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11月13日 部課所長会あいさつ

最終更新日:2018年11月13日

皆さん、おはようございます。私は、去る11月11日の区長選挙におきまして、区民の皆様の御支持をいただき、引き続き新宿区政を担うことになりました。本日は、私の区政に対する姿勢や基本政策などについて、職員の皆さんにお話しします。

私は、この度の区長選挙において、『区民とともに新宿区の未来を創る』と訴えてまいりました。本年は、新たな総合計画をスタートした年にあたり、10年後の新宿の姿を目標とした総合計画を実行に移していく段階にあります。新宿の将来を見据え、引き続き、「暮らしやすさ1番の新宿」、「新宿の高度防災都市化と安全安心の強化」、「賑わい都市・新宿の創造」を柱とし、これらを下支えする「健全な区財政の確立」と「好感度1番の区役所」を合わせた「5つの基本政策」を一層推進することを区民の皆さんにお約束させていただきました。
私は、常に区民の視点、生活者の視点から区政の課題を捉え、私の区政に対する2つの基本姿勢である「現場・現実を重視した柔軟かつ総合性の高い区政」と「将来を見据えた政策の優先順位を明確にした区政」のもと、区政運営にあたってきました。これからも、区民に最も身近な基礎自治体として、地域の実情に即した施策を展開し、区民生活の現場で起きている現実を受け止め、地域課題に的確に対応することで、誰もが住みたい、住み続けたいと思える、持続的に発展する新宿のまちの創造に向けて、今後4年間、職員の皆さんと全力で取り組んでいきます。

ここで、まず「緊急に取り組むべき身近な新宿区の課題」について、お話いたします。切迫性の高まる首都直下地震等の緊急地震対策と、夏の猛暑から子どもたちを守るために、区立小中学校体育館等に空調設備を整備すること、また、開催を目前に控えた東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を、スポーツの促進や健康づくり、障害理解をはじめ区民の皆さんの記憶に残る有意義な大会とすることをお示ししました。このことについては、速やかに取り組みを具体化してまいります。

次に、私が掲げる「5つの基本政策」について申し上げます。
基本政策の第一「暮らしやすさ1番の新宿」では、区民の皆さんが、健康でいきいきと暮らし続け、誰もが自分らしく生活できるまちづくりを推進します。
このため、生涯にわたり心身ともに健康で暮らせるよう、健康寿命の延伸に向けた健康づくり事業やフレイル予防事業などに取り組みます。また、住み慣れた地域で暮らし続けられる地域包括ケアシステムの推進として、特別養護老人ホームなど介護保険サービスの基盤整備に着実に取り組むとともに、地域の支え合いの担い手の育成を推進していきます。
障害者施策では、障害者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、生活介護事業の充実に加え、重症心身障害者通所事業を開始します。
子育て支援については、引き続き、待機児童の解消に向け、保育所の整備と定員拡充に取り組むほか、学童クラブ及び放課後子どもひろば事業の充実を図ることで、ニーズに合った放課後の居場所づくりを推進します。また、児童相談行政の一元的かつ総合的な実施に向け、2021年の開設を目指し、児童相談所及び一時保護所の整備を進めます。
教育の充実については、子ども一人ひとりの「生きる力」を育む質の高い学校教育を実現するとともに、小中連携型地域協働学校の実施など、家庭や地域とともに進める教育に取り組みます。また、近年の猛暑をうけ、児童・生徒の安全な教育環境や、災害時の避難所としての機能を向上させるため、区立小中学校体育館等の空調設備の整備に取り組んでいきます。
幼児教育の無償化については、引き続き、国や都の動向を注視しながら、限られた財源の中で、幼児教育環境の整備・充実を推進します。教員の勤務環境の改善と働き方改革については、学校現場の実情に応じた取組を実施し、教員が健康でやりがいを持ちながら子どもたちと向き合い、質の高い教育活動を継続できるよう取り組んでいきます。
地域の課題を共有し、ともに考え、地域の実情に合ったまちづくりの推進では、町会・自治会の活性化や加入の促進に向けた支援を行うほか、若者の柔軟な発想力や意見を区政に活かせる取組を推進します。また、成年後見制度の利用促進や就労支援の推進などにより、だれもが地域の一員として安心して自分らしい暮らしができるよう取り組んでいきます。
来年10月に予定されている消費税率の引き上げについては、区民生活や地域経済に対する影響が懸念されていることから、引き続き、低所得者や中小企業への支援を行います。

基本政策の第二「新宿の高度防災都市化と安全安心の強化」では、災害に強いまちづくりと、安全安心な生活環境づくりを推進します。首都直下地震の切迫性が高まる中、災害に強い高度な防災機能を備えた都市づくりを行うことが喫緊の課題です。このため市街地再開発事業や防災街区整備事業、木造住宅密集地域における地区計画や新たな防火規制等を導入するほか、ブロック塀や擁壁・崖の安全化対策、道路の無電柱化などに迅速に取り組みます。また、女性の視点を取り入れた避難所運営体制の充実や、要配慮者の支援策に取り組むとともに、マンションの自主防災組織への助成や災害時の担い手の育成などにより、災害に強い体制づくりを推進します。暮らしやすく安全で安心なまちづくりの実現では、客引き行為等の防止に向けたパトロール活動や特殊詐欺対策、住宅宿泊事業の適正指導、空き家対策などに取り組んでいきます。

基本政策の第三「賑わい都市・新宿の創造」についてです。持続的に発展する新宿を創造するためには、商業・業務・文化・居住機能など多様性に富んだ新宿区の都市機能や都市環境を活かしたまちづくりが重要です。
新宿駅周辺地域においては、本年3月に策定した「新宿の拠点再整備方針」にもとづき、利用しやすい駅、快適で魅力ある駅前広場を整備するとともに、まちの特性や機能更新などのまちづくりを促進することで、地域全体で質の高い国際交流拠点の形成に取り組みます。また、歌舞伎町の東急ミラノ座跡地における複合エンターテイメント施設の整備や、新宿住友ビルの公開空地を活用した「国際会議場施設」と日本最大級となる「全天候型屋内アトリウム広場」の整備、新たなアートの発信拠点となる「(仮称)損保ジャパン日本興亜新美術館」の整備等の開発計画を促進するなど、民間活力を活かしたまちづくりを推進します。さらに、ユニバーサルデザインのまちづくりをより一層進めるため、条例を制定し、建築等の計画段階からの事前協議制度を創設するほか、駅周辺などにおいて、わかりやすい案内サインなどの整備を進めます。
バリアフリーの道づくりでは、東京2020オリンピック競技大会のマラソンコース周辺道路における遮熱性舗装や自転車通行空間の整備など、歩く人にやさしい歩行者空間と道路・交通施設等の充実を図ります。また、「新宿中央公園魅力向上推進プラン」に基づく整備に取り組み、新宿中央公園の特色や魅力を、さらに高めます。
さらに、省エネルギー機器の設置助成などの地球温暖化対策を進めるとともに、食品ロス削減などごみの減量に向けた意識の醸成、リサイクルの推進に取り組みます。
まちの歴史や記憶、文化、芸術など多様な魅力による賑わいの創造については、漱石山房記念館の各種事業や新宿フィールドミュージアムなどの文化芸術イベント、また、外国人観光客に東京のナイトライフを楽しんでもらうための取り組みなどを通して、新宿区の多様な魅力を発掘・創造・発信し、さらなる賑わいづくりに取り組むとともに、国際観光都市・新宿としてのブランド力の向上を図ります。
また、商店街の活性化に向けた支援については、区内大学等との連携による商店街支援など、商店街の魅力づくりに取り組んでいきます。
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催まで2年を切りました。メインスタジアムとなる新国立競技場が位置する自治体として、この大会が、将来を担う子ども達をはじめ、多くの区民の記憶に残り、地域の活性化につながるような様々な取り組みを実施するとともに、大会後のレガシーとして引き継ぐため、スポーツ施設整備基金を活用した区内のスポーツ施設の改修等を進めます。また、障害者スポーツ体験イベントなどを通して、障害者スポーツを身近に感じ、競技を応援する気持ちを高めるとともに、相互理解による「心のバリアフリー」を推進していきます。

基本政策の第四「健全な区財政の確立」については、効果的、効率的な区政運営に向け、本年度新たに導入した施策単位での行政評価手法とともに、新公会計システムの活用などにより、各事業の見直しや次年度予算編成への反映をより一層徹底し、行財政運営におけるPDCAサイクルを強化していきます。区有施設については、「新宿区公共施設等総合管理計画」に基づき、区有施設の維持管理・更新・統廃合・長寿命化などを総合的かつ計画的に行い、施設マネジメントの強化を図ります。区立小中学校等の個別施設計画については、2020年度までの策定を目指して取り組んでいきます。また、ネーミングライツや公的不動産の活用、広告による税外収入の確保に努めていきます。

次に、基本政策の第五「好感度1番の区役所」についてです。区の役割の基本は「区民の立場に立って、区民生活の現場で起きている現実を受け止め、地域課題に的確に対応すること」だと考えます。職員の皆さんは、常に現場・現実を知る努力を怠らず、実務を遂行するうえで欠かせない知識や法令等の基礎的能力を向上させていただきたいと思います。その上で、健康に留意し、心身のバランスを保ちながら、区が提供するサービスや自らの仕事が区民に喜ばれるやり甲斐や達成感を感じ、気持ち良く仕事に取り組んでいただきたいと思います。
私も、引き続き、皆さんとともに、現場・現実を重視し、情報を共有しながら、様々な区政課題に確実に対応していきたいと思います。一緒に力をあわせて新宿の発展に力をつくしてまいりましょう。
以上、私が向こう4年間、区長として区政を担うにあたり、職員の皆さんと共有したい基本姿勢並びに基本政策について申し上げました。

最後に、1月の賀詞交歓会でも述べた、文豪・夏目漱石の日記の言葉を申し上げます。「誠実に語れ。摯実に行え。汝の現今に播く種は、やがて汝の収むべき未来となって現わるべし。」これは、「今が良いからと言って、未来永劫続くものではない。今の工夫や努力が、未来の結果をもたらすだろう。」と、私は解釈しています。新たな事業が、始めから全て上手くいき、評価される訳でもなければ、上手くいっているからといって、将来にわたって成功を約束されるものでもありません。真剣に検証し、丁寧に実施していくことが、未来の成果を生み出していくと思っています。新たな総合計画の事業期間はスタートしていますが、常に新鮮な気持ちで、実現に向けて努力してまいりましょう。

新宿区は、国内外の多様な人々が住み、働き、学び、集う、懐の深いまちです。こうした多様性に富んだ新宿区の強みを最大限に活かし、職員の皆さんとともに活力あるまちづくりに取り組み、基本構想に掲げる「『新宿力』で創造する、やすらぎとにぎわいのまち」を築いていきましょう。引き続き、よろしくお願いいたします。

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