推進するため、これまで活動してきたチームオレンジ「えがお」と「ランプカフェ落合」の2グループに加え、新たに1グループを追加します。
介護事業者への支援では、介護サービス事業所間でケアプラン情報を連携できる、国の「ケアプランデータ連携システム」について、介護現場の負担軽減と生産性向上を図るため、説明会や研修会の開催など導入促進のための支援を行ってまいります。
補聴器助成については、近年、難聴により様々な生活リスクに直面するヒアリングフレイルへの関心が高まっていることから、加齢性難聴への早期の気づきと支援につなげるため、対象年齢を65歳以上に引き下げます。また、対象年齢の引き下げに合わせ、補聴器の支給を両耳に拡充するとともに、補聴器購入費の助成上限額を引き上げます。
また、「高齢者見守り登録事業」では、緊急時に登録連絡先へ速やかに連絡できるよう配布している見守りキーホルダーや見守りシールの配布対象者を拡充し、高齢者の見守り体制を充実していきます。
これらの高齢者保健福祉施策及び介護保険サービス体制整備を着実に推進するため、令和8年度は「新宿区高齢者保健福祉計画・第10期介護保険事業計画」を策定し、誰もが人として尊重され、共に支え合う地域社会を目指します。
次に、障害者がいきいきと暮らし続けられる環境の整備についてです。
本年1月に開設した障害者グループホーム「滝乃川学園ともいろ」では、新たな地域生活支援拠点として、短期入所の緊急枠を確保するとともに、拠点コーディネーターを配置し、緊急時に障害者を着実に受け入れる体制整備を行いました。
今後は、早稲田南町児童館等複合施設の新施設及び現施設の活用方針に基づき、民設民営による障害者グループホーム等の設置に向け検討を進めてまいります。
そのほか、重症心身障害児等を介護する保護者等の負担を軽減するため、在宅レスパイト等サービスの現行の利用上限時間を2倍の288時間まで拡充するとともに、令和7年度から導入した0歳から2歳の第1子に係る児童発達支援等サービス利用料及び食材料費の無償化を令和8年度以降も継続していきます。
これらの障害者施策を推進するため、令和8年度は「第4期新宿区障害児福祉計画・第8期新宿区障害福祉計画」を策定します。
次に、安心できる子育て環境の整備についてです。
産後の支援では、区民が希望する産後ケアサービスに応じた支援施設を選択できるようにすることで、より区民ニーズに沿った支援ができるよう見直します。また、ショートステイ型及びデイサービス型の支援施設をそれぞれ1施設ずつ追加するとともに、アウトリーチ型の支援施設として2施設を追加します。さらに、本年10月から新たに産婦健康診査や1か月児健康診査を実施し、産後うつの予防や虐待の予防を図る支援を充実させます。
また、各保健センターにおいて、子どもたちの個々の特性を早期に把握し、必要に応じて適切な支援につなげるため、本年7月から5歳児健康診査を実施してまいります。
保育基盤の整備では、待機児童ゼロが継続されていることから、適正な保育定員を確保することで、引き続き子育てしやすい環境を維持してまいります。また、保育園や幼稚園等に通っていないお子さんが定期的に通園できる新宿区乳児等通園支援事業を令和8年度から開始します。原則週1回以上、年度末まで、定期的に利用していただくことで、健やかな子どもの育ちを後押しするとともに、保護者の孤独感や孤立感の解消につなげてまいります。
児童相談体制の整備については、引き続き、区の現状と地域特性を踏まえた相談体制の充実を図るため、東京都と連携し、子ども総合センター分室を連携拠点に位置付けるほか、職員の専門性向上のための相互派遣を行うなど、都と区が一体となって虐待等へ対応していきます。
放課後の子どもの居場所の充実に向けた取組では、保護者が就労している児童が増加傾向にあることを踏まえ、学童クラブ及び放課後子どもひろば事業のさらなる充実を図り、ニーズに合った放課後の居場所を選択できるよう事業を推進してまいります。令和8年度は、余丁町学童クラブを新たに開設するとともに、鶴巻小学校内学童クラブ、落合第四小学校内学童クラブの定員の拡充を図っていきます。また、令和9年度の戸塚第一小学校内学童クラブの定員拡充に向けた準備も進めてまいります。
朝の子どもの居場所づくりについては、朝の見守りやサポート体制を強化することで、保護者の負担軽減や子どもの不安感の解消を図っていきます。そのため、準備の整った区立小学校から試行実施し、児童の安全・安心な居場所を提供してまいります。
こうした取組のほか、ひとり親家庭の生活を支援するため、これまで実施してきた公正証書作成費用助成の上限額を引き上げるとともに、新たに裁判外紛争解決手続費用助成を創設します。
次に、未来を担う子どもたちの生きる力を伸ばす教育の充実についてです。
不登校児童・生徒の学びの継続や社会的自立に向け、児童・生徒やその保護者への相談・助言等を行う「家庭と子供の支援員」の派遣校を拡充するとともに、図書館等を活用した、訪問型支援・けやきルームの実施箇所を4か所から5か所に拡充します。また、引き続き、不登校対策に関するイベントを実施していきます。
特別支援学級等の設置・運営については、自閉症などにより、通常の学級での指導では十分な成果を上げることが難しい児童・生徒を対象に、1学級8人の少人数の学級を設置し、一人ひとりの状況に応じた適切な指導を行っていきます。令和8年度は、天神小学校と新宿中学校で設置の準備を行い、令和9年4月から児童・生徒の指導を開始します。
未就学児の教育の充実については、子どもたちの豊かな心を育てるため、幼稚園や保育所等の環境や強みを活かしながら、乳幼児の興味・関心に応じた探究活動を行う「とうきょうすくわくプログラム」を引き続き実施します。令和8年度は区立幼稚園での実施を全園に拡充します。
このほか、友好提携都市の伊那市の農産物を活用した給食提供回数を拡充し、食を通じた伊那市との連携をさらに推進していきます。
また、新宿コズミックセンタープラネタリウムについては、設備を更新することで、引き続き、子どもたちのより深い学び・理解につなげていきます。
こうした取組の指針となる新たな教育ビジョンの策定に向けて、令和8年度は、児童・生徒、保護者などへのアンケート調査を実施し、その意見を教育ビジョン検討会議等において議論した上で、教育ビジョンの骨子を作成します。
次に、セーフティネットの整備充実ですが、ホームレスや生活保護受給者、生活困窮者の自立支援に継続して取り組むとともに、貧困の連鎖を防止するため、子ども本人の意向を踏まえた多様な進路選択が行えるよう被保護世帯を含む生活困窮世帯の子どもたちへの学習支援の充実を図っていきます。
また、熱中症対策として、東京都が実施を予定している「低所得世帯向けエアコン設置区市町村等緊急支援事業」を活用したエアコンの購入費用の助成については、実施に向けた準備を進めてまいります。
次に、女性や若者が活躍できる地域づくりの推進については、引き続き、ワーク・ライフ・バランスの推進として働きやすい職場環境づくりに向けた支援を行うほか、家事・育児や介護に男性の参加を促す支援を行い、様々な業界で女性が活躍できるようにデジタルスキルの習得を支援する「女性デジタル人材育成支援事業」を実施してまいります。
次に、地域の課題を共有し、ともに考え、地域の実情に合ったまちづくりの推進についてです。
町会・自治会活性化への支援については、「情報発信力の強化」や「若い世代の加入」など、「町会・自治会が抱えている課題を解決するため、専門家による複数の支援メニューを組み合わせて利用できるプログラム型の支援を行います。
また、電子回覧板の実証実験の対象地区を拡大し、迅速な情報伝達を実現するとともに、町会・自治会に管理を委託している掲示板をマグネット式に更新し、作業の負担軽減を図ります。
次に、地域での生活を支える取組の推進についてです。
新宿区勤労者・仕事支援センターを中心に、就労意欲のある障害者や高齢者、若年非就業者などに対し、総合的な就労支援を引き続き実施していきます。
お亡くなりになった区民のご遺族の負担軽減を図る取組として、区役所における各種手続きについての相談窓口「おくやみ相談」を設置します。電話相談のほか、事前予約制による対面相談を実施し、「おくやみガイドブック」を活用した手続き案内や、相続に必要な戸籍謄本等の申請支援、資格証等の返納受付を行っていきます。
また、特別区区民葬儀利用者の経済的負担を軽減するため、令和8年度から当面の間、特別区指定の民間火葬場を利用した方を対象に、特別区内の公営及び区民葬儀取扱業者である民間火葬場の一般料金の平均額と区民葬儀の火葬料金との差額を助成します。
区立住宅の管理については、民間事業者の創意工夫やノウハウを活かし、これまで区が実施してきた入居者管理・入居者募集等と、事業者に委託していた修繕業務を包括委託することで、入居申込のオンライン化や問合せ窓口の一本化など、区民サービスの更なる向上を図ります。
こうした取組のほか、高齢化の進行や住宅の老朽化、マンション管理の課題に対応し、誰もが安心して住み続けられる住環境の実現を目指し、昨年3 月に策定した「新宿区マンションまちづくり方針」の内容を反映した「第5次住宅マスタープラン」の策定に向けた検討を開始します。
次に、基本政策の第二の「新宿の高度防災都市化と安全安心の強化」です。
昨年1月に改定した「新宿区耐震改修促進計画」に基づき、これまで以上にスピード感をもって耐震化を促進してまいります。
木造住宅密集地域の防災性強化では、若葉・須賀町地区において、老朽化した木造住宅の建替えや共同化を推進するとともに、道路、公園等の公共施設を整備し、地区の防災性の向上と住環境の改善を図ります。引き続き、共同建替え等にあわせた道路等の基盤整備を促進しながら、まちの不燃化を進めていくため、新たな道路用地の買収等に取り組みます。
再開発による市街地の整備について、西新宿五丁目南地区では、令和8年度に都市計画決定に向けた手続き等を進め、令和9年度の組合設立認可を目指してまいります。
また、西新宿三丁目西地区においては、令和9年度の権利変換計画認可を目指し、権利者の合意形成などを進めていきます。
さらに、西新宿六丁目16番地区においては、地元におけるまちづくりの機運の高まりを受け、令和8年度に都市計画決定に向けた手続き等を進め、令和10年度の組合設立認可を目指してまいります。
災害に強い都市基盤の整備については、道路の無電柱化を推進することにより、歩行空間のバリアフリー化や美しい都市景観の創出を図ります。令和8年度も引き続き、女子医大通り、四谷駅周辺、上落中通り、水野原通りの整備に取り組んでまいります。
また、区内の無電柱化整備の更なる加速化を図るため、「新宿区無電柱化推進計画」を改定します。
橋りょうの整備については、「新宿区橋りょう長寿命化修繕計画」に基づき、計画的な補修・補強を実施することにより、健全かつ安全な維持管理を推進します。令和8 年度は、新開橋、万亀橋の補修工事を実施します。
また、台風・集中豪雨時等における区民への情報提供を強化するため、河川に近づくことなくリアルタイムに水位の確認ができるように、監視映像配信カメラを設置し、YouTubeで配信します。
次に、災害に強い体制づくりでは、昨年度に引き続き、令和7年度も総合防災訓練を実施しました。この訓練は、災害発生時における初動対応の円滑化を図り、地域の防災力向上につながる重要な取組です。今後も定期的に実施していくとともに、区民の皆様が参加しやすい体験型の訓練など、より効果的な内容を検討してまいります。また、アンケート結果などを踏まえ、より効果的な訓練内容となるよう検討するとともに、参加団体との意見交換の場を充実するなど、連携体制を強化し、地域防災力の向上を図っていきます。
次に、暮らしやすい安全で安心なまちの実現についてです。
大久保公園周辺地域について、来街者の安全を確保し、秩序ある環境を維持するため、昨年7月より、17時から22時までの間、青色防犯パトロールカーによる巡回活動を実施しています。令和8年度からは、活動時間を16時から23時まで拡大するなど、引き続き、安全・安心のまちづくりに取り組んでまいります。
また、国内外からの来街者の増加が予想されるハロウィン時期には、引き続き、必要な周知啓発を徹底するとともに、路上飲酒の制限及び雑踏事故防止対策を実施してまいります。
これまで区が行ってきた、路上喫煙者への注意喚起やポイ捨て防止の指導を、さらに強化するため、高田馬場駅前広場において、新たに16時から23時まで夜間の路上喫煙禁止等パトロールを実施します。
防犯機器等購入緊急補助事業については、東京都の補助金を活用した防犯機器等の購入費補助を、昨年5月から実施しています。令和8年度からは、東京都の補助金が2万円から1万円に減額される予定ですが、区では減額分を上乗せして、引き続き上限額2万円で、購入補助を行います。あわせて、防犯対策用品の展示会、新聞折り込みチラシ等を通じて制度の周知を図り、防犯対策用品設置の後押しをしていきます。
インターネットの普及や電子商取引の増加に伴い、消費生活に関するトラブルは、ますます複雑化・多様化しています。特に高齢者等は、被害に遭っていること自体に気づかず、また、被害に遭っても一人で抱え込んでしまうケースが見受けられることから、消費生活相談員による、アウトリーチ型の消費者相談の取組を強化します。
次に、感染症の予防と拡大防止についてです。
冬季に流行するインフルエンザについて、集団生活を営む機会の多い高校3年生相当までの子どもの集団感染等を防ぐため、昨年、小児インフルエンザ任意接種の対象年齢を13歳未満から高校3年生相当年齢まで引き上げました。令和8年度も引き続き実施し、子どもの健康保持と感染拡大防止に取り組みます。
また、HIV・性感染症については、まん延防止のため、歌舞伎町シネシティ広場や大久保公園周辺の繁華街において、若者などを対象とした普及啓発や健康相談等を引き続き実施するなど、性感染症対策に取り組んでまいります。
さらに、国が予定している予防接種法の改正などに向けて、本年4月からの妊婦を対象としたRSウイルスワクチンの定期接種化や、高齢者用肺炎球菌ワクチンの変更に必要な準備を行っていきます。
また、東京都が実施を予定している補助金を活用し、男性を対象としたHPVワクチンに新たに9価ワクチンを追加する準備も行ってまいります。
このほか、東京都新宿都税事務所との合築施設である新宿合同庁舎については、東京都と連携しながら建替えを進め、新たな庁舎を新宿区保健所等として活用し、感染症まん延時などの非常時に、総合的かつ迅速な対応を取りやすい体制を構築します。
次に、良好な生活環境づくりの推進についてです。
管理不全及び特定空家等への対策については、本年3月に改定する新たな「空家等対策計画」に基づき、総合的かつ計画的に推進してまいります。
屋外におけるねずみ対策については、これまで歌舞伎町地区や大久保・百人町地区で実施してきた繁華街ねずみ対策の効果検証を踏まえ、ねずみが生息しにくい環境づくりに取り組んでまいります。
区民の皆様や事業者に対して、ねずみの繁殖を防ぐための知識やごみの適切な管理方法を周知するとともに、ねずみの被害があるエリアに対し、専門業者によるコンサルティングを行い、調査・分析結果に基づく効果的な対策を促します。
次に、基本政策の第三、「賑わい都市・新宿の創造」です。
はじめに、回遊性と利便性の向上による魅力的で歩いて楽しいまちづくりについてです。
新宿駅直近地区では、「新宿の拠点再整備方針」に基づき、新宿グランドターミナルとして、駅や駅前広場、駅ビル等の一体的な再編に取り組んでいます。
令和8年度は、新宿駅東口における都市施設や地区計画などの都市計画変更を行います。また、新宿グランドターミナルの再編整備で新設される公共的空間の案内サインの計画検討を、関係者と連携しながら進めてまいります。
次に、誰もが安心して楽しめるエンターテイメントシティの実現についてです。
歌舞伎町地区における、シネシティ広場周辺の滞留者やごみの不法投棄などは、新宿全体のイメージに大きな影響を与えています。
歌舞伎町ルネッサンス推進協議会では、賑わいを求めるだけではなく、安全性やクリーンさを追求すべきであると述べてきました。一朝一夕で解決できる課題ではありませんが、地区内の様々な課題を解決するため、令和8年度の「( 仮称)歌舞伎町エリアマネジメント基本方針」の策定に向け、精力的に検討を進めてまいります。
次に、地域特性を活かした都市空間づくりについてです。
昨年3月に策定した「マンション等まちづくり方針」に基づき、「新宿区大規模マンション及び開発事業に係る市街地環境の整備に関する条例」を制定し、歩道状空地や子育て支援施設等の整備、地域と連携した防災訓練の実施などを促すことで、区と開発事業者が連携して良好な市街地環境の形成や防災性の向上等に取り組み、誰もが安心して住み続けられる地域社会の実現を目指します。
また、「ワンルームマンション等の建築及び管理に関する条例」を改正し、対象を拡大することで、近隣とのトラブル防止を図るとともに、宅配ドライバーやマンション管理人の担い手不足等の社会問題にも対応していくため、建築及び管理に関する基準を見直すことで、持続可能な住環境の形成を推進していきます。
高田馬場駅周辺地区については、地域課題やまちの将来像を区民・事業者・行政等が共有し、連携して広域的なまちづくりを進めるため、引き続き「高田馬場駅周辺エリアまちづくり方針」の実現に向けた検討を進めていきます。
また、飯田橋駅東口周辺地区では、基盤整備ビジョンの実現に向け、地元組織と再開発の協議を実施するとともに、東京都と新宿区を含めた周辺3 区等による基盤整備推進会議において、複数の都市開発と連携した一体的な都市基盤整備を効果的に実現するための事業手法等について検討を進めます。
このほか、環状4号線沿道富久地区においては、地元の方々から出されたご意見を丁寧に伺いながら、令和8年度にまちづくり構想及びまちづくりルールの検討を進めます。
次に、誰もが自由に歩ける、利用しやすく、わかりやすいまちづくりについてです。
誰もが利用しやすく、わかりやすい質の高い都市空間を創出するため、建築等の計画段階から協議を行い、ユニバーサルデザインに配慮したまちづくりを進めていきます。
また、「新宿区移動等円滑化促進方針」に基づき、高齢者や障害者など当事者の皆様との意見交換を実施していくとともに、民間事業者とも連携しながらバリアフリーの道づくりを進めています。
令和8年度は、中井通りと曙橋通りの整備を行い、新たに津の守坂通り、落合第二特別出張所前区道の設計委託を実施します。
次に、道路環境の整備についてです。
道路の改良については、引き続き早大通りの車道の改良工事及び江戸川橋通りの歩道の拡幅や点字ブロックの設置などに向けた整備を進めていきます。
道路の環境対策については、令和8年度で道路の街路灯のLED化を完了させます。また、引き続き、道路の遮熱性舗装を実施するとともに、新たに環境に配慮したアスファルト舗装等の試験施工を進め、ヒートアイランド現象の抑制や工事におけるCO₂の排出抑制を目指していきます。
次に、交通環境の整備についてです。
歩行者、自転車、自動車それぞれが、安全かつ安心して通行できる道路空間の創出に向けて、「新宿区自転車ネットワーク計画」に基づき、自転車通行空間を整備してまいります。
また、商業施設等に対して施設の規模に応じた駐輪場の設置を義務付ける「駐輪場附置義務制度」については、新たに共同住宅や事務所を対象に加えるとともに、地域特性に合わせた駐輪場を設置できるよう、「新宿区自転車等の適正利用の推進及び自転車等駐輪場の整備に関する条例」の改正を行い、令和8年度は具体的な取組内容を検討してまいります。
さらに、本年3月末より、落合第一・落合第二・戸塚特別出張所管内の一部区域において、昨年の検証結果を踏まえ、乗降場所の増設等を行い、「AIオンデマンド交通」の実証運行を実施します。引き続き、新たな地域交通の導入に向けて交通事業者等と検討を進め、高齢者や障害者、子育て世代など、誰もが快適に移動でき、住み続けたいと思える新宿のまちの実現を目指してまいります。
このほか、道路における交通の安全を確保するため、老朽化した案内標識等の修繕を実施し、あわせてローマ字表記から英語表記に更新します。
次に、豊かなみどりの創造と魅力ある公園等の整備についてです。
新宿中央公園では、令和6年度から整備工事を進めてきた「花のもり」が完成しました。植物の多彩な魅力を活かした空間整備とユニバーサルデザインの推進をコンセプトに、新たな花壇の整備や段差の解消などを実施し、植物の魅力を誰もが楽しめる空間になりました。本年3月14日には、「花のもり」の完成を記念して、様々なイベントや記念式典を開催します。
みんなで考える身近な公園の整備では、令和8年度に、「榎町公園」の再整備を行うとともに、「高田馬場駅西児童遊園」について、地元の皆様からの意見を聞きながら再整備に向けた計画を作成します。
また、区立公園におけるみどりの保全に向けて、令和6年度から4年間にわたり公園樹木の健全度調査を実施しています。引き続き、必要な樹木に対し精密診断等を実施し、利用者や近隣住民の方の安全・安心の確保に取り組みます。
区の貴重な観光名所、景観資源である神田川の桜並木については、昨年3月に改定した「新宿区街路樹管理指針」や生育状況及び生育環境を踏まえ、桜並木の承継に向けた取組を進めます。令和8年度は小滝橋から瀧澤橋までの区間を対象に、区民等の参加のもと第2期アクションプランを作成し、未来に向けて桜並木を維持できるよう取り組んでまいります。
このほか、令和7年度に実施したみどりの実態調査を踏まえ、令和8年度は生物多様性地域戦略素案を検討し、令和10年度からの区の緑の保全・創出・活用の指針となる「みどりの基本計画」の策定に向けて取り組んでまいります。
次に、地球温暖化対策の推進についてです。
「第三次環境基本計画」に基づき、地球温暖化対策の取組を一層推進し、ゼロカーボンシティ新宿の実現を目指します。
そのため、区民や事業者向けの省エネルギー機器等の設置助成について、補助件数を拡充するとともに、事業所向け「LED照明」や「高効率空調設備」については、CO₂削減の実効性を高めるため、補助制度の見直しを行います。
また、伊那市、沼田市、あきる野市にある3つの「新宿の森」のカーボン・オフセット事業では、伊那市において植林を実施し、CO₂吸収量の増大を図ります。
さらに、区内大学と連携し、学生の視点からCO₂削減に向けて自分たちが実践できる取組について、令和8年度は、ごみ分別をテーマとして、日本語学校の生徒と日本人大学生によるワークショップを開催し、若者の環境意識の普及啓発を図ります。
次に、資源循環型社会の構築についてです。
区民、事業者、区の意見交換の場である「3R推進協議会」を運営し、相互に理解を深めながら、ごみの減量とリサイクルの促進に取り組んでまいります。
食品ロス削減については、「食品ロス削減協力店登録制度」やフードドライブの取組を引き続き推進します。
資源プラスチックの回収では、令和9年度からの再商品化計画策定に向けて実施した調査結果を踏まえ、プラスチックの正しい分け方・出し方の周知用動画を作成し、資源プラスチックの回収量の増加につなげていきます。
また、資源・ごみ分別アプリ「さんあ~る」に、画像等により分別方法の検索ができるチャットボット機能を追加し、収集日や分別方法を分かりやすく表示することで、ごみの適正排出を向上させます。
次に、活力ある産業が芽吹くまちの実現についてです。
新宿の魅力の更なる発信と地域経済の活性化を図るため、新たな「新宿逸品」認定制度では、土産部門として認定された商品について、ECサイトや百貨店の通販カタログを活用した、販路拡大支援を実施します。さらに、令和8年度は、外食・テイクアウト部門の商品を認定し、同様の販路拡大支援の検討を進めます。
創業支援施策の推進については、新たに中小企業持続発展支援として創業サポート事業を立ち上げ、区内団体と連携したスタートアップ支援を行います。また、高田馬場創業支援センターについては、同様の機能を持つ民間の創業支援施設が多数開設され、創業形態も多様化しているなど、センター開設時から創業を取り巻く社会状況が変化したことから、施設の廃止に向けた検討を行うとともに、新たな創業支援施策について検討してまいります。
次に、魅力ある商店街の活性化に向けた支援についてです。
区では、商店会等が実施する、まちのにぎわいや交流を創出するためのイベントや、街路灯の設置・改修等を支援する「にぎわいにあふれ環境にもやさしい商店街支援」事業を実施しています。令和8年度は、子ども向けに実施するイベントや、都外の団体と連携するイベントの補助を拡充するなど、商店街事業の充実を支援してまいります。
次に、新宿の多様な魅力による賑わいの創造についてです。
「新宿フィールドミュージアム」は年間を通した文化情報の発信を強化するほか、昨年リニューアルオープンした新宿文化センターでのホール公演イベントを再開するとともに、複数ジャンルによるコアイベントの検討を進めてまいります。
また、友好提携都市「伊那市」とは、これまでさまざまな交流を重ねてきました。区立学校の給食に伊那市産の農産物を活用する取組のほか、誕生祝品として贈られる木のおもちゃは、伊那市で製作されています。そのほか、両市区の観光振興を図る物産イベント「伊那市フェアin新宿」の開催など、これまで伊那市とは様々な取組をつづけてきました。今年は友好提携を宣言してから20年目の節目の年を迎えるにあたり、本年8月に友好提携20周年を記念する式典を開催します。今後もこれらの取組を通じて、伊那市との交流を推進してまいります。
さらに、令和8年度は、新宿区成立80周年を迎えます。
区成立80周年記念事業として、令和9年3月15日に祝賀式典を開催するとともに、直近10年間の区の歩みを年表や写真を中心に記録した区史を作成し、歴史の継承と未来への礎を築いてまいります。
次に、国際観光都市・新宿としての魅力の向上についてです。
新宿区の魅力を世界に発信するため、新宿観光振興協会が実施するAIを活用した区内のイベント情報の収集・発信の強化の取組を支援します。
また、新宿観光振興協会と連携し、外国人旅行者に向けて滞在中のマナーを啓発するために、新宿観光振興協会ホームページでは、ごみの捨て方やピクトグラムを活用した分かりやすい情報発信を行うほか、新宿観光特使「ゴジラ」を活用した啓発グッズの配布などを行います。こうした取組により、旅行者と地域住民がともに安全・安心に過ごせる環境づくりを進めてまいります。
次に、生涯にわたり学習・スポーツ活動などを楽しむ環境の充実についてです。
東京2020オリンピック・パラリンピックのレガシーを継承するとともに、東京2025デフリンピック開催により、高まった障害者スポーツへの関心や気運を向上させるため、新たにアウトリーチ型の障害者向け運動教室を実施します。
また、新宿区スポーツ施設整備基金を活用し、令和9年度のリニューアルオープンを目指して落合中央公園野球場の夜間照明LED化等工事及び人工芝等張替工事を実施するとともに、西落合公園庭球場の人工芝等張替工事を行い、スポーツ環境の充実を図ってまいります。
次に、多文化共生のまちづくりの推進では、外国人住民の地域における生活ルールの理解やマナー向上のために、引き続き新宿生活スタートブックや外国人向けホームページなどによる周知啓発に取り組むとともに、しんじゅく多文化共生プラザを拠点としたネットワーク事業などに総合的に取り組んでまいります。
次に、平和都市の推進についてです。
「親と子の平和派遣」に参加した親子で構成されている、「新宿区平和派遣の会」では、地域において平和の大切さや戦争の悲惨さを広く発信する役割を担っています。今後も継続的に区内の平和啓発活動に取り組んでいただけるよう、令和8 年度から「新宿区平和派遣の会」に対する補助制度を新たに創設して支援を行ってまいります。
また、戦争体験者が減少する中、その証言を次世代に継承するため、平和都市宣言40周年を迎える本年3月15日に実施する平和のつどいで、デジタル版「新宿区戦争体験談集」の公開を予定しています。今後は、この貴重な記録を、区ホームページやSNSを通じて広く公開するとともに、学校教育の場でも積極的に活用し、次世代に平和の尊さを伝えてまいります。
次に、3つの基本政策を下支えする基本政策、「健全な区財政の確立」と、「好感度1番の区役所」についてです。
はじめに、DXの推進による区民サービスの向上についてです。
区では、区民の利便性を高め、より利用しやすい窓口環境を実現するため、フロントヤード改革を推進しています。
申請時の負担を軽減する取組として、マイナンバーカードや運転免許証等を読み取り、氏名や住所などを申請書に自動転記できる「窓口受付支援システム」を昨年8月に戸籍住民課及び四谷・大久保特別出張所に試行導入しました。本年2月には戸塚特別出張所にも追加導入し、申請書への記入負担の軽減と手続の効率化を図っています。
また、来庁せずに行政手続を行えるよう、国民健康保険料や介護保険料などの支払い方法に地方税ポータルシステムを活用したコード決済を導入します。あわせて、子ども・子育て分野をはじめ電子申請ニーズの高い手続のオンライン化を進めるとともに、昨年12月に開設した行政手続案内ポータルサイト「新宿行政手続きnavi」を活用し、電子申請可能な手続の周知や利用促進を図り、窓口の混雑緩和にもつなげてまいります。
国民健康保険料の収入率向上に向けた取組では、世帯主が1月1日に日本国内に住所を有していなかった世帯の入国初年度の保険料を最初の納期に一括で納付する仕組みを導入します。今後は、前納制に必要な例規の改正、システムの対応等を行い、令和8年度保険料からの前納制の実施に向けて準備を進めていきます。
旧都立市ヶ谷商業高等学校の跡地では、校舎等の解体工事を進めるとともに埋蔵文化財調査を実施し、牛込第一中学校及び地域図書館の建替えを進めてまいります。
このほか、区有施設については、公共施設等総合管理計画及び中長期修繕計画に基づき、引き続き適切な修繕を行い、長寿命化を図るとともに、新庁舎の整備に向けて庁舎整備基金を計画的に積み立てていきます。
3 . 2 令和8年度予算の概要
次に、令和8年度の予算案についての基本的な考え方を申し述べます。
はじめに国及び都の令和8年度予算案についてです。
政府の令和8 年度予算案は、「令和7年度補正予算での対応に続き、切れ目なく、強い経済を実現する予算」として編成されました。
具体的には、経済・物価動向等の反映として、診療報酬、介護報酬の改定などを実施するほか、GXに対する先行投資や、子ども・子育て加速化プランの推進など、複数年度で計画的に取り組む重要施策を推進するとともに、新たな財源確保などを通じて、いわゆる教育無償化を始めとする様々な分野で予算を増額しています。
一般会計予算は122兆3,092億円で、前年度と比較して7兆1,114億円の増となっています。
税収は83兆7,350億円で、前年度と比較して5兆9,160億円の増となっています。
また、東京都は令和8年度予算を「2050東京戦略」の迅速かつ確実な実行に向け、大都市東京の強みを遺憾なく発揮し、明るい未来を実現する予算」として編成しました。
一般会計の予算規模は9兆6,350億円で、前年度と比較して4,950億円、5.4%の増となっています。
都税は7兆3,856億円で、前年度と比較して4,560億円、6.6%の増となっています。
続いて、区の令和8年度予算案についてです。
令和8年度の予算は、編成の基本方針を「健全な区財政の運営を基本に置き、第三次実行計画を着実に推進するとともに、区政の総合力の向上と区政課題の解決に向けて進取果敢に取り組む予算」と位置付け、第一に、社会経済情勢の動向を的確に見極めながら、限られた財源を効果的かつ重点的に配分すること、そして、第二に、徹底した事務事業の見直しと経費の削減に取り組むとともに、財源の的確な捕捉による一層の歳入確保を図ること、この二点を基本に編成しました。
一般会計は1,878億円で、前年度と比較して6億円、0.3%の減となり、3つの特別会計を合わせた令和8 年度予算案の総額は2,639億円で、前年度と比較して5億円、0.2%の増となりました。
一般会計は、人件費や扶助費が増となったものの、新宿文化センターの設備整備や西新宿小学校校舎の増築の終了などにより普通建設事業費が減となり、歳出総額が対前年度6億円、0.3%の減となりました。
特別区税や地方消費税交付金などの一般財源の72億円の増に加えて、予算編成方針に掲げた事業のあり方や実施体制の検証、決算不用額等精査やマイナスシーリングよる財源確保、また区有財産の有効活用等によって、48億円の一般財源を確保し、財源不足額は前年度と比較して32億円、67.6%減の15億円に圧縮できました。
今後もエネルギー・食料品価格の高騰、金融資本市場等の変動や今後の税制改正に関する議論など社会経済情勢の不透明な状況が想定される中、少子高齢化における社会保障関連経費の増加、デジタル化への対応、脱炭素化への取組、災害リスクへの備え、公共施設の老朽化に伴う更新・改修需要など、必要経費は将来に向かって更に増加することが見込まれます。
このような状況においても、将来にわたり良質な区民サービスを提供し続けるためには、安定した財政基盤を確保しなければなりません。そのためには、社会経済情勢を慎重に見極めながら、将来需要を的確に捕捉し、更なる歳入の確保と歳出の削減を図ることが不可欠です。
区民サービスの向上に資するデジタル化を進めるとともに、不断の行財政改革に徹底して取り組み、区政を取り巻く環境の変化に対応した持続可能な行財政運営に努めていきます。
4 おわりに
以上、区政の基本方針と施策の大綱について、所信の一端を申し述べてまいりました。
今後も、現場現実を重視し、区民の皆様の声をお聴きしながら、誰もが安心して住み続けられる新宿のまちの実現に向けて、全力で取り組んでいきます。
議会並びに区民の皆様のご理解とご支援を心からお願い申し上げまして、区政の基本方針説明を終わらせていただきます。
本ページに関するお問い合わせ
新宿区 総合政策部-企画政策課