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令和の新時代にふさわしい区政のあり方と働き方

最終更新日:2019年7月12日

皆さんおはようございます。
区長の吉住健一です。

元号が令和に変わって2ヶ月あまりが経過しました。
改元の時期には、区民サービスを支える基盤となる各種システムが正常に機能するように、システム改修や区の窓口で使用する書類等の変更、また、ゴールデンウィーク中の行政サービスなど、それぞれの部署がしっかり対応にあたってくれたことで、混乱なく、新しいスタートを切れました。本当にお疲れさまでした。

ちなみに、令和最初の5月1日の婚姻届は307件と、例年1年を通じて6,000件弱の届出の20分の1にあたる件数を1日で受理してもらいました。

さて、平成が終わり、令和の時代が始まりましたが、職員の皆さんは、これからの時代をどのように見通していますか?

国立社会保障・人口問題研究所によると、日本全体の総人口は、減少し続け、令和35年には1億人を割ると推計されています。加えて、平成27年に、総人口の60.8%であった生産年齢人口も、人口が1億人を下回る令和35年には、51.6%まで低くなる見込みです。
 
新宿区の場合は、新宿自治創造研究所の推計によると、人口増加は令和17年に35万2000人となるまで続くと予想されていますが、その後、緩やかな減少期に入り、令和22年以降は、生産年齢人口の割合の低下や、高齢者とくに後期高齢者人口の割合の上昇が急速に進むと見込まれています。

社会保障や介護、地域経済・コミュニティの担い手不足、定住外国人への対応など、多様化した課題に直面する時代が予想されます。
さらに、地震や豪雨など自然災害に加え、感染症対策や新たな手口の犯罪など区民の安全・安心な生活を脅かすような要因が生じており、安全・安心対策の範囲も拡大していきます。

課題は山積しますが、皆さんの経験と知識を蓄積していただき、困難な課題を乗り越えることが出来るように、取り組んでいきたいと思います。

さて、地域課題が多様化・複雑化している中で、関係機関や民間企業と連携しながら、効果的な対策を考えていくことも重要だと考えていますが、関係機関や民間との連携について、最近の取り組みを2つ紹介します。
先月、6月6日、区は、民泊の仲介業者としては世界最大手のAirbnb (エアビーアンドビー)社と、民泊の適正な運営のための連携協定を結びました。
区では、国の民泊制度発足と同時に、条例で独自の新宿区ルールを定め、区民の生活環境の悪化を防止するための取り組みを実施してきましたが、民泊事業に対する住民からの相談や苦情は依然として多く寄せられています。
新宿のように、住宅が密集している都市部での民泊では、地域の実情に応じた措置等が必要です。
今回の協定に基づき、Airbnb社に登録している区内の民泊事業者に、Airbnb社を通じて、民泊事業者や宿泊者が守るべき新宿区ルールやマナーを周知・徹底させるほか、宿泊者に対する災害時の行動や避難方法などのお知らせ、地域の観光・イベント情報の提供を行います。
 
もうひとつは、同じく先月6月18日に、区と区内4警察署とで締結した、児童虐待防止に向けた情報共有に関する連携協定です。
児童虐待は深刻な社会問題となっています。区でも、新規の虐待相談受付件数は、平成28年度は368件だったのに対し、平成30年度は789件と、2倍以上に増えています。
区の子ども総合センター及び子ども家庭支援センターは、通報等で虐待が疑われた児童に面会ができず、安全確認ができない場合には、警察と連携して、法に基づく緊急立入り調査を行う必要があります。従来も、警察と連携して虐待事案に対応してきましたが、協定において、緊急時に、どのような情報をどのように共有するかを明文化することで、これまで以上に警察とのスムーズな連携を図り、虐待への早期対応・未然防止につなげていきます。
 
限られた人員や財源であっても、より効果をあげ、時代のニーズに的確に対応できる施策や事業のあり方を、常に探っていきたいと考えています。

今日は、働き方改革について少しお話します。
「働き方改革関連法」が今年4月から段階的に施行され、区でも、職員の残業時間の上限時間が条例及び規則で規定されました。また、6月には、「障害者雇用促進法」の改正により、全ての自治体に「障害者活躍推進計画」の策定が義務付けられました。

働き方改革は、生産年齢人口の減少による日本経済の停滞が危惧される中、高齢者、女性、障害がある人など、すべての人材が労働に参加できる社会の実現を目指すものですが、その具体的な目標である「長時間労働をなくし、年次有給休暇などをとりやすくすることで、個々人の事情にあったワークライフバランスを実現すること」や「ライフスタイルやライフステージの変化に合わせて、多様な働き方を選択できる労働環境の整備」は、働く人の生活の充実に結びつくものです。
区役所としても、この機を捉えて、改めて業務の効率化と、障害のある職員も含め、全ての職員が区政に携わる責任と自覚のもと、持てる力を十分に発揮して活躍できる、働きやすい職場づくりに取り組んでいきたいと思います。
 
業務の効率化を進める上では、日々の業務を、何人で、どのように、どれくらいの時間をかけて行っているか、「業務の見える化」をすることが大切だと言われています。業務の見える化により、客観的に分析することができ、業務の見直しや改善、ITの導入・委託化などの検討がしやすくなるからです。
同時に、年次有給休暇の計画的な取得や、職員同士の情報共有の促進など働きやすい職場づくりも重要です。長期休暇の際や、体調不良などで急に休む場合でも、仕事が円滑にまわるよう、普段から職場の中で情報共有の体制をつくるなど、休暇をとりやすくする工夫はできると思います。
  
長時間労働が改善されれば、その分の時間を使って、業務に必要な知識やスキルを習得することができます。また、有給休暇でリフレッシュすることで、仕事の効率もあがります。自分自身にとっても、組織にとっても、新しい行政需要に対応できる余裕や伸びしろを持てるということは重要だと思いますので、各職場でぜひ考えてみてください。

5月には「デジタル手続法」が成立し、今後、区役所における業務のあり方も大きく変わっていきます。
行政手続きを、原則オンライン化するデジタル手続法には、3つのコンセプトが盛り込まれています。一つ目のデジタルファーストは「個々の手続き・サービスが一貫してデジタルで完結する」、二つ目のワンスオンリーは「一度出した情報は、二度提出することを不要とする」、三つ目のコネクテッド・ワンストップは「民間サービスを含め、複数の手続き・サービスをワンストップで実現する」とされています。

現実の行政サービスの場で提供されるまでには、システム開発から変更と、今日明日にもという状況にはありませんが、業務の効率化を進める中で、職員が自らでなくては対応できない職務に取り組むことが出来る時間や余裕を生みだす原動力として期待されるものですので、このコンセプトをぜひ意識して行ってください。

最後に、今月21日は、参議院議員選挙が行われます。職員の皆さんには、選挙事務を担っていただいています。天候がすぐれない日が続きますが、健康に気を付けて従事してください。

選挙が終わると、いよいよ本格的に夏休みの時期です。夏季休暇をしっかりと利用して、家族や友人とリフレッシュしてきてください。本日の放送はこれで終わります。

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