地域の実情を把握し、区民目線で課題解決に取り組もう

皆さん、おはようございます。年末を迎え、今年一年のご尽力に心から感謝申し上げます。はじめに、今年の区の話題について、振り返りたいと思います。
　
今年は、世界陸上とデフリンピックという世界的なスポーツイベントが開催され、多くの方々が新宿のまちを訪れました。区では、両イベントを盛り上げるため、広報やSNS等を活用して魅力や楽しみ方を広く周知したほか、気運醸成イベントの実施や子どもたちが競技場で観戦することを通じて、スポーツの力を体感するとともに、共生社会への理解を深める機会を創出しました。
また、「新宿シンちゃんあんぱんプロジェクト」では、区の防犯マスコット「新宿シンちゃん」の焼印入りオリジナルあんぱんを作成し、地域のイベント等で販売しました。店頭に並べるとすぐに売り切れてしまうほどの好評ぶりで、やなせたかしさんの想いが込められたこのあんぱんは、多くの皆さんに「明るく元気な新宿」の魅力を伝えるものとなりました。
先日13日にシネシティ広場で開催した「ゴジラ観光特使10周年記念イベント」では、ゴジラにまつわるトークショーや大型ビジョンでの映像放映、特別住民票の写し（観光特使10周年記念カード）の配布などを行い、多くの方に新宿の文化とエンターテインメントの奥深さに触れていただく機会となりました。
こうした取り組みを通じて、新宿の魅力をより広く、より深く伝えることができたと考えています。来年も引き続き、区の活動や魅力を積極的に発信し、区民が新宿に愛着をもち、新宿で暮らすことを誇れるよう、取り組んでいきたいと思います。

次に、10月から11月にかけて開催した「区長と話そう～しんじゅくトーク」についてお話しします。
今回は「資源循環型・脱炭素社会の実現」をテーマに、参加された皆さんから、ごみ削減の工夫、再利用の仕組み、CO2削減に向けた取組などについて、幅広いご意見・ご提案をいただきました。また、日々の暮らしに密着した課題についても、率直なご意見やご要望を多数いただいています。こうしたご意見は、すでに関係部署へ共有していますので、今後の施策や事業の検討に活かしていただきたいと思います。

そして、この「しんじゅくトーク」で出た意見の中で特に多かったのが、住宅宿泊事業法、いわゆる民泊に関するものでした。ここで、この民泊への対応についてお話ししたいと思います。
住宅宿泊事業法は平成30年に施行されましたが、それ以前から区内には多数の闇民泊が存在し、騒音や不審者の出入りなど、区民生活に深刻な影響が生じていました。こうした状況を踏まえ、区は当初から反対の立場を明確にし、民泊問題対応検討会議を設け、国に慎重な制度設計を求めるとともに、全国に先駆けて条例を制定するなど、地域の安全・安心を確保するための取り組みを進めてきました。
しかし、その後も国による規制緩和が進んだ結果、交通の便が良く、商店も多い新宿区は全国最多の民泊件数を抱えるに至り、管理が不適切な施設が増加しているのが実情です。区ではこうした事態に対し、9月には都内で初めて業務停止命令を、12月には業務廃止命令を発出しました。マンパワーには限りがありますが、悪質な事業者には厳正に対処し、区民生活を守るという明確な姿勢を示していきます。
民泊への対応は、まさに区民目線で施策を進めてきた代表的な事例です。現場を見て、区民の声を直接受け止め、それを施策に反映させること、地域の実情を肌で感じながら取り組む姿勢が重要です。職員の皆さんには、ぜひこの視点を忘れず、日々の業務においても「区民にとってどうか」を考え、施策の検討・実施を進めていただきたいと思います。
　
次に、エンゲージメント向上に向けた取組の進捗についてお話しします。
今月1日、私は職員エンゲージメント向上PTメンバーと意見交換を行いました。委託コンサルタントから職員エンゲージメント調査の中間報告を聞いた後に、PTメンバーから対応策についての検討状況の報告を受け、意見交換を行いました。時間が足りなかったので、改めて、機会がもらえるならば、ざっくばらんな意見交換をしたいと考えています。
中間報告では、全庁的なエンゲージメントとして「悪くはない」状態ではあるものの、「改善・チャレンジ」、「ワークライフバランス/仕事への多忙感」などの項目で改善の余地や課題があることなどが分かりました。PTメンバーからも、業務改善や働き方改革に関する意見や具体的なアイデアなどをいただきました。これらの意見やアイデアは提言書としてまとめられる予定で、可能なものから順次取り組んでいきたいと考えています。資料は、職員ポータルに掲載しますので、情報を共有してください。
皆さんが日々の業務の中で感じている課題や工夫を共有し合うことは、働きやすさややりがいの向上に寄与し、結果として区民サービスの質を高めることにつながります。これからもこうした取組を重ね、皆さんが安心して力を発揮できる職場環境を一緒に築いていきたいと考えています。

さて、今年も残り二週間となりました。
一年間、本当にお疲れさまでした。あらためて、皆さんのご努力とご協力に心から感謝いたします。年末年始は心身をしっかり休め、英気を養ってください。

本日の放送はこれで終わります。