夏目漱石記念施設整備プロジェクトvol.8

夏目漱石記念施設整備プロジェクトvol.8を開催しました。第一部では、作家・国文学者の林望さんによる「漱石は愉快だ」と題したご講演と、梅花女子大学準教授の東四柳祥子さんによる「料理書でひもとく明治・大正期の食生活～漱石が生きた時代の食を探る～」と題したご講演をお願いいたしました。

今回の講演では、漱石の人格や作品に大きな影響を与えたイギリス留学にも焦点を当て、ご自身もイギリス留学を経験された林望先生の漱石文学との出会いや、イギリスの食事情など、とても楽しいお話をお聞きすることができました。

また、東四柳先生は、日本人の食生活が劇的に変化した明治・大正時代の人たちの食文化を、さまざまな文献の研究成果を踏まえ、分かりやすくお話ししてくださいました。明治の人々の食生活を知ることで、明治期の作家・夏目漱石の作品を読んでみようと思った方も多かったと思います。

第二部では、「漱石と食」をテーマにシンポジウムを開催しました。漱石が東京帝国大学で教えていた頃、パン屋として創業した新宿中村屋取締役相談役の染谷省三さんと私も加わり、第一部のご講演者の皆さまと一緒に、なじみ深い菓子パンやカレーパン、漱石文学に登場する食べ物のことなど、それぞれの視点でお話ししました。

いよいよ9月に漱石山房記念館は開館いたします。引き続き、施設整備基金へのご寄付など開館に向けて皆さまの温かいご支援・ご協力をお願いいたします。また、ご多忙の中、ご登壇くださいました先生方、本イベントで参加者の皆さまにレトルトカレーをご提供くださいました（株）中村屋様に心から御礼申し上げます。